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タンス預金、死後に発見されたら税務署にすべて持っていかれるの?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月28日 14時40分

タンス預金、死後に発見されたら税務署にすべて持っていかれるの?

「好きなときに使いたい」、「銀行の金利が低いから」などの理由で自宅において多額の現金を管理する「タンス預金」。日本国内で100兆円以上のタンス預金があると推定されています。タンス預金の持ち主が生存中は何も問題は生じません。しかし持ち主が死亡し、相続が絡むと大事になります。   今回はそんなタンス預金の問題について詳しく解説します。

タンス預金の帰属と税金

「タンス預金」とは広い意味で自宅に保管している財産のことを指します。財産は現金に限りません。証券や貴金属、現代では電子マネーや暗号資産もタンス預金に含まれます。当然ですが、タンス預金は違法ではありません。財産の管理・処分は個人の自由です。しかしながら、タンス預金の持ち主が死亡すると、その帰属によってかかる税金の種類が変わってきます。そしてそれらの税金を納めないことは違法です。
 

・タンス預金が生前に贈与されていた場合

生前にタンス預金が持ち主から家族などに引き渡された場合、法律でいう「贈与」に当たります。タンス預金の帰属は引き渡された人のものです。そして贈与されたタンス預金には贈与税がかかります。年間110万円を越える贈与で贈与税が発生し、最高で税率が55%かかります。
 

・タンス預金が生前に贈与されずに持ち主が死亡した場合

タンス預金が誰にも引き渡されずに持ち主が死亡した場合、タンス預金は「相続財産」の対象です。相続は被相続人(タンス預金の持ち主)が死亡して直ちに開始されます。そして遺産分割協議が行われ、タンス預金は他の相続財産と同様にその帰属が決められます。発生する税金は相続税です。相続税は法定相続人の人数などにより基礎控除額が異なり、税率は最高で55%かかります。
 

タンス預金と税務署

タンス預金はその存在を知る者が本人や一部の家族に限られるため、秘匿性がとても高くなっています。その秘匿性を利用してタンス預金の存在を申告せず、上述した贈与税・相続税を払わない人が多いのも事実です。しかしながら、税務調査でほとんどが発覚しています。
 
国税庁発表による令和2事務年度の調査によれば、相続税は5106件の実地調査のうち、4475件が申告漏れを指摘されています。贈与税については1867件のうち、1769件が申告漏れです。さらにその件数の約74%にあたる1402件が現金・預貯金の問題です。この件数にタンス預金の問題も多く含まれていると推測されます。
 
このように税務署はタンス預金の問題について常に目を光らせています。税務署は本人の承諾無しで預貯金口座を調査できる他、金融機関に照会して過去10年の取引状況も調査できます。
 
さらに税務署の強い味方が国税総合管理システムです。これは納税者の収入や過去の納税情報が登録されています。そして不自然な金の流れがあった場合には税務署員が実地調査に来ます。以上のことからタンス預金の存在を税務署から隠すのは不可能です。
 

申告漏れのペナルティー

相続税・贈与税で税務署に申告漏れを指摘された場合ペナルティーが課されます。まず延滞税です。これは申告時に払わなかった利息的な性格を持ち、期限日翌日から2カ月まで年2.5%、2カ月以降は年8.8%の税率が課されます。これに加算税が加わります。軽い申告漏れの場合は過少申告加算税です。50万円まで10%、50万円を超えるとは15%の税率が課されます。
 
無申告の場合は無申告加算税です。50万円まで15%、50万円を超えると20%の税率が課されます。悪質な財産の隠蔽だった場合は重加算税です。35%から50%の税率が課されます。
 

必ず申告しましょう

タンス預金は合法ですが、持ち主が死亡すると多くの問題を残します。ペナルティーが課されると、税務署が全額持っていくわけではありませんが、相当な加算税を納める必要があります。わざわざ築き上げた財産を失うのはもったいないことです。したがって、タンス預金の存在をあらかじめ家族に話しておき、将来の帰属について決めておくことが肝心です。
 
国税庁 令和2事務年度における相続税の調査等の状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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