「高額療養費」と「医療費控除」は何が違うの? お得なのはどっち?
ファイナンシャルフィールド / 2022年4月17日 11時0分
![「高額療養費」と「医療費控除」は何が違うの? お得なのはどっち?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_136979_0-small.jpg)
病気やけがなどで多くの医療費がかかった際に受けられる「高額療養費」と「医療費控除」、一体どういうものなのでしょうか? それぞれ使うタイミングが違いますが、使えるなら使わないと損してしまいますし、それぞれ条件に当てはまるなら併用して使えます。 本記事では両制度について簡単に説明します。
「高額療養費」と「医療費控除」何が違うの?
まずは2つの制度はどういうものなのでしょうか?
1.高額療養費
こちらは病院にかかる場合にその人の収入に応じて、自己負担で支払う医療費の上限が決まり、その上限額以上は支払わなくて済むようになる制度です。ただし高額療養費として認められない部分(差額ベッド代金など健康保険の適用範囲外のもの)については自己負担となる点は注意が必要です。
2.医療費控除
こちらは病院にかかるタイミングで受けられるものではなく、年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に確定申告をすることで、その年に支払った所得税が軽減される制度です。
以上のことからそれぞれの制度は全く別物ですので、どちらがお得というものではなく、利用できる条件に当てはまるのであれば積極的に両方活用しないともったいないといえます。次にそれぞれを詳しく見ていきましょう。
高額療養費
高額療養費制度を利用する際に、医療費が高額になることが事前に分かっている場合は「限度額適用認定証」という書類を提示すると便利です。それを医療機関で保険証と一緒に提示することで、費用支払時に健康保険適用分の医療費に関しては上限額までの自己負担となります。
もし突然の入院などで、申請することができない場合でも後から高額療養費の申請をすることで上限額を超えた自己負担額が払い戻されますので、忘れずに申請しましょう。上限額については以下の表のようになっています。
1. 70歳未満の区分(平成27年1月診療分から)
※厚生労働省保険局 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」より筆者作成
※多数回該当とは過去12ヶ月以内に3回以上上限額に達した場合、4回目から適用される上限額です。
2. 70歳以上の区分(平成30年8月診療分から)
※厚生労働省保険局 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」より筆者作成
医療費控除
医療費控除はその年の1月1日~12月31日までの間に自分、または生計を一にする配偶者や親族のために医療費を支払い、その額が一定を超える場合(10万円)にその医療費を基に計算される金額の所得控除を受けることができるものです。手続きとしては確定申告の際に「医療費控除の明細書」を作成して、これを確定申告書とともに提出する必要があります。
1.対象となる医療費の要件
(1)納税者が、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
(2)その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること(未払いの医療費は、現実に支払った年の医療費控除の対象となります)。
2.医療費控除の対象となる金額
医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円
(注)その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額
3.セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
病院にかかった医療費が10万円を超えない場合でも、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が使える場合があります。こちらは健康診断や予防接種といった疾病予防の取り組みをした上で、「特定一般用医薬品」の対象となる医薬品を購入した場合に、その合計額が1万2000円を超えた部分(上限8万8000円)まで控除となる制度です。
まとめ
以上、高額療養費制度と医療費控除について簡単に解説しました。条件を確認し使える制度はしっかりと活用していきましょう。
出典
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【セルフメディケーション税制】友人は「市販薬で済ます派」です。病院なら薬も安いのに。市販薬はかえって高くつくのではないでしょうか。
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月3日 22時0分
-
同僚がコロナになりました。薬局での会計が2万円以上したと言っていました。全額自己負担なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月31日 10時40分
-
月100万円のがん治療、自己負担3割なら30万円だが…70歳未満・年収500万円の人が「高額療養費制度」で取り戻せる“驚きの金額”【医師が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月31日 10時15分
-
「窓口負担額2割だから」と湿布をもらうためだけに病院に行く80歳の母。ちりつもですごい額になっていないか心配です…
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月26日 10時20分
-
年金収入が「月10万円」ですが、働くと「住民税非課税世帯」ではなくなりますか? 月いくらまでなら“損”にならないでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月19日 2時10分
ランキング
-
1日経平均株価“大暴落”で「新NISA」は大丈夫?聞かれる不安の声 円高で物価高は落ち着く可能性も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月5日 22時38分
-
2日経平均株価、一時3400円超上昇…1990年10月2日を上回る史上最大の上昇幅
読売新聞 / 2024年8月6日 10時9分
-
3【解説】株価“史上最大の下げ幅”…大きな2つの要因 下落いつまで? 経済への影響は
日テレNEWS NNN / 2024年8月5日 19時35分
-
4ホンダ、コンパクトカー「フィット」リニューアル 「本当にデザインが良いよなぁ」SNS期待の声
J-CASTニュース / 2024年8月5日 7時10分
-
5「IDとパス」激増、守るべき管理の大原則とは? 放置した「退職者アカウント」が脅威の入り口に
東洋経済オンライン / 2024年8月6日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)