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大学講師の年収はどれくらい? 国立や私立によって変わる?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月26日 21時40分

大学講師の年収はどれくらい? 国立や私立によって変わる?

大学講師の教員数は年々増加しており、令和3年は19万人 を超えました。職業として身近になりつつある大学講師については、「安定かつ好待遇」といったイメージを持つ人も多いでしょう。   一方でどのくらいの年収が稼げる職業なのか、大学によって年収が変わるのかなど、実態についてはご存じない方がほとんどではないでしょうか。   この記事では大学教員の具体的な年収について、教員の種類や国公立・私立といった観点で分類しながらご紹介します。

大学教員の種類

大学教員にはさまざまな 肩書きがあり、講師としての年収に影響します。肩書きは、大学内の活動実績や経験、スキルに応じて付与されるのが一般的です。とくに大学講師の中でも最も高い地位にある教授となるためには、厳しい条件を満たす必要があります。
 
大学講師は収入が高いと思っている人は多いですが、実際は地位が上がるほど収入に見合った優れた実績が必要とされるのです。大学教員の種類について説明します。
 

教授

教授の資格を得るには、5つの項目 のいずれかを満たす必要があります。


・博士の学位があり、研究上の業績がある
・研究上の業績が博士の学位に準ずると認められる
・大学で教授、准教授や専任の講師の経歴がある
・芸術や体育の分野で、特殊な技能に秀でていると認められる
・専攻分野について、知識や経験が特に優れていると認められる

学生への授業や研究指導を行いながら、自身で研究もしています。
 

准教授

准教授は、5つの項目 のいずれかを満たす必要があります。


・教授の資格のいずれかに該当している
・大学で教授、助手や専任の講師の経歴がある
・修士の学位がある
・研究所や調査所等に在職して研究上の業績がある
・専攻分野について、知識や経験が優れていると認められる

准教授は、学生への授業や研究指導も教授に代わって行います。自身の研究も行います。
 

助手・講師

助手・講師はそれぞれ2つの項目 のいずれかを満たす必要があります。
 

助手

・学士の学位がある
・学士の学位があると認められる

 

講師

・教授や准教授の資格に該当している
・専攻分野について、大学で教育を提供できる能力を認められる

 
助手は、教授や准教授の職務を助けることが業務内容です。講師は、教授や准教授に準じた授業が行えます。
 

大学教員の年収やボーナスは?

大学教員の年収やボーナスは肩書によって異なります。実際に、教授・助手・講師では、年間賞与は2倍以上も差があるため、肩書きによっては年収が一般的な会社員とさほど変わらない場合もあるでしょう。
 
とはいえ、教授であれば年収1000万円を超えることも多く、賞与の額も大きいため高収入となります。ここでは大学教員の年収やボーナスの額について、ご紹介します。
 

教授の年収・ボーナス

教授の年収は、事業規模によりますが約785万から約832万円で推移しています。年間ボーナスは、約288万円から約316万円です。なお、年収は「毎月固定で支給される現金給与額×12+年間賞与額」により算出しています。
 
図表1

    

企業規模計 10人以上 1000人以上
区分(単位) 毎月固定で支給される現金給与(千円) 年間賞与(千円) 毎月固定で支給される現金給与(千円) 年間賞与(千円)
大学教授 654.4 2880.5 694.0 3168.3

 
肩書が教授であれば、年収やボーナスを合計すると1000万円以上が見込めます。令和2年の正規雇用者の平均年収が496万円 なので、平均年収の2倍以上です。
 

准教授の年収・ボーナス

准教授の年収は、約653万から約687万円で推移しています。年間ボーナスは、約221万円から約236万円です。なお、年収は「毎月固定で支給される現金給与額×12+年間賞与額」により算出しています。
 
図表2

    

企業規模計 10人以上 1000人以上
区分(単位) 毎月固定で支給される現金給与(千円) 年間賞与(千円) 毎月固定で支給される現金給与(千円) 年間賞与(千円)
大学准教授 544.4 2216.6 572.5 2363.2

