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【2022年4月年金改正(2)】65歳までの年金受給者に朗報!サラリーマンの年金支給停止について解説!

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月31日 12時10分

【2022年4月年金改正(2)】65歳までの年金受給者に朗報!サラリーマンの年金支給停止について解説!

2022年4月施行の年金制度改正法に関する解説シリーズの2回目です。働きながら年金を受けるサラリーマンの中には、年金が減額されたり全く支給されない人もいます。理由は、報酬が高いと年金の支給を停止する「在職老齢年金」という仕組みがあるからです。   今回の記事では、65歳未満のサラリーマンに適用される在職老齢年金の改正について解説します。年金を減額されないために報酬を抑えて働いている人は、改正内容を理解して働き方を見直しましょう。

在職老齢年金の支給停止とは

まず最初に、在職老齢年金の支給停止について説明します。
 

・在職老齢年金の基本知識

働きながら年金を受け取る人は、報酬や年金の合計が一定額を超えると年金の一部が減額されたり全額が支給停止されます。この仕組みを「在職老齢年金」といい、年金の減額が始まる一定額のことを「支給停止基準額」と言います。
 
実際に支給停止額を計算するためには、専門用語など基本知識を身につけることが理解の早道です。
 
さきほど、「報酬や年金の合計」と説明しましたが、正式には報酬は「総報酬月額相当額」、年金は「基本月額」といいます。また、計算は月単位で行うということを覚えて下さい。
 
総報酬月額相当額の計算は次の通りです。
 
●総報酬月額相当額=各月の標準報酬月額+(直近1年間の標準賞与額の合計)÷12
 
標準報酬月額は、厚生年金保険料や老齢厚生年金額の計算基礎となる金額です。標準報酬月額を正確に計算するのは難しいため、年収の1/12くらいと仮定して考えましょう。また、正確な標準報酬月額を知りたい場合は、勤務先の人事や総務の担当者に確認できます。
 
基本月額は「老齢厚生年金の報酬比例部分」の月額です。ねんきん定期便の「報酬比例部分」欄などで確認しましょう。老齢基礎年金と加算部分は含みません。
 
まとめると、年金は「年収の約1/12」と「老齢厚生年金の報酬比例部分」が「支給停止基準額」を超えると支給停止されます。
 

・在職老齢年金の支給停止基準額

2022年3月まで、在職老齢年金の支給停止基準は年齢によって以下の通りです。

●65歳未満の受給者:28万円
●65歳以上の受給者:47万円

65歳未満で年収360万円(基本月額30万円)以上の人は、基本月額だけで支給停止基準を超えて、年金は減額または全額支給停止となります。支給停止基準額が47万円の65歳以上の人と比較して、かなり厳しい基準です。
 

支給停止基準額の改正と年金額の計算方法

次に、在職老齢年金の支給停止に関する2022年4月の改定点と、支給停止された場合の年金額の計算方法を説明します。
 

・支給停止基準額が28万円から47万円に引き上げ

2022年4月の改正により、65歳未満の受給者の支給停止基準額が、28万円から47万円に引き上げられます。65歳以上の受給者と同じ基準です。
 
例えば、老齢厚生年金の報酬比例部分が120万円(基本月額10万円)の人が支給停止基準を超えるのは、次の通りです。

●2022年3月以前:年収216万円(月18万円)以上の人
●2022年4月以降:年収444万円(月37万円)以上の人

上記ケース(基本月額10万円)で年金の減額を避けるため、年収を200万円くらいに抑えていた人は、収入が2倍にアップしても改正後には年金を満額受け取れます。
 
厚生労働省の調査によると、今回の改正によって65歳未満の受給者のうち支給停止対象者数は大幅に減少する見込みです。

●支給停止対象者数:(改正前)37万人→(改正後)11万人
●上記のうち、全額が支給停止:(改正前)16万人→(改正後)5万人

 

・支給停止された場合の年金額の計算方法

支給停止基準額を超えた場合、年金額は次のような計算式となります。
 
●年金受給額(月)=基本月額ー(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)×1/2
 
例えば、基本月額10万円、総報酬月額相当額40万円の場合、受給額は次のように計算します。
 
●年金受給額(月)=10万円ー(10万円+40万円-47万円)×1/2=8万5000円
 
年金受給額(月)は減額されますが、改正前なら全額支給停止となるため、今回の改正は受給者に有利といえるでしょう。
 

支給停止基準額の改正をきっかけに、定年後の働き方を見つめ直しましょう

2022年4月から、在職老齢年金の支給停止基準額が変更されます。65歳以上は変わりませんが、65歳未満の受給者の基準額は、28万円から47万円に引き上げられます。
 
これまで、年金の減額を避けるために報酬額を抑えていた人も、改正を機に自身の働き方を見直してみてはいかがでしょうか。
 
出典
日本年金機構「60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法」
日本年金機構「65歳以後の在職老齢年金の計算方法」
日本年金機構「令和4年4月から65歳未満の方の在職老齢年金制度が見直されます」
厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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