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日本の年金制度と世界の年金制度はどう違う?

ファイナンシャルフィールド / 2022年3月31日 13時10分

日本の年金制度と世界の年金制度はどう違う?

日本の年金制度について不安に感じている方は多いかもしれませんが、世界水準で見ると安心できる制度といえるのでしょうか。本記事では、アメリカ・イギリス・オランダなど主要国の年金制度を例示しながら、日本の年金制度との違いについて解説します。

日本の年金制度は3階建て


 
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構によると、日本の年金制度は3階建て構造になっているのが特徴です。
・日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入する「国民年金(基礎年金)」
・会社員や公務員の年金制度である「厚生年金」
・会社独自の制度である「企業年金」

国民年金(基礎年金)は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した「受給資格期間」が10年以上になると65歳から受け取ることができます。満額支給される場合の給付金額は6万4816円(令和4年度4月分からの年金額)です。

徴収した保険料を、そのときの年金受給者への年金支払いに充てる「賦課方式」を採用しています。

主要国の年金制度を見てみよう

世界各国で年金制度の内容は異なります。日本年金機構によると、加入対象者や受給開始年齢に違いがあることが分かります。
 


 
・アメリカの年金制度
 

 
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構によると、アメリカの年金制度の最大の特徴は、全員が加入する必要はないことです。年金に加入していない人向けに、代替措置として資産に応じて所得が保障される制度があります。

・イギリスの年金制度
 


 
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構によると、イギリスの年金制度の特徴は、納付する保険料が報酬に比例することです。給付金額は全員一律のため、所得の再分配効果が高い制度になっています。無年金者には「年金クレジット」とよばれる公的扶助制度が用意されています。

・オランダの年金制度
 


 
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構によると、オランダの年金制度は日本と同様の3階建ての制度です。国民全員に加入義務があります。1階部分の老齢年金の保険料は収入の17.9%(2019年)となっています。

所得代替率で比べると日本の年金制度は平均的

日本の年金制度はほかの国と比べてどの程度の水準にあるのでしょうか。1つの指標として、年金を受け取り始める時点での年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどのくらいの割合かを示す「所得代替率」を比較してみましょう。
 


 
厚生労働省によると、OECD加盟国における、公的年金制度から受ける給付による所得代替率の平均は41%となっているため、日本の公的年金制度が劣っているとは言い切れません。

ただし、各国で年金の制度内容や保険料率、高齢化の進行度合いは異なるため、一律に比較するのは難しくなっています。

また、所得代替率を見ても公的年金のみでは現役世代と同水準の生活を送れないことは明らかです。老後資金を準備する必要性は変わらないでしょう。
 
出典
日本年金機構 公的年金の種類と加入する制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生労働省 令和4年4月度の年金額改定について
日本年金機構 主要各国の年金制度の概要
厚生労働省 いっしょに検証!公的年金 所得代替率の見通し~実際、「どのくらい」受け取れるのか
厚生労働省 諸外国の年金制度の動向について
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構 世界の年金情報 アメリカ
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構 世界の年金情報 イギリス
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構 世界の年金情報 オランダ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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