レンタル?リース?事業のコスト削減のためにはどちらを選ぶべき?
ファイナンシャルフィールド / 2022年4月8日 3時20分
事業を行う場合、いろいろな備品などが必要となってきますが、それらすべて購入するには多額の費用がかかり、現実的に厳しいということもあるでしょう。そのような場合は、必要な備品などを「借りる」という選択肢があります。 借りる場合、「レンタル」や「リース」が思い浮かぶかと思いますが、これらがどのように違うのかみていきましょう。
レンタルとリースの違いとは?
レンタルとリースの最大の相違点は、契約期間の長さです。
レンタルは、基本的に短期での賃借のことです。主なレンタルといえば、レンタルCDや成人式の着物、レンタカーなどがあります。一方リースは、1~10年程度といった中長期での賃借といったイメージでしょうか。
例えば、オフィスであればパソコンやサーバー、複合機等の事務機器がありますし、工場や工事現場などであれば、重機や産業工作機械といったものが該当します。また、航空機などもリース物件としてあります。
よって一般的に事業用の場合はリースを利用しますが、出張先での車や展示会等で一時的に利用する事務機器の場合は、レンタルすることもあるでしょう。期間以外の違いは図表1のようになります。
図表1
レンタルとリースのメリット・デメリットは?
まずは図表2で大まかにみていきましょう。
図表2
それぞれのメリットを具体的に示すと、レンタルは短期間の利用ができ(成人式等のイベントや旅行期間中の車など)、必要なときだけ使いすぐに返却するため、保管が不要です。また、自身で購入した場合に発生する、償却経理事務や保険の加入といった面倒な事務手続きがありません。
リースは、オフィス関連機器や重機などは、新技術や燃費等の向上があり、古いものは陳腐化したりランニングコストが増加したりしてしまうので、耐用年数に合わせたリース期間を設定することにより、最新の製品などを利用できます。
また、購入のように初期に多額の費用が不要で、月々のリース料だけで機器等などが導入できることに加え、リース料金の全額を経費として扱うことができます。さらに、定額料金のため事業主の資金繰りが安定しやすいといったメリットもあります。
デメリットに関しては、料金を日割り計算した場合、レンタル料金は、短期であればリース料金よりも割安ですが、中長期では支払総額が割高になります。また、利用者は、レンタル会社が所有する物からしか選べないため、選択肢が狭い上、その物のほとんどは中古品です。
リースの場合、リース物件の所有権は上記のとおりリース会社なので、リース期間満了後、同一の物件を使用し続けたい場合は、再リース料が発生します。また、リースした物の保守修繕を行いますので、その分の維持費用がかかってしまいます。
さらに、リース契約の中のファイナンスリースでは、利用者が選んだ物件をリース会社が購入し、利用者に貸与しますので、原則、中途解約ができません。よって解約をしたいときは、残り期間のリース料金の一括支払いが必要です。
また、支払総額もリース料金の中にはその本体価格に加えてリース料率(手数料、保険料、金利、固定資産税等を考慮した率)がありますで、最終的な支払総額は同じものを購入よりも割高となります。
レンタル・リースをうまく使ってコスト削減を考えましょう
とはいえ、開業直後や小規模企業な事業を行っている場合、さまざまな必要機器等をすべて購入しようとすると、多額のコストがかかってしまい資金繰りが苦しくなりますし、金融機関が融資してくれるとは限りません。
長期利用する物はリースを利用し、展示会など短期間だけ使用する物はレンタルを利用するといった区分けをすることによって、コストを抑えることができるかもしれません。
レンタルとリースのメリット・デメリットを考え、うまく使い分けることで、初期費用の低減やコスト削減を見込めるのではないでしょうか。
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表
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