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意外と貯金できない年収1000万世帯。実際の手取りはどのくらい?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月30日 0時40分

意外と貯金できない年収1000万世帯。実際の手取りはどのくらい?

収入が増えれば貯蓄もできると誰もが考えてしまいそうですが、年収1000万世帯の実情はどのようなものなのでしょうか。   そもそも日本においては、年収1000万世帯がどのくらいいるのでしょうか。また、手取り額はいくらになるのか、税金や社会保険料はどのぐらい引かれるのか、そして、貯金はいくらぐらいできるのか? といった疑問に答えていきます。

年収1000万世帯はどのくらいある?

 
年収1000万と聞くと、高額所得者、お金持ちといったイメージのほかに、サラリーマンにとっては目標とする金額でもあり、ステータスの1つでもあるでしょう。
 
年収1000万円は、2018年の日本の1世帯当たりの平均所得金額である約552万円を大幅に上回る金額です。この1000万という収入を得ている世帯は、日本全体で3.1%程度しかないのです。
 
さらには、平均額552万円程度の収入を得ている世帯も日本全体で8.7%にとどまり、平均以下の世帯は実に日本全体の61.1%を占めています。
 
「裕福な家庭」という年収1000万円の世帯に対する一般的なイメージは、さほど間違っていないといえるでしょう。
 

年収1000万世帯の手取り額は?

 
手取り額は、所得税、住民税、社会保険料を差し引いた額になります。年収1000万円の40代、単身、サラリーマンを例に試算してみましょう。
 
額面の給与から引かれる金額は図表1のとおりです。
 
図表1

健康保険料(介護保険料含む) 48306円×12ヶ月=57万9672円
厚生年金保険料 59475円×12ヶ月=71万3700円
雇用保険料 2499円×12ヶ月=2万9988円
所得税 82万1828円
住民税 63万4664円
合計 277万9852円

 
年収1000万円から277万9852円を差し引いた722万0148円が年間の手取り収入です。月収に直すと60万1679円となるため、年収1000万円の手取り月収は約60万円です。
 
また、扶養内の配偶者や子どもがいる場合は控除額が増えるため、課税対象となる所得金額が減り、所得税や住民税が単身者よりも低く抑えられます。手取り額は上記単身者の例よりもやや増えるでしょう。また社会保険料は所属する健康保険組合や地域によっても違いがあります。
 

年収1000万世帯の貯金額はいくら?

 
次に、年収1000万円世帯における貯金額の傾向について、金融広報委員会の令和2年版「家計の金行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」のデータをもとに解説します。
なお、金融資産保有世帯の年間手取り収入別に貯蓄割合を調査しているため、手取り730万円として500万〜750万未満の世帯のデータを見ていきます。
 
平均の貯蓄割合は10%という結果で、手取り730万円世帯では年間73万円ほど貯蓄しているようです。貯蓄割合10〜15%というのが最も多く、対象世帯の24.5%に該当します。手取り730万円の場合、年間73万〜109万5000円が貯蓄額になります。た、この調査において最も高い35%以上という貯蓄割合の世帯は、1.6%にとどまりました。
 
収入の多い世帯は教育費や趣味・娯楽などにお金をかける傾向があります。収入が多いことで安心してしまい「買いたいものを好きなだけ買う」生活になってしまっている可能性はあるでしょう。
 

年収1000万円でも貯蓄していない世帯はある

 
年収1000万世帯(手取り730万とします)で1年間まったく貯蓄をしなかった世帯も19.9%にのぼります。5世帯に1世帯程度が貯蓄をしなかったことが上述の調査により明らかになりました。
 
また、収入額にかかわらず、貯蓄割合が10〜15%の世帯が最も多いという結果が出ています。
 
1年間貯蓄をしなかった世帯の割合は、年収が上がるにつれて低くなりますが、必ずしも貯蓄割合が上がるわけではないようです。年収が上がっても生活水準を急に上げず、無駄な出費を控えるのが着実に貯蓄をするコツかもしれません。将来のライフプランを常に意識して、目標金額に向かい貯蓄をしていくのも重要といえるでしょう。
 
出典
金融広報調査委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)
厚生労働省 令和3年度の雇用保険料率について
協会けんぽ 令和3年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます
日本年金機構 厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定
東京都主税局 個人住民税
国税庁 給与所得控除
国税庁 基礎控除
国税庁 所得税の税率
厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況
総務省 家計調査(家計収支編)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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