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学生時代に猶予されていた年金保険料。社会人になって支払うメリットとは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年4月11日 13時10分

学生時代に猶予されていた年金保険料。社会人になって支払うメリットとは?

日本は国民皆保険制度であり、原則として、20歳になったら年金保険料を支払わなければなりません。   しかし安定した収入がない学生の場合は、学生納付特例制度により支払いを猶予してもらえます。制度を利用した人の中には、学生時代の年金保険料を追納することに、メリットがあるのかと疑問を持つ人もいるかもしれません。   この記事では、その疑問を解決するべく、年金保険料の追納をすることで得られるメリットについて解説します。

追納で年金額が増える

学生納付特例制度により猶予してもらった年金保険料を追納しなければ、保険料納付済期間が、猶予してもらった期間の分だけ追納した人よりも短くなります。
 
国民年金の加入者がもらえる老齢基礎年金は、保険料納付済期間に応じて金額が変わる仕組みです。結果として、支給される老齢基礎年金は減額されることになるでしょう。
 
年金額の減額は、猶予期間に相当する期間だけではありません。生涯にわたって減額された年金額を受給することになるので、追納をした場合としなかった場合の差額は、受給期間が長くなるほど大きくなります。年金は老後の生活を支える柱ですから、1円でも多く受給できるのに越したことはありません。
 
具体的に年金受給額がどのくらい増えるのかは、日本年金機構が運営するねんきんネットの、年金見込試算という機能を使うことでシミュレーションができます。
 
おおよその目安としては、2年分の追納で年間約4万円は増える計算になりますので、年金受給開始から20年もたてば、約80万円の差が生じることになります。
 
2年分の年金保険料を追納することで、支払った金額だけ年金額が増えるという実感はわかないかもしれません。しかしながら、増額分と追納した年金保険料を差し引きしてマイナスにならないのであれば、追納をする価値は十分にあります。
 

追納で節税ができる

収入から必要経費を差し引くことで所得となり、所得から税金や所得控除を引けば、課税所得が求められます。
 
年金保険料は、課税所得の計算に使用する所得控除の一種です。つまり、学生時代の年金保険料を追納すれば、課税所得を減らせます。課税所得が減れば、所得税・住民税も減るので、税金の負担を軽くすることができるでしょう。
 
学生時代の2年分の年金保険料を約40万円とした場合、所得税10%・住民税10%ならば、減らせる所得税と住民税はそれぞれ4万円です。すなわち、合計で8万円の節税ができることになります。
 
追納による節税をしたいのであれば、会社員なら年末調整をするときに、社会保険料控除証明書を保険料控除申告書に添えて提出すれば手続きできます。
 
その際には、社会保険料控除証明書に書かれている金額と、保険料控除申告書の金額が一致しているかどうかを、よく確認しておきましょう。自営業者などは確定申告で追納したことを申告することで、手続きができます。
 

追納をするタイミングに気をつけよう

学生時代の年金保険料を追納するときに、気をつけなければいけないのが追納できる期間と加算額です。
 
学生納付特例期間の年金保険料は、10年以内であれば追納できることになっています。したがって、未納であることを忘れて期限が過ぎてしまうと、年金を減額されたままの金額で受給することになります。
 
加えて、学生納付特例期間の承認を受けてから3年度目以降に追納をすると、追納までにかかった期間に応じて、加算額が加わることになります。追納の負担が増せば、年金額の増額、および節税によるメリットが薄れてしまうでしょう。
 
学生時代の年金保険料は、合計するとかなりの金額となるので、保険料を用意するのは大変だと思いますが、早期に追納を済ませておくことをおすすめします。
 

年金の追納を早めに済ませよう

学生から社会人になっても、経済的に余裕がないという人は少なくありません。そのため、学生時代の年金保険料を追納したくない人もいるでしょう。
 
しかし、追納をすれば将来的に年金額の増額が期待できたり、課税所得を減らして節税ができたり、というメリットも少なからずあります。早期に追納すれば、支払う金額が加算されることもないので、早めに手続きを済ませましょう。
 
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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