 
准教授は年収やボーナスを合計すると約870万円以上が見込めます。平均年収の約1.7倍です。
 

助手・講師の年収・ボーナス

助手・講師の年収は、約555万から約586万円で推移しています。年間ボーナスは、約116万円から約120万円です。なお、年収は「毎月固定で支給される現金給与額×12+年間賞与額」により算出しています。
 
図表3

    

企業規模計 10人以上 1000人以上
区分(単位) 毎月固定で支給される現金給与(千円) 年間賞与(千円) 毎月固定で支給される現金給与(千円) 年間賞与(千円)
大学講師・助教 462.5 1169.6 488.5 1204.3

 
助手・講師では、年収やボーナスを合計して約671万円以上です。平均年収の約1.3倍です。
 

大学教員の勤務先別の年収

大学教員の年収は勤務する大学によっても異なります。特に差が出るのは、国公立大学と私立大学の間においてです。国公立大学は給与水準が安定している一方で、私立大学では高年収を狙えます。
 
ここでは大学教員の勤務先別の年収について詳しくご紹介します。大学ごとの給与の決まりかたの仕組みや違いを押さえるための参考にしてください。
 

国公立大学と私立大学では給与に差がある

大学講師の給与は、図表4のとおり国公立大学と私立大学で差があります。「教授」「准教授」で比較すると、私立大学の給与が上回りました。
 
図表4

平均給料月額(千円) 教授 准教授 助手 講師
国立大学 536.9 450.2 382.5 422.8
公立大学 540.4 452.1 361.8 400.0
私立大学 570.3 474.1 321.0 399.7

 
反対に、助手や講師は国公立大学のほうが上回っています。国公立大学は役職が違っても給与面で安定性はありますが、教授や准教授では私立大学が上回ります。月額給与が65万円以上の割合が最も高いのは私立大学の教授でした。
 
図表5

月額給与65万円以上の割合 教授 准教授 助手 講師
国立大学 8.7% 4.8% 0.8% 3.8%
公立大学 6.1% 3.2% 0.4% 0.2%
私立大学 29.7% 3.7% 1.1% 1.4%

 
教授として年収をより上げるなら、私立大学に行くことが望ましいでしょう。
 

国公立大学勤務の年収

国公立大学では、みなし公務員として一般公務員に準じた給与水準を設定しています。給与水準を比較しても指標は同じ水準であることを示しています。
 
図表6

国公立大学 教育職員(大学教員)と国家公務員との
給与水準の比較指標
東京大学 107.9
京都大学 99.8
大阪大学 102.4

比較指標

法人化前の国の教育職(一)と行政職(一)の年収比率を基礎に、 令和2年度の教育職員 (大学 教員)と国の行政職(一)の年収比率を比較して算出した指数

引用:国立大学法人 東京大学

 

私立大学勤務の年収

私立大学の年収に関する公的なデータはありませんでした。私立大学は、一般的に学生の入学金や授業料で大学を運営しています。そのため、教員の年収は学生の人数や、学部の人気度合いに影響されるでしょう。
 

大学講師の年収は肩書きによって異なる

大学講師の年収は、肩書きや大学によって違います。「教授」「准教授」「助手・講師」の順で年収は高くなります。また、国公立大学か私立大学かでも年収が違うので、参考にしてください。
 
出典
国税庁 令和2年分民間給与実態統計調査
文部科学省 大学の教員組織に関する関係条文等
政府統計の総合窓口 学校基本調査
賃金構造基本統計調査/令和2年賃金構造基本統計調査
学校教員統計調査 / 令和元年度 第2部 大学等の部 教員個人調査 大学
文部科学省 国立大学法人大阪大学の役職員の報酬・給与等について
文部科学省 国立大学法人京都大学の役職員の報酬・給与等について
文部科学省 国立大学法人 東京大学の役職員の報酬・給与等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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