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税制改正案から予測する今後の増税。一体どんなものが増える?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月22日 10時30分

税制改正案から予測する今後の増税。一体どんなものが増える?

いったんは先送りとなった相続税と贈与税の一体化ですが、このような税制改正案から、今後の増税について予測していくことができます。   今回はこれまでの税改正を振り返り、今後の税金についても考えていきたいと思います。

贈与・相続の一体化とは

令和4年度、税制改正大綱内での「相続税と贈与税の一体化」に関しては、「本格的な検討」に留まり、改正にまではいたりませんでした。日本では、相続税と贈与税が別々の税体系として存在しています。
 
一方、例えば米国では、贈与でも相続でも、財産を渡す場合は同じ非課税枠でカウントされ、その非課税枠を超えた場合に課税する仕組みとなっています。
 
税金の仕組みや制度は各国で異なりますが、現在の日本の課税に関する問題点を解決すべく、他国の制度を参考に改正案が検討されています。昨年、検討されていた一体化については、以下のように記されています。
 
『今後、諸外国の制度も参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化防止等の観点も踏まえながら、資産移転時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める』
 
(出典:令和2年12月10日 自民党主党 公明党「令和3年度税制改正大網」18ページより、一文を抜粋)
 

一体化により変わること

相続税と贈与性の一体化において、歴年課税制度について検討されていました。贈与税の基礎控除額は110万円で、現在は年間合計110万円まで非課税で贈与できます。少しずつ資産を贈与していく歴年贈与を活用して、贈与・相続税対策をしていた方もいらっしゃると思います。
 
現在でも相続が発生した時点からさかのぼった3年間の贈与分は、相続税の対象となっているのですが、この相続税とみなされる期間が一体化により長くなることが懸念されていました。
 
海外では7年、10年、15年と相続税とみなされる期間が長く、それを参考に一体化していくことが検討されていたからです。つまり、年間の非課税枠を活用した歴年贈与が、今よりもしづらくなってしまうことを意味しています。かなり早くから贈与しないといけないということです。
 
(出典:内閣府「3. 我が国と諸外国の相続・贈与に関する税制の比較」)
 

増税につながること

過去にも、相続税の基礎控除額の改正がありました。2015年(平成27年)1月から相続税法が改正され、基礎控除額は「5000万円+(1000万円×法定相続人の数)」だったのが、改正後は「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」となりました。
 
改正前は、法定相続人が1人の場合は6000万円が控除されたところ、改正後では3600万円しか控除されません。こうした控除額が変わることによっても税金が上がってしまうのです。
 
直接的な増税もありますが、こうした控除額や特例の減額などにより、間接的に増税となってしまう場合もありますので覚えておきましょう。
 
直近では、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額も、かなり下げられました。大きな資金を非課税で贈与できる制度ですが、徐々に限度額も下がってきましたので、この制度がある間に検討されるとよいかと思います。
 

最後に

今回、ご紹介した税制改正案などのように、数年かけて今後の税制度について検討されていきます。筆者の印象としては、増税に関する案は状況によって、意外と早く決まってしまう可能性があるということです。
 
新型コロナウイルスの影響もあり、日本の赤字は増え続けています。こうした赤字を埋めるためには、増税はある意味仕方のないことだと思います。
 
どのような税金が上がってしまうのか、これまで検討されていた税制改正案などを参考に、今後の増税を予測して備えたり、対策をとったりすることが必要となってきました。増税について新たな情報を得ることも、対策の1つとなるのではないでしょうか。
 
出典
令和2年12月10日 自民党主党 公明党 令和3年度税制改正大網
内閣府 3.我が国と諸外国の相続・贈与に関する税制の比較
 
執筆者:藤井亜也
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長

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