成年年齢引下げに伴う消費者トラブルのリスク回避策は?
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月15日 23時10分
2022年4月に民法が改正されて、成年年齢が18歳に引き下げられました。よって、18歳になれば、消費者として行う契約時に親の同意は不要です。一方、20歳前でも未成年者取消権を行使できなくなるなど、改正前よりリスクが大きくなった面も少なくありません。 成年年齢の引き下げに伴う消費者トラブルで被害を受けないように、本記事ではリスクの回避策を詳しく紹介していきます。
手口のパターンを把握
18歳や19歳の若者を狙って、悪質な契約を持ちかける業者が見受けられます。まだ消費者として未熟であり、だまそうとしている意図に気付きにくいからです。このリスクを小さくしたいなら、どのような手口があるのか事前に知っておくことがポイントになります。
消費者トラブルの事例を多く把握していれば、ターゲットになっても契約しないという判断を行いやすくなります。1回限りの購入と見せかけて定期購入を申し込ませたり、価値のない情報商材をSNSで言葉巧みに薦めたりするなど、さまざまな手口があるので注意しましょう。
そのような事例や相談の傾向は、国民生活センターのホームページなどで紹介されています。身近に潜むリスクを意識して、日頃からチェックする習慣を身につけることが望ましいです。
しっかり断るノウハウを習得
18歳や19歳のなかには、自分には不要だと思っても、強引に押し切られて契約する人もいます。大人と交渉した経験が不足しており、熱心な勧誘や説得を受けることで、やむを得ず購入してしまうケースもあるのです。
たとえば、迷っている素振りを見せると、「20歳になるまで50%オフで利用可能」など、こちらのメリットを強調して気持ちの変化を促そうとしてきます。相手の話をうのみにするのではなく、しっかりと断るスタンスを貫かなければなりません。うまい話には裏があると考え、安易に契約しないように努めることが効果的な対策になります。
とはいえ、18歳や19歳の若者が、そのようなノウハウを独力で習得するのは容易ではありません。そのため、消費者庁が推奨している断り方なども参考にしながら、教育者や親が具体的なアドバイスをすることも重要です。
消費者を守るルールについて学習
消費者を守るためのルールを把握することもポイントの一つです。消費者契約法やクーリング・オフ制度の知識を得ることも、消費者トラブルがもたらすリスクの回避につながります。「帰宅を希望したが引きとめられた」「商品の説明に虚偽が混じっていた」など、契約を無効化できるケースも多いです。
自分だけで対処が困難なら、自治体の消費者ホットラインを頼るという手もあります。そして、これらの知識は契約後だけに役立つわけではありません。そのような事後処理が可能だと知っていれば、購入を迫られた際なども落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
なお、「双方の意思が合致しなければ成立しない」といった契約の基本を知ることも大切です。 以上のルールについては、法務省が用意しているリーフレットなどを活用すると効率的に学べます。
リスクを避けるために必要な準備をしておこう
18歳や19歳も成年と見なされますが、それはあくまでも法的な観点によるものです。大人に求められる消費者の常識やノウハウは、まだ身についていないケースがよくあります。したがって、トラブルに遭うリスクも大きいので、早急に対策していくことが大事です。安全な消費者を目指すため、それに必要な教育を受けられる環境や機会を設けましょう。
出典
国民生活センター狙われる!?18 歳・19 歳「金」と「美」の消費者トラブルに気をつけて!
国民生活センター相談事例
消費者庁実践編テーマ③契約トラブルの対策・対処法
法務省民法(成年年齢関係)改正 Q&A
法務省18歳を迎える君へ契約について学ぼう
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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