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介護サービスは医療費控除の対象になる? 対象になるものとならないもの

ファイナンシャルフィールド / 2022年4月16日 3時10分

介護サービスは医療費控除の対象になる? 対象になるものとならないもの

介護サービスに関する費用は、医療費控除の対象となります。自分の医療費と合算して確定申告をすれば、支払った税金が還付されたり、所得税が減ったりするなどのメリットがあります。   ただし、全ての介護サービスの費用が医療費控除の対象になるわけではありません。   本記事では、医療費控除の対象になる介護サービス、ならない介護サービスなどを解説します。

医療費控除とは

医療費控除とは1月1日~12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、超えた分を所得から控除する制度です。計算式は下記のとおりです。

(「実際に支払った医療費の合計」-「保険金などで補てんされる金額」)-10万円(※)=医療費控除額(上限200万円)
(※)1年間の総所得金額などが200万円未満の人は、総所得金額などの5%の金額

医療費控除では、納税者と生計を一にする配偶者や親族が支払った医療費も含まれます。この「生計を一にしている」というのは、同じ家で暮らしていることだけでなく、子ども(納税者)からの仕送りで生活している父母の医療費も控除の対象となります。
 
離れて暮らしている両親の生計を納税者が担っているなら、医療費控除の対象となる可能性があるため確認しましょう。
 

医療費控除の対象となる介護サービス費

医療費控除の対象となる介護サービス費は「指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設サービス費」と「居宅介護サービス費」の2種類です。図表1は、医療費控除の対象となる介護サービス費の概要をまとめたものになります。
 
図表1

指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設サービス費 居宅介護サービス費
対象者 要介護認定を受け、指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に入所する方 訪問看護や訪問リハビリテーションなどの居宅サービスを利用する要介護者
対象費用の額 施設サービス費の自己負担額として支払った額の2分の1 居宅サービス費に係る自己負担額
領収証 指定介護老人福祉施設が利用者へ発行する領収証に、医療費控除の対象となる金額が記載されている 指定居宅サービス事業者が利用へ発行する領収証に、医療費控除の対象となる金額が記載されている

国税庁 (介護サービス費)より筆者作成
 
なお、居宅介護サービス費は該当する居宅サービスが細かく決まっているため、医療費控除の利用を考えている方はしっかりと確認しましょう。
 

介護サービスに含まれない医療費控除

介護サービスを利用する際に発生した交通費も医療費控除の対象となります。例えば、医療費控除対象の施設(病院や指定介護老人福祉施設など)まで電車やバス、タクシーなどを利用した場合は、実際に支払った医療費と合算できます。
 
ただし、医療費控除対象の施設まで自家用車を用いた場合のガソリン代や駐車場代は、医療費控除には含まれません。
 
また、要介護者のおむつは医療費控除の対象になります。傷病により約6ヶ月以上寝たきりであり、医師の治療を受けている方は、医師から「おむつ使用証明書」を発行してもらえば、医療費控除の対象となります。
 

医療費控除の対象となる施設サービス費

 
医療費控除の対象となる指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の施設サービス費は、図表2のとおりです。
 
図表2

医療費控除の対象 医療費控除の対象外
指定介護老人福祉施設
【特別養護老人ホーム】
指定地域密着型介護老人福祉施設
施設サービス費の自己負担額として支払った額の2分の1 日常生活費
特別なサービス費用
介護老人保健施設 施設サービス費の自己負担額として支払った金額
指定介護療養型医療施設
【療養型病床群など】
介護医療院

出典:国税庁 No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
 
主に施設を利用した際の介護費や食費、部屋代などが医療費控除の対象となります。一方で、日常生活で発生した費用(歯ブラシや衣類などの消耗品や理髪代など)や施設側の特別なサービスは対象となりません。
 

医療費控除の対象となる居宅サービス費

医療費控除の対象となる居宅サービス費は、図表3のとおりです。
 
図表3

居宅サービスの種類 医療費控除の対象
医療費控除の対象となる居宅サービス
(医療系サービス)
訪問看護、介護予防訪問看護
訪問リハビリテーション
介護予防訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
介護予防居宅療養管理指導
通所リハビリテーション
介護予防通所リハビリテーション
短期入所療養介護
介護予防短期入所療養介護
など
居宅サービスの対価として支払った金額の全て
上記の居宅サービスと併用した場合のみ医療費控除の対象となる居宅サービス
(福祉サービス)
訪問介護(生活援助中心型を除く)
夜間対応型訪問介護
訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護
通所介護
地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護
など
医療費控除の対象外となる居住サービス
(福祉系サービス)
訪問介護(生活援助中心型)
認知症対応型共同生活介護
介護予防認知症対応型共同生活介護
特定施設入居者生活介護(有料老人ホームなど)
地域密着型特定施設入居者生活介護
など
医療費控除の対象外

出典:国税庁 No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価より筆者作成
 
介護サービスの居宅サービス費は医療費控除の対象となるケース・ならないケースが複雑です。基本的に、医療系サービスは全て医療費控除の対象となり、一部の福祉系サービスは医療系サービスと併せて利用する場合のみ対象となると覚えておきましょう。
 
なお、居宅介護サービスが発行する領収書には医療費控除の対象となる金額が記載されているので、参考にしてみましょう。
 

介護サービス費は原則、医療費控除の対象となる

介護サービス費は一定の条件を満たした場合、医療費控除の対象となります。離れて暮らしている父母に仕送りをしている場合は自分の医療費と合算できる可能性があるため、両親の受けている介護サービスを確認してみましょう。
 
ただし、介護サービス費は施設サービス費と居宅サービス費で分かれており、対象となるサービスの種類やルールが複雑です。
 
介護サービス費の医療費控除で疑問があったら、国税庁の相談窓口や確定申告電話相談センター、ファイナンシャルプランナーなどに相談してみましょう。
 
出典
国税庁 同居していない母親の医療費を子供が負担した場合
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 (介護サービス費)
国税庁 自家用車で通院する場合のガソリン代等
国税庁 寝たきりの者のおむつ代
国税庁 No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
国税庁 No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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