【相談事例】投資が怖いという50代女性へのメッセージ
ファイナンシャルフィールド / 2022年3月23日 11時30分
![【相談事例】投資が怖いという50代女性へのメッセージ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_133332_0-small.jpg)
多くの相談者さまより「老後のお金が心配」という声を聞きますが、不足する資金を補うために資産運用の話をすると、「投資は怖い」という方がいます。筆者の相談者さまの場合、投資に恐怖心を抱く方の多くが、50代からそれ以上の年齢の方です。 同世代の筆者としては、その感覚もよくわかります。ある日、とある相談者さまより「先生は勉強を重ねたから怖さを克服したかもしれないけど、私にはわからない」と言われてハっとしました。 そこで筆者は、FPの資格を取得しその怖さを乗り越えられた背景の情報をお話させていただきました。 今回は、筆者自身の体験やこれまでの相談事例、歴史的推察なども踏まえ、上記のご相談時の状況をお話しさせていただきます。
なぜ、投資への怖さが抜けないのか?
お金の相談をする相手として、配偶者・パートナーや両親などが挙げられると思います。また、親から子どもに、お金の管理や運用についてアドバイスをする方もいるでしょう。そういった方のなかに「投資だけは絶対にしてはいけない」とおっしゃる方がいます。
筆者はその背景には「バブル時代」にあるように推察します。バブルの崩壊は平成3(1991)年~5(1993)年、その頃のマスコミは、投資で失敗した方々に不幸があったなどの暗いニュースを報じることがありました。その“後遺症”からなのか、筆者はFPになる前は「〇〇ファンド」と聞くだけで不審に思ったものです。
筆者の相談者さまの場合、筆者と同じような印象が50代以上の方の潜在意識の中にあり、恐怖を覚えているのではないかと思うことがあります。また、当時実際に投資活動をして大失敗したという相談者さまもいらっしゃいました。
さまざまな経験や当時の感覚などから、自身の子どもなどに「投資は絶対にするな」ということをおっしゃるケースがあります。
しかし、こういったケースの場合は『投資』ではなく『投機』です。『投機』とは短期で資産を増やそうとすることで、ある意味ギャンブル。まずは、『投資』と『投機』の違いをしっかり知ることが大切だと思います。
時代が変わったとは何が変わったの?
まず50代の方が生まれた、昭和40年前後の時代背景から考えましょう。昭和39年に東京オリンピックが開催されて経済は『高度成長期』といわれ、右肩上がりに生活水準が改善されました。
それと同時に物価も高騰、賃金も年功序列にエスカレーター式に上昇した時代でした。筆者が10代~20歳前後の頃、JR(当時の国鉄)の初乗り運賃が目まぐるしく変化したのを覚えています。
昭和60年頃から、時代は『高度成長期』より『成熟社会』へ転換していきました。人々の必要なモノやサービスは満たされて成長がピークに達した頃で、モノから質へと求める内容が変わってきたのではないかと推察されます。
さらに価値観の変化として、『論理的思考・科学的思考』つまりエビデンスが重要になってきました。また、育ってきた環境やこれまでの体験によっては、すべてそろってから進み、絶対に間違いを起こさないという『完璧主義』の概念をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
実際にご相談を受けていると、『高度成長期』を生きてきた50代以上の世代のなかには、変化や失敗に弱く、投資への恐怖感が強い方がいらっしゃいます。まずは、投資の正しい知識を身につけることが、投資への恐怖を払拭(ふっしょく)するきっかけになるのではないかと考えます。
心配であれば、投資の専門家のアドバイスを受けよう
近年、国は「自分自身で資産を増やす」ことを勧めています。例えばNISAやiDeCoなど、税制面での優遇措置が取られているものもあります。しかし、投資に対し恐怖心を抱く人にとっては、「自分自身で資産を増やそう。
ただし、投資は自己責任」と急にいわれても戸惑うでしょう。やはり一般の人が、直接株式・債権・不動産投資を行うのは難しいと思います。
このような場合、投資信託というパック商品(株式・債権・不動産投資などを専門家やITが選択)を選ぶことで投資がしやすくなります。ここでは投資信託の説明は割愛しますが、投資信託を構成している中身も日々値動きしています。
投資を成功させる方法の1つとして『投資の3大原則』(積立・分散・長期)があります。毎月一定金額を積み立てて購入することにより、たとえ値下げしたことでもそれを味方にすることができるかもしれません。
2022年2月後半は、戦争などの影響により株価の変動がありました。しかし、株価が下がることにより、連動して投資信託が値下がりした場合、積立投資では量を多く購入することができるのです。閉店間際のスーパーでコロッケ1個100円が2個で100円になるイメージです。
そうやって値下げ時は購入する数量を増やすことにより、手持ちの資産量を増やそうという仕組みです。
自分1人では株の銘柄1つひとつはわからないけれど、専門家などからのアドバイスを受け、まずは投資信託を選択するのも一案です。迷ってしまう、自信がないという場合は、購入前に納得するまでじっくりと相談するのもよいでしょう。
相談者さまへのアドバイス
冒頭に書いたご相談さまには、無理に投資を行う必要はないと前置きしたうえで、
・自分で実践して体験してみることが、何より安心につながるのではないか
・まずは少額から投資してみてはどうか
・長期間継続することで資産が増える可能性がある
ということをご提案し納得していただき、投資のアドバイスを行いました。
投資に対する考え方は人それぞれであり、決して無理して行うものではありません。「投資に興味はあるが、恐怖心が拭えない」という方は、まずは投資の正しい知識を持つことから始めましょう。そして、投資を行うことになったら、無理をせず少額から投資を始めてみることをお勧めします。
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
資産運用の壁は「漠然とした不安」!? NISA人気も「相談相手いない」現状が調査で明らかに
Finasee / 2024年7月29日 18時0分
-
なぜ定年退職者は"銀行の別室"で絶対NGの金融商品を買うのか…退職金数千万円が半減も泣き寝入りのワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月29日 6時16分
-
50歳貯金2億5000万円。早期リタイアを考えていますが老後に心配なことがあります
オールアバウト / 2024年7月19日 22時20分
-
【新NISA】まとまったお金は一括で投資しても良い? する前に考えるべき3つのポイント
MONEYPLUS / 2024年7月16日 11時30分
-
金(ゴールド)を買うのに恐怖心は不要?
トウシル / 2024年7月16日 7時30分
ランキング
-
1「病院に行きたいけれど、待合室でほかの感染症をうつされそうで怖い…」→医師が「まず心配する必要はない」と断言する理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月5日 8時15分
-
2日本株の「長期上昇インフレ相場」は終わらない 次に来るのは「急落後の反発」か「弱気相場」か
東洋経済オンライン / 2024年8月5日 10時30分
-
3東京株、一時2500円安=急落続く、円高144円台
時事通信 / 2024年8月5日 11時51分
-
4東証プライム市場の株価騰落率「トップ3」と「ワースト3」…上場銘柄の98%が下落した東証プライム市場で「ストップ高」となった“激レア銘柄”【先週末の株価】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月5日 5時0分
-
5円高・株安一段と、マネーの流れ急変 米景気後退に現実味
ロイター / 2024年8月5日 10時11分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)