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老後に困らない退職金の有効な使い方とは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月30日 13時10分

老後に困らない退職金の有効な使い方とは?

老後に深く関わる退職金を有効活用して、安心して老後を過ごしたいと考えている人は非常に多いはずです。   その一方では退職金を有効活用できずに、老後の生活に困っている人がいます。本記事は老後に困らず生活するうえで、有効な退職金の使い方を解説します。   退職が迫っている年代の人、将来もらえる退職金の使い道を知っておきたい人は参考にしてください。

退職金と老後生活をめぐる日本の現状

退職すると想像より厳しい老後生活が待っています。2018年の厚生労働省の調査で、退職金の平均額が2003年の同調査より約20%も減少していることが分かりました。

調査年/最終学歴 大学・大学院卒 高校卒
2018年調査計 1983万円 1618万円
2008年調査計 2280万円 1970万円
2003年調査計 2499万円 2161万円

厚生労働省 就労条件総合調査結果より筆者作成
 
退職金が減少し続けているため、慎重に使い方を考えることが大切です。さらに「老後の生活期間が長い」ことも問題です。老後の生活期間は、近年の平均寿命の伸びとともに、長くなっています。

平均寿命の男女比較 男性(年) 女性(年)
2020年 簡易生命表 81.64 87.74
2008年 簡易生命表 79.29 86.05
2003年 簡易生命表 78.36 85.33

厚生労働省 簡易生命表より筆者作成
 
以上より、退職後の老後生活は「長い期間」「限られた退職金」で過ごさなければなりません。老後の生活に困らないために、まずは退職金の使い方に「目的をもたせる」ことが大切です。
 

退職金の使い方を考えるポイント~老後の年金と生活費から読み解く~

退職金の使い方を考える前に、老後の年金や生活を知ることから始めましょう。年金や必要な生活費を把握することで、退職金の使い方を適切に判断できるからです。押さえるべきポイントは2点です。


・老齢年金だけでは老後の最低限の生活ができない
・ゆとりある生活をする場合は約36万円の生活費が必要

厚生労働省の調査によると、令和2年度の年金の平均月額は会社員や公務員で約14万6000円、自営業者で約5万7000円です。しかし生命保険文化センターが行った令和元年調査では、老後に必要な生活費は最低22万1000円、ゆとりある老後には14万円上乗せが必要としています。
 
つまり年金だけで老後の生活はできないため、老後資金を何らかの形で上乗せする必要があります。以上の点から、退職金の使い方を検討していくことが必要です。
 

退職金の有効な使い方とは

退職金の有効な使い方を解説します。先ほどまでの解説で述べたポイントは2点です。


・老後生活は長いので、退職金は目的をもって使う
・年金だけで生活はできないので、何らかの形で老後資金を上乗せする

2点のポイントに分けた退職金の有効な使い方とそれぞれの特徴を紹介します。
 

・債務整理

退職金の有効な使い方の1つは債務整理です。限られた年金と退職金で困らずに生活するなら、老後の支出を抑えなければいけません。車や住宅ローンなどの固定出費があると、生活の負担が増えます。
 
退職金の使用目的も明確なので、退職金を債務整理に充てることは有効な使い方です。
 

・「緊急費」として銀行に預金

退職金を「緊急費」として銀行に預金することも有効です。緊急費とは「病気や介護」など急に必要になるお金です。仮に老後資金が確保されていても、急にお金が必要な際に用意できなければ、安心した老後生活とはいえません。
 
退職金を銀行に預けることで、不測の事態が起こってもすぐに対処できます。
 

・退職金の運用

退職金の運用も老後に困らないための使い方として必要です。近年の老後生活で「資産寿命が生命寿命に届かない」リスクが顕在化しています。
 
安心した老後を過ごすためには「退職金の元手を増やす」ことを検討する必要があります。10年後から15年後を見据えた「中長期の運用」を行うことが大切です。「中長期の運用」に適した代表的な運用方法は3つあります。


・株式や個人向け国債
・投資信託
・保険

退職金を運用する際は「分散した運用」をポイントにしましょう。「分散した運用」とは、複数の運用手段を使ってバランスよく運用することです。分散した運用により、運用した資産の1つが目減りしても、他の運用資産でカバーできます。
 
以上から、退職金の運用も老後を安心して過ごすうえで有効な使い方です。
 

退職金は「今」と「先」を見据えた使い方を意識

退職金は、長い老後生活を乗り切るための重要な資産です。退職金の使い方次第で、老後が安心できるかどうかが決まると言ってもいいでしょう。まずは老後の生活の状況をしっかりと可視化して「退職金を何に充てるべきか」よく考えましょう。
 
また退職金は限られた資産でもあるので「資産を増やす努力」も同時に行うことが大切です。「現状の生活を下支えするための使い方」と「先々の生活を豊かにするための使い方」に分けて考えましょう。
 
出典
厚生労働省 平成20年 就労条件総合調査
厚生労働省 平成30年 就労条件総合調査
令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 平成20年簡易生命表の概況について
厚生労働省 日本人の平均余命 平成15年簡易生命表
厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況について 平均寿命の国際比較
生命保険文化センター 令和元年度 生活保障に関する調査
金融庁 平成30年 高齢社会における金融サービスのあり方
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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