「限定承認」という相続方法はどんなもの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年2月1日 12時0分
被相続人の財産がどのくらいあるのか分からない、借金があるかもしれないなどのケースでは、借金を相続したくないことから、相続放棄を検討する場合もあります。しかし、その他の方法はないのでしょうか。 今回は、限定承認という相続方法について解説します。
限定承認とは
限定承認とは、相続によって得たプラスの財産の範囲内で、被相続人のマイナス財産を相続する方法のことになります。
例えば、被相続人の財産が自宅(評価額300万円)と借金500万円のケースで、相続方法として限定承認を選択した場合、相続人が自宅300万円分の負債を債権者に支払う(精算する)ことで、自宅を相続することができます(借金500万円は引き継ぎません)。
限定承認は、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し出る必要があります。ただし、相続放棄のように相続人が単独で行うことはできず、相続人全員で行う必要があります。
限定承認を検討する主なケース
限定承認を検討する主なケースを確認します。
【被相続人のマイナス財産が不明な場合】
被相続人のマイナス財産がどのくらいあるのか分からないなどのケースです。
例えば、単純承認をした後で多額の借金が判明した場合、限定承認を選択することはできません。限定承認を選択することで、多額の借金が判明した場合でも、相続によって得たプラスの財産の範囲内で弁済すればよいということになります。
また、弁済した結果、プラスの財産が残っていれば、残ったプラスの財産は相続人が承継することになります。
【特定の不動産を相続したい場合】
被相続人の相続財産である(被相続人が所有していた)自宅に相続人が生活しているケース(被相続人が所有している自宅)や、父が経営している工場や店舗などを相続人が引き続き経営するなどケースです。
相続放棄を選択した場合、すべての相続財産を放棄(手放す)する必要がありますので、相続財産である自宅や工場、店舗などを相続することはできません。限定承認を選択し、不動産評価額を弁済することで、該当の不動産を相続することができるということになります。
まとめ
被相続人のマイナス財産が不明、特定の不動産を相続したいなどの場合に、相続方法として検討したい限定承認は、相続によって得たプラスの財産の範囲内で、被相続人のマイナス財産を相続することができるなどのメリットがある一方、相続放棄などと比べて手続きが複雑で難しく、相続人全員での手続きが必要などのデメリットもあります。
相続人は、相続時の状況等を考慮して、単純承認、相続放棄、限定承認の中から最善の相続方法を選択することが重要となります。
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー
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