「子どもが小さいうちが貯め時」といわれるけど、具体的に中学入学前にいくら貯めておくべき?
ファイナンシャルフィールド / 2022年4月20日 9時40分
教育費は、人生の三大資金の1つといわれるぐらい大きな金額になります。中学生、高校生、大学生と子どもが成長するにつれ、教育費も高額になっていくため、早いうちから準備しておく方がよいでしょう。 子どもが小さいうちは教育費の貯め時ですが、どれぐらい貯めればよいのでしょうか。今回は、中学入学前までに貯めておきたい教育資金の目安について紹介します。
教育費の平均はどれぐらい?
文部科学省の子どもの学習費調査(平成30年度)の調査結果によると、小学校から高校までの教育費の平均は次のようになっています。なお、以下の金額は、学校教育費、学校給食費、補習塾や習い事など学校外活動費の合計です。
・小学校(公立):年32万1281円
・中学校(公立):年48万8397円
・高校(公立、全日制):年45万7380円
また、文部科学省の令和3年度初年度学生納付金の調査結果によると、私立大学の学費の平均は次のようになっています。
・授業料:93万943円
・入学料:24万5951円
・施設設備費:18万186円
これらから、小学校の学費が一番安く、大学の学費が非常に高いことが分かります。また、3歳から5歳の幼稚園や保育園については、幼児教育・保育が無償化されたため費用がかかりません。子どもの小さい時期は教育費の負担が小さく、中学校以降の教育費を貯める時期として最適と考えられます。
教育費の中でも金額が大きい大学の学費を準備
大学の学費については、初年度は授業料、施設設備費に加えて入学料がかかるので、平均で約136万円です。2年目以降は、授業料と施設設備費がかかり、平均で約111万円、大学4年間の合計では約469万円にもなります。
大学は学費以外に生活費がかかりますが、自宅生の場合はアルバイトなどでカバーすることも可能でしょう。一方、寮・下宿の場合は、実家の親から仕送りが必要となりますので、その分負担も大きくなります。
子どもが小さいうちに貯めるのは、主に大学の学費や仕送り費用ということになります。
中学入学前までに貯める目安額
それでは、少しずつ教育費が増えていく中学入学前までにどれぐらい貯めればよいのでしょうか。中学校や高校が、公立か私立で学費は変わりますので、高校が公立、私立の2つのケースで、目安の金額を見てみましょう。
なお、0歳から2歳の保育料は、世帯の所得や自治体によって異なりますので、今回は月3万円として計算します。
高校まで公立のケース
小学校から高校まで公立、大学は私立のケースについて、保育園から大学までの平均的な教育費は次のようになります。
・保育園(0歳から2歳):3年間で108万円(3歳から5歳は無償化)
・小学校(公立):6年間で193万円
・中学校(公立):3年間で147万円
・高校(公立):3年間で137万円
・大学(私立):4年間で469万円
これらを合計すると1054万円となります。子どもが生まれてから大学を卒業するまでの22年間で平均すると年約48万円となります。
毎年48万円ずつ教育費がかかるものと考えて準備すると、子どもが中学入学までの12年間では576万円となります。そのうち、保育園と小学校にかかったお金は合計で301万円ですので、差額の275万円が貯まっていることになります。
逆に、中学から大学までの教育費の合計は753万円、今後10年間で480万円支出すると考えると、差額273万円が必要ですので、ほぼ準備できることになります。
高校から私立のケース
私立の高校に通うケースについても見てみましょう。文部科学省の調査によると、高校(私立、全日制)の教育費の平均は年96万9911円です。
公立のケースと同様に考えますと、高校(私立)の教育費は3年間で291万円、保育園から大学までの合計では1208万円となり、22年間で平均すると年約55万円となります。
毎年55万円ずつ教育費がかかるものと考えて準備した場合、子どもが中学入学までの12年間では660万円となります。そのうち、保育園と小学校にかかったお金は合計で301万円ですので、差額の359万円が貯まっていることになります。
逆に、中学から大学までの合計は907万円、今後10年間で550万円支出すると考えると、差額357万円必要ですので、ほぼ準備できることになります。
私立高校を想定すると、毎年の教育費の想定が約7万円増え、中学入学前に約80万円多く貯めておく必要があります。
実際には、上記の金額のほかに、受験のための塾代や受験料などがかかり、寮・下宿で大学に通う場合は仕送りの費用も追加で必要となります。今回示した金額は1つの目安であり、各家庭の事情に合わせて金額を追加することも必要でしょう。
子どもが小さいうちは将来の教育費を貯める貴重な時期です。子どもにいろいろな習い事をさせたい思いもあるでしょうが、貯める分と使う分のバランスを取ることも大切です。
出典
文部科学省 平成30年度子供の学習費調査 調査結果の概要
文部科学省 私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員
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