外国債券を持っているけど…債権を発行している国で紛争や内戦が発生したらどうなる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年3月23日 23時0分
![外国債券を持っているけど…債権を発行している国で紛争や内戦が発生したらどうなる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_133291_0-small.jpg)
外国債券の売買は投資ビジネスの一種ですが、思わぬトラブルに見舞われる可能性は否定できません。債権はその国の信用に基づいて発行されるものなので、国の根幹を揺るがすようなトラブルが起きた場合、大きな損失をこうむるおそれもあるので注意が必要です。 ここでは外国債券の売買に関するトラブルや対処法についてお伝えします。
リスクの少ない投資として魅力的な外国債券
・分散投資に効果的な外国債券
外国債券は名前の通り、日本以外の国で発行される国債です。債券は安定性に富み、利回りが高いというメリットがあります。
また、投資ビジネスにおいて損失のリスクを減らすための分散投資は必須ともいえますが、外国債券はもっとも効果的な分散投資の方法とみなされています。
債券の利回りは発行する国の景気に影響されますが、ある国では不景気でも別の国は好景気という事態は珍しくありません。複数の国の債券を持てばそれだけ損失のリスクを減らすことが可能になります。
・金利が高い国を選べば大きな利益を期待できる
債券の利回りは発行する国によって異なります。日本よりも金利が高い国もあるので、その国の債券を購入すれば大きな利益を期待できるといえるでしょう。
必ずもうかるとはかぎりませんが、利回りの動きを観察しながら慎重に判断することで損失のリスクを減らし、利益を得ることが可能になります。
国債が無効になるケースについて
・時効によって請求する権利が消滅する
国債の元本や利子の支払いには消滅時効が設けられているため、購入したまま放置すると損になってしまいます。
日本の国債の場合、元本は運用の最終日である償還日から10年、利子は利払い日から5年が経過すると支払いを請求する権利が消滅してしまいます。時効が成立した国債は金銭的な価値が喪失したとみなされるほか、時効が撤回されることもありません。
外国債券の多くも時効が設けられていますが、成立するまでの期間や条件は国によって異なるのも事実です。知らないうちに時効が成立して請求する権利が喪失していたという事態を避けるためにも事前の確認を忘れてはいけません。
・紛争などの武力衝突は非常に危険
外国債券にはカントリーリスクと呼ばれる問題があります。
カントリーリスクはその国に関する問題がもたらすリスクのことで、景気や治安が不安定な国ほどリスクが高い傾向にあります。価格の暴落や支払いが滞るなどのトラブルに見舞われる可能性があるので、外国債券を購入する際は発行する国の内情を正しく把握することが大切です。
特に紛争や内戦などの武力衝突が起きた場合は、債券が無価値になってしまう可能性もあります。争いによって国がなくなるなど、緊急事態を理由に法律が変わるのが理由で、一度無価値になった債券が再び元の価値をもつケースはほとんどありません。そのため、外国債券を購入する際は国際情勢を正しく把握することが重要といえるでしょう。
リスクの分散と正しい知識が大切
外国債券は高い利回りが魅力的なほか、リスクの軽減につながる分散投資に便利です。損失を軽減しつつ大きな利益を期待できる方法ですが、一方で債券を発行する国の事情に影響されやすい事実は否定できません。
特に政情が不安定な国は紛争や内戦が勃発するおそれがあり、そのような事態に陥ると債券が無価値になってしまう可能性があります。
リスクを減らせる分散投資の方法として外国債券の購入は効果的な選択肢ですが、特有のリスクもあることを認識して慎重に判断する姿勢が必要になります。
状況に応じて速やかに対処することが損をしない秘訣
紛争や内戦などの武力衝突が起きた場合、その国が発行した債券の価値は非常に不安定なものになります。
したがって価値が著しく下落することや、支払いが滞ってしまうことも珍しくありません。場合によっては債券が無価値になってしまうこともあるので、トラブルを避けるためにも外国債券を購入する際はその国の状況を正しく把握することが大切です。
利回りが高くても所有する債券をすべて処分するなど、状況に応じた速やかな対処が求められますので、しっかりと確認をしましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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