自動運転時代の到来? 日産セレナ「プロパイロット」に見る自動運転化技術?
ファイナンシャルフィールド / 2019年2月19日 7時55分
自動運転システムというよりは、その途中の安全運転支援システム 「プロパイロット」は安全運転支援システムです。これは自動運転の「レベル2」としても注目されています。この「レベル」とはSAE(アメリカ自動車技術会)が定めた自 […]
自動運転システムというよりは、その途中の安全運転支援システム
「プロパイロット」は安全運転支援システムです。これは自動運転の「レベル2」としても注目されています。この「レベル」とはSAE(アメリカ自動車技術会)が定めた自動化レベルの定義というものに則っていますのでちょっと説明します。
自動化レベル0(自動化なし)
定義:人間の運転者が、動的運転作業を常時実行。警報・介入システムによる補助はあり得る。
自動化レベル1(運転支援)
定義:運転環境情報による、操舵・加減速のうち一つの運転支援を実行。他の動的運転作業は人間の運転者が実行。
自動化レベル2(部分的な自動化)
定義:運転環境情報による、操舵・加減速双方の運転支援を実行。他の動的運転作業は人間の運転者が実行。
自動化レベル3(条件付き自動化)
定義:自動運転システムがすべての動的運転作業を実行。システムからの介入要請に対し、人間の運転者の適切な対応を期待。
自動化レベル4(高度な自動化)
定義:自動運転システムがすべての動的運転作業を実行。システムからの介入要請に対し、人間の運転者は必ずしも適切に応答しない場合もある。道路、環境条件は限られる。
自動化レベル5(完全自動化)
定義:自動運転システムが常時すべての動的運転作業を実行。人間の運転者が運転可能なレベルのあらゆる道路、環境条件下で実行される。
セレナの「レベル2」では運転手が主体ながら、システム自身が操舵、加減速の支援を行う
レベル1は、すでにACC(アダプティブクルーズコントロール:定速走行・車間距離制御装置)などで実現しています。これはスイッチで設定することにより、ドライバーがアクセルコントロールをしなくても、前車にスピードを合わせながらついていく機能です。セレナの場合のレベル2は、それに加えてステアリングサポートがつくのがポイントとなります。「プロパイロット」では、基本的に高速道路でドライバーが設定した車速(30~100km/h)を上限に、先行する車両との車間距離をキープする制御や、車線から逸脱しないようにステアリング操作のサポートを行い、さらに前方の車両がブレーキをかけて完全停車した場合に、システムが自動的にブレーキをかけて停車をする制御などから成り立っています。
コストの低い単眼カメラ1つで、加減速、操舵をサポートするのがミソ
とくにACCシステム(日産では同じシステムをICC:インテリジェントクルーズコントロールと呼んでいます)を成立させるには、ミリ波レーダーを使用するなど、コストが高くなるのですが、日産ではステアリングサポートを含めて単眼カメラで行いコストを抑えたのも特徴となっています。(Riderプロパイロットエディションが3,095,000円。プロパイロット無しが2,949,480円)ただ、これがそのまま弱点となってしまう面もあります。カメラはステアリング支援を高速道路の白線を認識することで行っているのですが、その白線が不明瞭な場合や、光の加減でカメラが白線をうまくとらえられない場合などは、ステアリング支援が解除されてしまいます。そうするとインジケーターにステアリングサポートが解除されていることが表示されてそれが示されます。
プロパイロット試乗では、新感覚のドライビングが楽しめた
「プロパイロット」を装着したセレナに試乗したときの印象を紹介します。主に自動車専用道路での試乗ということで、早速プロパイロットを試すべく、ステアリングに装着されたプロパイロットのスイッチボタンを押し、続いてその左下のセットボタンを押してシステムを起動します。操作自体は簡単なものとなっています。設定速度は30kmから114kmまでで、まず70km/hの設定で走行します。前車がいない場合には、そのスピードまで加速しスピードを維持します。もちろん単眼カメラが白線を感知しているときには、ステアリング操作の支援が入ります。これは車線中央を走行するようにステアリングが微調整されるもので、ハンドルに手を添えている状態でラインを外れそうになると、グッグッというような感じでハンドルに手ごたえあり車線を調整しているのを感じることができます。これはちょっと新鮮でした。
長距離ドライブや渋滞ではかなりのストレス低減になりそう
ACCに関しては、前車が加速したときについていくときに、ちょっともたつきを感じたりしますが、混雑した状況では確実にドライバーの負担が減るだろうなと思いました。また、前走車がプロパイロットの設定速度以下だった場合には、一定の車間(三段階に調整可能)を保ちます。このシステムでは先行車両が完全停止した場合、自動的にブレーキをかけて停止状態を保持するので、今回の試乗ではそのような状態にはなりませんでしたが、渋滞時などのストレス低減にも役立つということでした。全体的な印象としては、ステアリングに関しては、明確なメリットは感じられませんでしたが、例えば長距離を走ってきて居眠りしそうなどというときには、警告としても有効なのではないかと思いました。高速道路に不慣れなドライバーは、けっこうふらついて走る場合もありますから、ドライバーの習熟度でも有用性が違うと思います。
ヒューマンエラーを最小限にするには、自動運転化の波は避けられない
高齢化社会の進む日本の現状を見ると、ご年配のドライバーによる操作ミスによる事故というのは見逃せない状況となっています。もちろん若いドライバーでも運転のミスはあることですし、長距離走行でのドライビングの負担が減るということは歓迎されることでしょう。そういうことでいうと、これからも自動運転技術は進んでいくでしょう。セレナの「プロパイロット」は、まだまだ初歩的な運転支援ではありますが、自動運転のひとつの方向性を見せてくれる技術と言えます。
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