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コロナ禍でも年収が上がった業界は?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月13日 3時0分

コロナ禍でも年収が上がった業界は?

コロナ禍は人々の生活に大きな影響をもたらしましたが、雇用についても例外ではありません。人の移動が大きく制限されたコロナ禍のなか、仕事の増減も著しいものがあります。仕事の件数が大幅に減少した業界もあれば、逆に仕事が増えて年収の増加につながった業界も存在するのです。   ここではコロナ禍がもたらした仕事への影響や年収が上がった業界についてお伝えします。

ライフスタイルの変化と年収の関係

・人の行動範囲が狭まったことが影響している

コロナ禍による生活への影響はさまざまですが、人の行動範囲が大きく狭まったのは無視できない事実です。コロナの感染を避けるため、多くの人が必要最低限以外の外出を控えるようになりました。
 
特に余暇の過ごし方が大きく変化し、旅行に出掛けるのではなく、俗に「巣ごもり」と称される自宅でのくつろぎを楽しむ人が増加したのです。仕事のあり方もオフィスに大勢が集まる従来のあり方から、通信環境を各人が整えて自宅にいながら働くスタイルに変わったのです。すべての仕事のあり方が変わったわけではありませんが、遠出や複数人が集う回数の減少がさまざまな職業で起こりました。
 

・出歩く必要がないライフスタイルに合致する業界ほど年収が増えている

コロナ禍で年収が増えた業界の多くは出歩く必要がないライフスタイルに合致している共通点があります。コロナ禍により仕事や買い物、食事など生きるのに欠かせない行為のなかで外出しなければ成り立たない事柄も外出せずに済ませる必要が生じました。そのため、外出せずに仕事や買い物などができる環境の整備や維持に関わる業界が注目され、需要が増加したのです。結果、これらの業界に関する仕事に携わる人の年収が増加しました。
 

コロナ禍で年収が増えた仕事と減った仕事の違いについて

・通信や運輸に関する仕事は年収が増加している

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2020年において前年度よりも年収が2%以上増加した業界は情報通信や運輸に関する仕事です。これらは人々の外出が減り、自宅で過ごす時間が長くなったことに関係しています。
 
外出先で他人と会って話すのではなく、電話やメールなどの通信機器を用いる機会が増加したためです。また、デスクワークと称されるオフィスでの仕事も動画通信機器を使って自宅で行うケースが増加しました。そのため、通信環境を整えるための回線工事や機器の購入などの件数が増え、それらに関する仕事に従事する人の増収につながったのです。運輸関係の増収も同様の理由です。
 
買い物のために外出する機会が減り、通信販売や宅配サービスの需要が増加しました。購入した品物を自宅まで運んでもらうケースが増え、運輸関係の仕事が増加したのです。
 

・副業に関する業界も増加している

コロナ禍の影響で年収が増えた業界に金融や保険が挙げられます。仕事の減少によって年収も減り、副業を行う人が増加しました。自宅でできる仕事として株式や仮想通貨を取引する投資ビジネスが注目され、これらを扱う金融や保険の業界で仕事が増加したのです。増加率は1%ほどですが、緩やかに上昇する傾向にあります。
 

・医療や福祉は1%以上減少している

飲食業や旅行サービス業など、人の行き来に大きく関わる業界はコロナ禍による影響が大きく、前年度よりも3%以上年収が減少しています。また、医療や福祉の業界も1%以上の減少がみられますが、これはコロナ感染の主な原因とされている濃厚接触の機会が多いことと関係しています。
 
医療についてはコロナに感染した人の治療を優先し、他の病気を抱えている人への治療が後回しになりました。そのため、対応できる患者の数が減り、仕事も減少したのです。患者の側も「病院に行くとコロナに感染するリスクが増える」と通院を避けるようになり、ますます医療関係の仕事が減少しました。結果、医療に関する仕事に就いている人の年収が下がったのです。
 
介護など福祉関係の業界で年収が減ったのは濃厚接触の機会が多く、利用者が減少したことが主な理由です。介助作業は要介護者の体に触れて行うのが普通であることから濃厚接触になりやすく、それだけ感染のリスクも増えます。接触する時間を減らすために就業時間が短縮され、そのために働く人の年収が減少しました。
 

ライフスタイルの変化と感染リスクが年収の増減に影響する

コロナ禍で年収の大きな増減が生じた業界には人々のライフスタイルの変化に影響された共通点があります。外出の機会が減り、巣ごもりの時間が長くなったライフスタイルでの需要に対応できる業界は仕事が増え、年収も増加しました。逆に外出や濃厚接触など、コロナに感染するリスクが増える行為に関係する仕事は件数が減り、年収も減少したのです。
 
出典
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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