専業主婦でも資産運用 NISAとiDeCoの二刀流
ファイナンシャルフィールド / 2022年2月8日 11時10分
専業主婦の方でも、お得に資産運用を行うことができる「つみたてNISA」や「iDeCo」を活用すれば、老後資金となるお金を長期的に、かつ計画的に増やすことができる可能性があります。 今回は、「つみたてNISA」と「iDeCo」の使い分けの方法や、具体的な運用例をご紹介します。
つみたてNISAとiDeCoの共通点と違い
一般口座で資産運用を行う場合、運用益には約20%の税金がかかります。
しかし、少額からの長期・積立・分散投資を支援する非課税制度「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を活用すると、配当金や売却益などの運用益にかかる税金を非課税とすることができるため、将来に向けた資産運用を行う場合には大変お得といえます。
ただし、つみたてNISAとiDeCoには、大きく分けて以下の5つの違いがあります。
(1)加入条件
つみたてNISAの場合、20歳以上の国内居住者なら誰でも加入することができ、年齢に上限はありません。
一方、iDeCoは老後資金を蓄えるための制度なので、加入できるのは20歳以上60歳未満の国民年金被保険者となっています。
(2)非課税期間
つみたてNISAの非課税期間は最長20年間です。一方、iDeCoの非課税期間は加入してから60歳までになるため、20歳から始めたとすると、最長で40年間も非課税で運用することが可能です。
(3)手数料
つみたてNISAの場合、売買取引手数料がゼロ円となっているネット証券が多くあります。購入した投資信託にかかる手数料(信託報酬)のみを支払うだけで、運用できるケースも多いでしょう。
iDeCoは加入時に、国民年金基金連合会へ2829円の手数料を支払わなければなりません。また、毎月105円の加入者手数料を負担する必要があります。さらに証券会社によっては管理手数料が別途かかることもあるので、事前に確認しておきましょう。
(4)お金を引き出せるタイミング
つみたてNISAは、いつでもお金の引き出しが可能です。
一方、老後資金の準備を目的とした制度であるiDeCoの場合、引き出しができるのは原則60歳以降となっています。この点ではつみたてNISAの方が、より自由度が高いといえるでしょう。
(5)税金の優遇措置
NISAもiDeCoも、配当金や売却益などの運用益にかかる税金を非課税とすることができます。
またiDeCoの場合は、毎月拠出する掛け金の全額が所得から控除されます(ただし、専業主婦の方は課税所得となる収入がないため、所得控除のメリットはありません)。
さらに、iDeCoのお金の受取方法には「年金」「一時金」「年金と一時金の組み合わせ」の3種類がありますが、年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除の対象となり、一定額までは税制上の優遇措置が受けられます。
専業主婦の運用例
専業主婦の方も、つみたてNISAとiDeCoの両方を活用することが可能です。
つみたてNISAは年間40万円まで、最長20年間非課税で資産運用ができますが、iDeCoは毎月拠出できる金額が国民年金の被保険者の区分によって異なります。
会社員など第2号被保険者の夫に扶養されている専業主婦は、第3号被保険者となります。iDeCoでは第3号被保険者が加入した場合、月額2万3000円まで、年額で27万6000円まで拠出が可能となっています。
専業主婦の方がつみたてNISAとiDeCoの両方で運用をすると、年間で最大67万6000円(つみたてNISAが40万円、iDeCoが27万6000円)まで非課税で投資を行うことができます。
20年でどのくらい増える?
もしも専業主婦の方が、つみたてNISAとiDeCoで積立投資を20年間行った場合、どのくらい資産を増やせるのでしょうか。
毎月の積立額:5万6000円(つみたてNISAが3万3000円、iDeCoが2万3000円)
投資期間:20年間
年利回り:3%
元本:1344万円
運用益:494万5000円
最終積立金額:1838万5000円
今回の条件での試算では、20年間の資産運用で約1800万円までお金が増える結果となりました。
約500万円の運用益は、全て非課税です。一般口座の場合は100万円近く税金を支払うことになりますが、つみたてNISAとiDeCoでの運用なので全て利益とすることができます。
専業主婦の方の場合、毎月5万6000円を投資に回すのが難しいケースもあるかもしれません。その場合は、まずは毎月1万円など、できる範囲から資産運用を始めてみましょう。
つみたてNISAの場合、最低100円から積み立てが可能なネット証券もありますが、多くの金融機関では毎月1000円から積立金額を設定できます。
また、iDeCoは限度額の範囲内で、月額5000円から1000円単位で拠出額を決められます。
なお、前述したとおり、専業主婦の方は課税対象となる所得がないので、iDeCoの所得控除のメリットは生かせません。そのため毎月1万円などの少額投資の場合、まずはつみたてNISAの利用を検討してみましょう
まとめ
資産運用を行う場合は、つみたてNISAとiDeCoを活用するのがお得です。専業主婦の方の場合でも2つの制度を利用することができるので、今回紹介した内容を参考にしながら、将来の老後資金のために資産運用を始めてみましょう。
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
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