年金を65歳より前に請求するとき、必要な書類って何? どこに出せばいいの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年2月19日 23時0分
老齢基礎年金および老齢厚生年金は、65歳にならなくても受給ができるのをご存じでしょうか。年金の受給時期を65歳よりも早い時期にすることは、年金の繰り上げと呼ばれています。 この記事では年金の繰り上げについて解説します。早期に年金生活をスタートさせたい方はこの記事を参考に受給手続きをしてみてはいかがでしょうか。
年金繰上げの注意点
国民年金あるいは厚生年金といった公的年金の受給開始時期は原則65歳以上となっています。しかし、60歳以上からも受給ができます。年金の繰り上げできる期間は、65歳になる日から換算して、最大で60ヶ月繰り上げることが可能です。
ただし、年金の繰上げにはデメリットが存在します。65歳になった時点から換算して、繰り上げをした月数に0.5%を乗じた額だけ、年金の受給額が減額されます。60ヶ月繰り上げした場合には、「60ヶ月×0.5%」となり、受給額は30%の減額です。
例えば、毎年200万円の年金受給額がある場合で60ヶ月間年金繰り上げをすると、年間の年金受給額は140万円となります。また、公的年金の繰り上げをすると二度と取り消しができません。65歳以降も減額された額を受給し続けることになります。
そのため、老後の収入や生活水準などをよく勘案した上で、年金の繰り上げをするべきか決めるようにしましょう。なお、2022年4月以降では、繰り上げによる減額率は0.4%に緩和されます。
公的年金の繰り上げ手続き
国民年金あるいは厚生年金といった公的年金の繰り上げを希望する場合には、「老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書」を提出しなければなりません。繰り上げをする場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金の双方が同時に繰り上げられます。どちらか片方だけを繰り上げるという選択はできないので注意が必要です。
「老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書」は「日本年金機構」の公式ホームページからダウンロードできます。書類に必要事項を記入し、提出することで年金の繰上げ受給が開始します。
本来の年金受取時期に送られてくる「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」とは異なり、「老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書」には、住所・名前・年金加入歴などがあらかじめ印字されていません。間違いのないように記入するように気を付けてください。
年金繰り上げの手続きに必要な書類
年金繰り上げの請求に必要な書類は次の通りです。まず「年金手帳」もしくは「基礎年金番号通知書」が必要です。複数の年金に加入している場合にはすべて用意しておきましょう。
本人情報を確認するために「戸籍抄本」あるいは「戸籍記載事項証明書」も用意しておかなければなりません。これらは「戸籍謄本」でもかまいません。また、合わせて住所や家族関係の確認に「住民票」が要求されます。住民票は世帯全員分を提出しなければなりません。本人確認書類として、免許証やパスポートなどを準備しておきましょう。
このほかに「雇用保険被保険者証」、雇用保険の基本手当を受けているなら「雇用保険受給資格者証」の提出を求められることがあります。配偶者がいる場合には、配偶者または本人の「非課税証明書」「課税証明書」「源泉徴収票」のいずれかが必要です。もし、共済組合に加入していた時期があるのなら「年金加入期間確認通知書」も提出書類として求められます。
なお、年金は銀行口座振込で支払われます。そのため、振込先として希望する金融機関の口座番号が確認できる、預貯金通帳やキャッシュカードの写しの提出もしなければなりません。年金繰り上げを請求する人の状況によって、必要書類は変わります。上述の書類の全てが絶対に必要なわけではありません。例えば、マイナンバーカードの提出によって、課税証明書などの添付書類の省略が期待できます。
年金繰り上げは所定の請求書を年金事務所に提出することで可能
「老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書」を、近隣の年金事務所か年金相談センター、もしくは市区町村役場に提出することによって、公的年金の繰り上げ受給ができます。請求書とともに基礎年金番号通知書や戸籍抄本といった各種書類の添付をしなければなりません。必要に応じて書類を準備しておくようにしましょう。なお、年金の繰り上げには年金の受給額が下がるといったデメリットもあるので、注意して行うようにしてください。
出典
日本年金機構 65歳前に年金を繰り上げて受け取りたいとき
日本年金機構 老齢年金の繰上げ請求についてのご確認
日本年金機構 日本年金機構におけるマイナンバーへの対応
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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