年金の受給はいつから始まる? 受給者が誕生月を迎えた際にすること
ファイナンシャルフィールド / 2022年3月20日 23時10分
![年金の受給はいつから始まる? 受給者が誕生月を迎えた際にすること](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_132886_0-small.jpg)
今現在、順調に生活している方であっても、自分や親の将来について考え、必要な知識を得るのは重要です。特に、年齢が高めの方の主要な収入源となる年金について基本的なことを理解しておくと、将来への不安を軽減できるに違いありません。 こちらでは、年金の受給開始年齢や、年金受給者が誕生月を迎えた際にすべきことをご紹介します。
年金受給はいつから始まるか
年金が受け取れる年齢は、国民年金・厚生年金ともに基本的に65歳ですが、例外もあります。年齢によって、65歳より前から受け取れる年金もあるため、自分が該当するか、若い方であれば自分の親が受け取れるかどうかを知っておくことは大事です。
65歳より前から受け取れるのが、「特別支給の老齢厚生年金」です。以前は、年金の支給開始年齢が60歳でしたが、昭和60年の法改正により65歳に引き上げられたため、経過措置として、特別支給の老齢厚生年金制度が設けられました。
特別支給の老齢厚生年金を受け取るためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。条件の一つが、男性の場合は昭和36年4月1日以前、女性の場合は昭和41年4月1日以前に生まれていることです。
さらに、老齢基礎年金の受給資格期間である、保険料納付済み期間と免除期間の合計が10年あることも条件となります。加えて、厚生年金保険などに1年以上加入している必要があります。制度の名称からも理解できるように、対象となる年金の種類が厚生年金だからです。
そして、生年月日に応じた受給開始年齢に達していなければなりません。条件を満たしていても、生年月日と性別により、受け取れる年金の種類や受給開始年齢は異なります。
なお、特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金加入期間の平均標準報酬月額に一定のパーセンテージを掛け合わせて計算する「報酬比例部分」と、加入月数に応じて計算する「定額部分」に分けて算出します。
報酬比例部分と定額部分の両方を受け取れるか、それとも一部しか受け取れないかに加え、受給開始年齢は、生年月日や性別によって明確に規定されています。
大枠をお伝えすると、報酬比例部分と定額部分の両方を60~65歳まですべて受給できるのが、昭和16年4月1日以前に生まれた男性と、昭和21年4月1以前に生まれた女性です。それ以降に生まれた方は、定額部分の受給開始年齢が61歳以降にずれていきます。
そして、昭和28年4月1日までに生まれた男性と、昭和33年4月1日までに生まれた女性には、報酬比例部分が5年間支給されますが、それ以降に生まれた方の受給開始年齢は61歳以降に、徐々に後退していきます。生年月日が該当の期間にある方は、日本年金機構に載せられている情報を確認するのがおすすめです。
年金を受給できるようなった方が誕生月にやるべきこと
年金は、年金を受け取る権利を得ていれば、自動的に受給できるというものではありません。年金を受け取るためには、年金請求という手続きを行うことが必要です。
特別支給の老齢厚生年金受給資格がある方、65歳から年金受給が可能な方には、それぞれの年齢に到達する3ヶ月前に「年金請求書(事前送付用)」が送られてきます。
それには、基礎年金番号や氏名、生年月日、性別、住所に加え、年金加入記録が印字され、年金請求手続きの案内も入っています。請求書の提出は、受給開始年齢に達してから、つまり誕生日以降に行えます。
特別支給の老齢厚生年金は、受給権が発生するのが誕生日前日となっていますが、受給開始年齢に達してからの提出が推奨されているので、実質的に誕生日になってから請求手続きを行えると考えることができます。年金受給が近い方は「誕生月になったら年金請求手続き」と理解しておくとよいでしょう。
特別支給の老齢厚生年金を受け取っている方は、65歳以降は老齢基礎年金と老齢厚生年金に切り替わるため、別途、手続きが必要になります。手続きに必要な書類は、65歳になる誕生月の初めごろに届きます。
いずれの年金も、書類が届いてから、実際に手続きを開始するまで時間がある場合が多いですが、受給開始年齢以前から手続きを行うことはできません。請求に必要な書類をそろえて、記入漏れなどがないようチェックしておくと、スムーズな年金受給につながるでしょう。
年金受給開始とその手続きについて理解しておく
年金受給開始は基本的に、国民年金・厚生年金ともに65歳からですが、性別と生年月日によっては、特別支給の老齢厚生年金を65歳より前から受け取ることもできます。
いずれの年金を受け取るにも、自ら年金請求手続きを行う必要があります。年金請求に必要な書類は前もって送付されるので、入念に準備して手続きをすると、スムーズな年金受給につながります。
出典
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き
日本年金機構 65歳時の年金の手続き(厚生年金加入期間が1年未満の方)
日本年金機構 65歳以降に受け取る老齢年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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