2022年の公的年金は0.4%減額予定。満額支給なら月いくら減る?
ファイナンシャルフィールド / 2022年4月24日 23時10分
![2022年の公的年金は0.4%減額予定。満額支給なら月いくら減る?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_137872_0-small.jpg)
2022年から年金制度改正法などの施行によって、公的に年金に関する内容が一部変更になります。そのうち目玉ともいえる事項の1つに、老齢年金の繰上げによる減額率の見直しがあります。この減額率の見直しによって繰上げ受給がどう変化するのか、解説します。
公的年金の繰上げ受給と繰り下げ受給
原則、日本の公的年金(国民年金と厚生年金)は65歳からの受給となっています。しかし、本人が年金事務所に申し出ることで、65歳より早く年金を受け取ったり(繰上げ受給)、65歳よりも遅く受け取ったりすること(繰り下げ受給)を1ヶ月単位で変更できるようになっています。
繰り上げをすると繰り上げた期間に応じて年金が減額され、繰り下げをすると繰り下げた期間に応じて年金が増額されることになります。減額ないし増額された金額は一生変わることがありません。年金の繰り上げや繰り下げをする場合、後悔しないようによく考える必要があります。
2022年4月からの繰上げ受給と繰り下げ受給は?
2022年3月までは繰上げ受給をすると、1ヶ月繰り上げるごとに0.5%減額された年金額を将来にわたって受け取ることになっていました。繰り下げ受給をすると、1ヶ月につき0.7%増額された年金額を将来にわたって受け取ることができるようになっていました。
これが、2022年4月から、現在60歳未満の人(昭和37年4月2日以降生まれの方)が繰上げ受給した場合の減額率が0.4%となります。繰り下げた場合の増額率は0.7%のままですが、繰り下げ可能の年齢が最大75歳までに拡大されます。
特に繰り上げた場合の減額率が0.5%から0.4%へ変更される点は、できるだけ早く年金を受け取りたい方や、繰上げ受給を検討していた方にとっては朗報となります。
繰上げ受給によって年金がどれくらい減額されるのか
繰上げ受給によって1ヶ月当たり0.4%減額されると聞いても、数値だけではなかなかイメージがつかないことでしょう。そこで、実際に繰上げ受給によって年金がどれくらい減るのか、令和4年度の国民年金が満額受給できる方(月額6万4816円)を例に試算してみると下記の表のようになります。
受給開始年齢 | 減額率 | 減少額 | 実際に受け取る年金額(端数を四捨五入しています。) |
---|---|---|---|
60歳(5年繰り上げ) | 24% | 1万5555.84円 | 4万9260円 |
61歳(4年繰り上げ) | 19.2% | 1万2444.67円 | 5万2371円 |
62歳(3年繰り上げ) | 14.4% | 9333.504円 | 5万5482円 |
63歳(2年繰り上げ) | 9.6% | 6222.336円 | 5万8593円 |
64歳(1年繰り上げ) | 4.8% | 3111.168円 | 6万1705円 |
64歳6ヶ月(6ヶ月繰り上げ) | 2.4% | 1555.584円 | 6万3260円 |
64歳11ヶ月(1ヶ月繰り上げ) | 0.4% | 259.264円 | 6万4557円 |
※筆者作成
1ヶ月繰り下げただけでは、減少額は月額で259円程度ですが、1年繰り上げると月々の減少額は約3111円となり、60歳まで繰り上げたとなると、これが1万5000円超えと大きな金額となってきます。
減額率が0.4%になったところで繰り上げをすべきか
筆者の見解としては、減額率が0.4%になったからと飛びつかず、公的年金による収入が必要なのであれば、そのタイミングで無理せず繰り上げをするといったスタンスが良いと考えます。0.1%減額率が小さくなったとはいえ、結局繰り上げた分だけ受け取る年金が生涯にわたって減額されることには変わりがないからです。
せっかく減額率が小さくなったからと安易に繰り上げをすると後悔してしまう原因にもなりかねません。
2022年4月以降は年金繰り上げの減額率が小さくなります
2022年4月以降、新たに60歳となり年金の繰上げ受給ができるようになる方については、繰り上げした際の減額率が1ヶ月当たり0.5%から0.4%になり、減額率が0.1%緩和されます。
これにより、国民年金を満額受け取れる方が繰上げ受給を請求した場合、減額される金額は1ヶ月繰り上げるごとにおおよそ259円程度となります。とはいえ、1年、5年と繰り上げる期間が長くなればなるほど減額される金額も3111円程度から6222円程度と大きくなります。
今回の改正を機に公的年金の繰り上げを考えられている方は、減額される金額と繰り上げの必要性について十分に検討した上で繰り上げを選択するようにしてください。
出典
日本年金機構 令和4年4月から老齢年金の繰上げ減額率が見直されました
日本年金機構 年金の繰上げ受給
執筆者:柘植輝
行政書士
この記事に関連するニュース
-
公的年金、受給繰下げで「最大184%」に増額できるが…75歳の受給開始で元が取れるのは何歳か?【CFPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月5日 11時15分
-
私は64歳で年金を繰り上げ受給、妻は年上で老齢基礎年金を繰り下げしています。私が65歳になったら妻は振替加算をもらえる?
オールアバウト / 2024年8月1日 18時30分
-
80歳以上長生きするなら年金は69歳受給開始がお得…いつ受け取ればいいか一目瞭然の「損益分岐点一覧表」
プレジデントオンライン / 2024年7月18日 8時15分
-
1962年3月生まれ現在62歳です。いまも働きながら厚生年金を払っています。繰り上げ受給するといくらぐらいになるのでしょうか?
オールアバウト / 2024年7月11日 8時10分
-
父が年金を「60歳」から受け取るそうです。「持ち家で貯金が2000万円ある」とのことですが、大丈夫でしょうか?「年金が少なくなる」と聞いたので心配です…
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月10日 3時0分
ランキング
-
1「キレートレモン」なぜ女性人気に火がついたのか 女性がずっと解消したかった美容の悩みに応えた
東洋経済オンライン / 2024年8月6日 9時50分
-
2《1個買うと1個もらえる》暑い夏にゴクゴク飲める「綾鷹」「お~いお茶」無料。お菓子も対象は嬉しい...!セブン・ファミマのお得企画まとめ(8月6日開始)
東京バーゲンマニア / 2024年8月6日 11時47分
-
3賃料未払いのまま営業中、咲洲庁舎内「コスモタワーホテル」に大阪府が10月末までの退去要求
読売新聞 / 2024年8月6日 13時30分
-
4ホンダ、コンパクトカー「フィット」リニューアル 「本当にデザインが良いよなぁ」SNS期待の声
J-CASTニュース / 2024年8月5日 7時10分
-
5日経平均株価“大暴落”で「新NISA」は大丈夫?聞かれる不安の声 円高で物価高は落ち着く可能性も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月5日 22時38分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)