テクニカルツールとしてよく使われる「MACD」。その意味は?
ファイナンシャルフィールド / 2022年4月30日 10時0分
![テクニカルツールとしてよく使われる「MACD」。その意味は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_138756_0-small.jpg)
前回は「ボリンジャーバンド」と呼ばれるテクニカルツールについてお伝えしましたが、今回はボリンジャーバンドと並び、テクニカルツールとして有名な「マックディー(MACD:Moving Average Convergence Divergence」(移動平均収束拡散)についてお話していきたいと思います。
MACDの言葉の意味
MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の略です。この中に「Convergence」と「Divergence」という言葉がありますが、Convergenceは「収束」、Divergenceは「拡散」と訳されます。
何が収束し、何が拡散するかというと、「Moving Average」、つまり「移動平均線」です。こう説明されても何だかよく分からないと思うため、言葉で理解するよりも、まずイメージを固めていきましょう。
〇日経平均株価指数(日足)とMACD
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/04/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-30.jpg)
出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
これは日経平均株価指数(日足)のチャートですが、下段が日経平均株価指数におけるMACDです。MACDは2本の曲線でできています。青の曲線をMACD、オレンジの曲線をMACDシグナルといいます。
MACDとMACDシグナルは、いずれも移動平均線(Moving Average)で、MACDとMACDシグナルという2本の移動平均線が近づくことを収束、離れることを拡散といいます。このようなことから、MACDはMoving Average Convergence Divergence(移動平均収束拡散)と呼ばれます。
MACDの計算式
MACDとMACDシグナルは、次の計算式によって求められています。
MACD=短期EMA-長期EMA
MACDシグナル=MACDのEMA
先ほどMACDとMACDシグナルは、いずれも移動平均線(Moving Average)であるとお伝えしました。
以前、単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)について言及しましたが、MACDで用いられる移動平均線は「EMA:Exponential Moving Average」(指数平滑移動平均線)です。
Exponential Moving Average(EMA)にある「Exponential」は、日本語にすると「指数関数的」と訳されますが、単純移動平均線と指数平滑移動平均線の違いは、前者(SMA)が一定期間における過去の数値の合計を一定期間で割った単純な平均値であるのに対し、後者(EMA)は、過去の数値を単純に平均化させるのではなく、指数関数を用いることで過去の数値よりも直近の数値をより重視している点です。
MACDでは指数平滑移動平均線(EMA)を用いているため、単純移動平均線(SMA)の収束や拡散よりもトレンドの変化を映し出しやすいとされています。MACDは、短期のEMA(指数平滑移動平均線)から長期のEMA(指数平滑移動平均線)を差し引いて求められます。
MACDでは「短期」と「長期」のEMAの差が求められることになりますが、ここでいう短期や長期というのは、日足チャートにおいては過去の日数を指します。
例えば、以下の「TradingView」のチャートでは、パラメータとして短期が12日、長期が26日と設定されています。つまり、12日の指数平滑移動平均線と26日の指数平滑移動平均線が、MACDを求める際に用いられているという意味です。
ちなみに、MACDシグナルについては、TradingViewのチャートでは9日がパラメータとして設定されています。
〇日経平均株価指数(日足)とMACD
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/04/b21aa6e7a5229bdbdbdb6524b66d20f0-20.jpg)
出典:TradingView Inc. 「TradingView」
※解説を目的に使用しています。
MACDシグナルは、MACDのEMA(指数平滑移動平均線)として求められます。つまり、短期と長期のEMAの差のEMA(指数平滑移動平均線)です。
この2本の指数平滑移動平均線の収束と拡散を捉えたものが、MACDという名のテクニカルツールとなり、MACDとMACDシグナルが近づく、離れるといった状況を観察することで、相場がどのようなトレンドを描いているかを確認するために用いられます。
まとめ
今回は、MACDについてチャートと計算式を参照しながらその意味について見てきました。次回は、テクニカルツールとしてのMACDの具体的な使い方について言及していきたいと思います。
出典
TradingView Inc. TradingView
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
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