医療費控除で住民税を節約する方法があるってホント?
ファイナンシャルフィールド / 2022年3月24日 23時10分
![医療費控除で住民税を節約する方法があるってホント?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_133360_0-small.jpg)
1年間で利用した医療費が10万円を超えている人は、医療費控除を利用できます。しかし、医療費控除とは一体どんな制度なのか、何が節税なのかよく分からない人も多いのではないでしょうか。 本記事では、医療費控除とは何か、医療費控除の対象となるものや申請方法などを詳しく解説します。毎月自分や家族が病院に通っており、1年間で医療費が10万円を超える人は、医療費控除の仕組みを正しく理解しましょう。
医療費控除とは
1月1日~12月31日までの1年間で、本人もしくは同一生計の家族が利用した医療費が一定額を超える場合に受けられる所得控除のことを、医療費控除といいます。
医療費控除の金額は、下記で挙げる式で計算した金額であり、上限額は200万円までと決まっています。
・(実際に支払った医療費の総額-保険金などで補てんされる金額)-10万円
保険金などで補てんされる金額とは、入院費給付金や出産育児一時金、高額療養費などです。また、総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%を超える分の医療費が控除されます。
医療費控除の対象となるもの
医療費控除の対象となるものは、症状に応じて一般的にかかる費用の水準を著しく超えない部分の金額とされています。
1.医師、歯科医師による診療・治療費(健康診断や医師に対する謝礼金は原則対象外)
2.治療・療養に必要な医薬品購入費
3.病院や診療所、指定介護老人福祉施設などへ収容されるための人的役務提供の対価
4.はり師、あん摩マッサージ指圧師などによる施術の対価(治療に直接関係のないマッサージなどは対象外)
5.保健師、看護師など依頼した人による療養上の世話の対価
6.助産師による分べん介助の対価
7.通院費、医師の送迎費など、診療や治療のために直接必要な費用
2の医薬品購入費は、原則として健康増進や病気予防のためのビタミン剤などは対象外です。ただし、確定申告の際に、医療費控除ではなくセルフメディケーション税制を選択した場合は対象となります。
医療費控除は住民税も適用される
医療費控除は、課税対象となる所得から医療費を差し引くものなので、所得税の節税になります。また、確定申告をすれば所得税だけでなく住民税も安くなります。
所得にかかる住民税の税率(所得割)は10%であるため、医療費控除の10%にあたる分だけ住民税が安くなる仕組みです。ただし、所得税のように医療費控除された分のお金が還付されることはありません。
医療費控除後の安くなった住民税を、6月以降に納めるため、あまり実感はないかもしれません。
医療費控除の申請方法
医療費控除は、会社員やアルバイトなどの給与所得者の場合、年末調整ではなく確定申告で行わなくてはいけません。所轄税務署に、確定申告書を提出するか、電子申告で申請をしましょう。
年末調整しかしたことがなくて、確定申告の仕方が分からない人のために、この項では医療費控除の申請方法を詳しく解説します。
確定申告をする場合
給与所得のある人が、医療費控除の確定申告をする場合、平成31年4月1日以後は給与所得の源泉徴収票の添付が不要となりました。ただし、確定申告書を作成する際には源泉徴収票が必要なので、忘れずに用意しておきましょう。
医療費控除の申請手順は、下記を参考にしてください。
- 1.1月1日~12月31日までの医療費の領収書・通知などを確認して、
かかった医療費が10万円を超えているか確認する - 2.控除額と還付額を計算する
- 3.確定申告書を作成する
- 4.医療費控除の明細書を作成する
- 5.作成した確定申告書と医療費控除の明細書を税務署に提出する
- 6.還付金が振り込まれるので、金額を確認する
税務署の窓口か国税庁のホームページで、確定申告書や医療費控除の明細書の作成ができます。また、医療保険者から交付を受けた医療費通知があれば明細書の作成がより簡単になります。作成方法が分からない人や、不明点を確認しながら作成したい人は、税務署の窓口で作成することをおすすめします。
平成29年より、医療費控除の明細書を作成することで、医療費の領収書・通知の添付が不要になりました。ただし、5年間は領収書・通知の保存をしなくてはいけないため(医療費通知を添付したものを除く)、捨てずにとっておきましょう。
医療費控除をすれば住民税が安くなる
医療費控除をすれば、医療費控除の10%にあたる分だけ住民税が安くなります。ただし、確定申告をして還付金が戻ることはなく、6月以降に納める住民税が安くなっているため、あまり実感はないかもしれません。
1月1日~12月31日までの1年間で、医療費が10万円を超えていれば医療費控除ができます。
会社員やパート・アルバイトなど給与所得者は、自分で確定申告をする必要がありますが、今は電子申請も可能です。少しでも節約をしたい人は、忘れずに手続きを行いましょう。
出典
国税庁
No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
No.1122 医療費控除の対象となる医療費
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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