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FIREだけが幸せじゃない! 60歳以降の労働者の約70%が「働き方に満足」。日本らしい老後の幸せとは

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月31日 14時10分

FIREだけが幸せじゃない! 60歳以降の労働者の約70%が「働き方に満足」。日本らしい老後の幸せとは

近年、日本でもブームとなっているFIRE(Financial Independence Retire Early)。経済的自立を達成し、会社を早期退職するという意味で、アメリカで生まれた考え方です。「お金より自由な時間がある方が幸せ」という考え方に基づいていますが、FIREだけが幸せでしょうか?   ここでは、高齢者雇用に関するアンケート調査を参考に、日本人にとっての老後の幸せを考えます。

FIREは4種類ある

FIREと聞くと早期退職をイメージする人が多いでしょう。実際には働き続けるFIREもあり、全部で4種類にわかれます。
 

Fat FIRE

「Fat(ファット)=太った」という意味で、一切働かずに資産所得のみで贅沢に過ごすFIREです。海外旅行へ何度も行ったり、ブランド品を買ったりしてもお金が減らず、一生遊んで暮らせる状態です。
 
ただし、Fat FIREを実現するには1億円でも足りず、最低でも5億円程度は必要です。5億円あれば、仮に税引後配当利回り3%の株式を所有していれば毎年1500万円の資産所得(配当所得)となり、1世帯当たり平均所得の3倍近くになります。これなら、十分贅沢な生活ができます。
 
一般の労働者にとっては非現実的な金額で、資産家の子孫や起業で一財産築いた人だけが実現できるFIREといえるでしょう。
 

Lean FIRE

「Lean(リーン)=少ない、無駄がない」という意味で、倹約しながら最低限の生活費で過ごし、資産所得のみで過ごすFIREです。資産額により生活レベルには個人差がありますが、一般的な会社員・公務員の生活費より少ない生活費で過ごします。
 
Lean FIREは少ない資産額でもFIREできるのが特徴で、4000万円程度でも可能です。ただし、仮に税引後配当利回り3%の株式を所有していても毎年120万円の資産所得(配当所得)にしかならず、毎月10万円しか使えません。月3万円程度の賃貸物件に住めば何とか生活できるレベルで、生活保護者よりも自由に使えるお金は少ないです。
 
Lean FIREは、「生活レベルが極端に落ちたとしても、働かず自由な時間を得るほうが幸せだ」と考える人におすすめです。
 

Barista FIRE

「Barista(バリスタ)=スタバのバリスタ」を意味します。フルタイムの労働を辞め、スタバのバリスタのようなパートタイムで働きながら生活費を賄うFIREです。アメリカには日本のような国民皆保険制度がないため、少しでも働いて会社の健康保険に加入することでリスクを抑えています。
 
日本でも、完全に会社を辞めてしまうと将来もらえる年金額が減ってしまいます。パートタイムで働くと、一定の要件を満たせば厚生年金に加入できるため、将来の年金受給額をある程度確保できるでしょう。パートとはいえ働くので完全に自由ではありませんが、フルタイムの会社員と比べれば自由な時間を確保できます。
 

Coast FIRE

「Coast(コースト)=惰性で進む」という意味で、早期退職できる状態でも仕事を辞めず、そのまま働いて生活費を賄うFIREです。普通に会社で働いているのと見た目は変わりませんが、「いつでも辞められるけどあえて働く」という自発的選択をしている点で異なります。
 
FIREにこれだけの種類があることを考えれば、「早期退職して働かず、自由な時間を謳歌する人生が幸せ」とは言い切れないのではないでしょうか?
 

高齢者の仕事に対する満足度

また、2020年に日本労働組合総連合会が実施した「高齢者雇用に関する調査」によると、高齢者は嫌々仕事をしているわけではありません。
 
60歳以上の仕事に対する満足度をみると、賃金が44%と半数以下ですが、働き方、労働時間、労働日数、仕事内容はいずれも70%以上で、満足している人が多数派です。あなたが仕事に対して満足できるかどうかはわかりませんが、60歳以上の高齢者は、賃金以外は概ね仕事に満足していると言えるでしょう。
 

適度に働く幸せもある

以上を踏まえれば、早期退職して一切働かないFIREだけが幸せとは言えないでしょう。どうしても今の仕事が嫌なら、転職という選択肢もあります。雇われる仕事が嫌なら、個人事業を始めてみてもよいでしょう。
 
働かない幸せがあるなら、適度に働く幸せもあるはずです。今の仕事が嫌だからといって「仕事そのものが嫌」と決めつけるのは、早計ではないでしょうか?
 
出典
厚生労働省 2019年 国民生活基礎調査の概況
日本労働組合総連合会 高齢者雇用に関する調査2020
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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