離婚した配偶者から年金を分けてもらいたい。どんな手続きが必要? 時効はある?
ファイナンシャルフィールド / 2022年4月15日 12時0分
![離婚した配偶者から年金を分けてもらいたい。どんな手続きが必要? 時効はある?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_136771_0-small.jpg)
会社員など第2号被保険者の配偶者で第3号被保険者である場合、その期間は自分で年金を納める必要がありません。 この状態で離婚したとき、国民年金の老齢基礎年金は受け取ることができますが、厚生年金や共済組合の老齢厚生年金は元配偶者だけが受け取るため、受給額に大きな差が生じます。 こちらでは、離婚したときに、元配偶者が受給する予定の厚生年金等を分割する方法についてみていきます。
年金分割とは
夫婦で一方が専業主婦(主夫)として家庭を支えていた場合、家族の生活維持という点では貢献しているものの、年金の面では主な収入を得ている配偶者に扶養されている状態になるため、実際に年金を支給される時期に不公平が生じます。
年金受給者になっても夫婦でいる場合には、互いに年金を出し合って生活をするので大きな問題になることはありませんが、離婚する場合には老後の収入に格差が生じてしまいがちです。
そんなときに利用したいのが、主に収入を得ている配偶者の年金を分割してもらう制度です。これは、婚姻期間中に扶養に入っていた国民年金の第3号被保険者が請求することにより、婚姻期間中の元配偶者の厚生年金や共済組合の記録を分割できる制度です。
年金分割には大きく分けて2種類があり、離婚する当事者双方が合意して請求することにより、婚姻期間全体の期間を、第3号被保険者の上限を50%とする任意の割合で分割できる「合意分割制度」と、第3号被保険者が請求することにより、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の記録を半分ずつ分割できる「3号分割制度」から選ぶことになります。
前者は当事者両名の合意が必要ですが、後者を利用する場合は利益を得る第3号被保険者が請求するだけで済み、相手方の同意は必要ありません。
年金分割の手続き
年金分割の手続きは、主に年金事務所等で行います。まず、年金分割のための情報通知書を取得して、婚姻期間や年金保険料の納付状況などを確認しましょう。
離婚相手と話し合いができそうならば、分割について交渉することで平成20年4月1日より前の婚姻期間分についても、分割してもらうことが可能です。
扶養に入っていた側のみで請求する3号分割制度では、平成20年4月1日以後の国民年金第3号被保険者期間中の記録に限り、無条件で50%の割合による分割ができます。
話し合いが成立した場合には、合意した内容を離婚協議書に記載するか、公正証書を作成し、年金事務所等で必要書類に記入して添付書類とともに提出します。
話し合いが成立しなかった場合は、情報通知書の取得までは同じですが、年金分割を求めて家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。裁判所で審判もしくは調停成立を経て、審判書や調停調書を携えて年金事務所等で請求手続きをする流れになります。
年金分割の注意点
年金分割を検討しているときは、時効に注意しましょう。
年金分割は離婚をしたとき、あるいは婚姻の取り消しをしたとき、または事実婚関係にあった人が国民年金の第3号被保険者資格を喪失し、事実婚関係の解消が認められたときの翌日から2年を経過すると、時効になります。時効が来た後は、年金分割の請求手続きができません。
ただし、年金分割は婚姻期間中に納付していた保険料の分割になるため、離婚後に再婚したり、元配偶者が死亡したりしても、影響を受けることなく年金額を受け取れます。
年金分割は早めに手続きを
このように、年金分割は必ずしも相手方の同意を必要としないため、それほど面倒はありませんが、年金事務所などで手続きをしなければ分割ができないこと、2年という時効があることに注意しなければなりません。
若い内はそれほど年金について深く考えないものですが、老後の長い期間の主な収入源になることを考えると、忘れずに手続きをしておきたいものです。
出典
日本年金機構 離婚時の年金分割について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
会社員なら「2種類以上の年金」を受け取ることができる…必ず知っておきたい、公的年金の基礎知識【CFPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月3日 11時15分
-
「年金も半分はいただくわ」と妻は…退職金3,000万円を手に意気揚々の定年サラリーマン、結婚35年目の離婚危機に〈穏やかな老後〉が崩壊
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月1日 17時15分
-
派遣社員です。毎月の年金保険料が高すぎて払えません……。何か対応策はあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月28日 4時0分
-
年金を受給するための手続き、忘れてはいけないことは?
オールアバウト / 2024年7月25日 8時10分
-
来年65歳以降も70歳まで雇用継続できることになりました。7つ年下の専業主婦の妻は、これからも社会保険料を払わなくてよいのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月10日 10時0分
ランキング
-
1【解説】株価“史上最大の下げ幅”…大きな2つの要因 下落いつまで? 経済への影響は
日テレNEWS NNN / 2024年8月5日 19時35分
-
2日経平均株価“大暴落”で「新NISA」は大丈夫?聞かれる不安の声 円高で物価高は落ち着く可能性も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月5日 22時38分
-
3最高の1万9210円アップ=賃上げ率5.58%は33年ぶり水準―24年春闘
時事通信 / 2024年8月5日 18時40分
-
4ホンダ、コンパクトカー「フィット」リニューアル 「本当にデザインが良いよなぁ」SNS期待の声
J-CASTニュース / 2024年8月5日 7時10分
-
5「日本経済最悪のシナリオ」を意識し始めた日本株 円安の追い風を自ら止め、政策は機能不全に
東洋経済オンライン / 2024年8月5日 21時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)