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国民年金の死亡一時金、受け取るための要件とは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月7日 23時0分

国民年金の死亡一時金、受け取るための要件とは?

自営業者や失業中の方、そして学生等が加入する国民年金の第一号被保険者。第一号被保険者の独自の給付に、死亡一時金があります。   本稿では、死亡一時金を受け取るための要件と金額をみていくことにします。

死亡一時受け取ることができるのはどんなときか?

亡くなる日の前日までに、国民年金の第一号被保険者として、国民年金保険料を納めた期間が3年以上ある方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取ることなく亡くなった場合、死亡一時金を受け取れる場合があります。
 
亡くなった方に、「18歳に達した後、最初の3月31日を迎えるまでの子」がいるなどの要件を満たしていれば、配偶者か子が遺族基礎年金を受け取れる可能性があります。そういう場合には死亡一時金はありません。もし、寡婦年金も受け取ることができる場合には、死亡一時金と寡婦年金の選択になります。
 
また、老齢基礎年金を受け取っていないとはいっても、66歳を過ぎ、繰り下げた老齢基礎年金を受け取る前に亡くなった場合にも、死亡一時金の対象にはなりません。この場合には、遺族は65歳から亡くなるまでの老齢基礎年金の額を、未支給年金として受け取ります。
 

第一号被保険者としての納付月数の数え方…免除等がある場合

もし国民年金保険料の免除期間がある場合には、第一号被保険者としての納付の月数の数え方は次のようになります。
 
4分の3納付(=4分の1免除)月数は4分の3月、半額納付(=2分の1免除)月数は2分の1月、4分の1納付(=4分の3免除)月数は4分の1月として計算します。
 
一方、全額免除の月や、納付猶予を受けた月、それに学生納付特例の月は、死亡一時金を計算する上で、国民年金保険料を納めた期間には含みません。
 

死亡一時を受け取ることができる遺族とは?

死亡一時金を受け取ることができる遺族は、亡くなった方の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順番で、死亡したときに生計を同一にしていた方が対象です。優先順位の高い方が受け取ります。
 

死亡一時金の受取額

死亡一時金の受取額は、第一号被保険者としての国民年金保険料を納付した月数に応じて異なりますが、具体的には以下のとおりです。

36月未満:0円
36月以上180月未満:12万円
180月以上240月未満:14万5000円
240月以上300月未満:17万円
300月以上360月未満:22万円
360月以上420月未満:27万円
420月以上:32万円

なお、死亡した月の前月までに付加保険料納付済期間が36月以上あれば、死亡一時金の額に8500円が加算されます。年金ではなく、一時金ですので、上述の額を受け取ることができるのは一度だけです。
 

「費用対効果」という視点

国民年金は義務ですし、障害基礎年金や遺族基礎年金などもある保障の制度ですから、一概に語ることができませんが、「費用対効果」という視点で考えてみましょう。
 
死亡一時金を最短で受け取ることができるのは、国民年金保険料を36ヶ月以上納めていた場合です。
 
そして、最近の国民年金保険料(月額)を振り返ってみましょう。2020年度は1万6540円、2021年度は1万6610円、2022年度は1万6590円です。
 
もし、2020年度から2022年度の36ヶ月にわたり国民年金保険料をしっかり納めていた場合には、その合計額は59万6880円です。それに対し、受け取る死亡一時金の額は12万円です。この12万円という額は、国民年金保険料を36ヶ月納めていた場合でも、179ヶ月納めていた場合も同じです。
 
第一号被保険者として、国民年金保険料を長く納めていた方が、「費用対効果」という視点では、死亡一時金の額は割が良いとはいえません。しかし、死亡一時金を受け取るまでの期間、遺族や障害の保障があるのは、先述のとおりです。
 

現在、厚生年金保険の被保険者だったとしても

国民年金の第一号被保険者の年齢構成で、その割合が最も多いのは20~24歳です。
 
もし20歳以後3年以上、学生の時期があり、学生納付特例を受けずに国民年金保険料を納めていた方が、65歳前に亡くなったとしましょう。亡くなった当時、会社員や公務員等の第二号被保険者(厚生年金の被保険者)だったとしても、遺族が死亡一時金を受け取ることができる可能性があるかもしれません。死亡一時金を受け取ることができるのは、死亡日の翌日から2年以内です。
 

出典

日本年金機構 死亡一時金
日本年金機構 死亡一時金を受け取るとき
日本年金機構 繰下げの注意点
日本年金機構 国民年金保険料の変遷
厚生労働省 令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況 P2 図2 第1号被保険者の年齢構成の推移(年度末現在)
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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