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住宅ローンの一括返済は慎重におこなったほうがいい? 一括返済で考えられるデメリットは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月16日 10時40分

住宅ローンの一括返済は慎重におこなったほうがいい? 一括返済で考えられるデメリットは?

定年退職後は収入が減少するため、退職金で住宅ローンの残債を一括返済して返済負担を小さくするというのは一見妥当な判断と感じられますが、一括返済にはメリット・デメリットの両面があります。   特に残りの返済期間が短くなるほど一括返済はメリットが低下するため、一括返済を慎重に検討することをおすすめします。

住宅ローンの一括返済のメリット

住宅ローンの返済額には元金と利息が含まれていますが、一括返済を行うと以後の利息分を支払う必要がなくなるため、返済総額を抑えることができますが、一括返済の削減効果は返済期間が多く残っているほど効果が大きくなります。
 
仮に1970年生まれの方が、2000年に4500万円の住宅ローンを返済期間35年間、ローン金利1%、元利均等方式により月々の返済額を12万7000円とした場合、60歳到達時には返済期間は残り5年、住宅ローン残債は約762万円で元金部分が743万円、利息部分が19万円となります。
 
一括返済のメリットはこの利息部分19万円の節約と月々の返済負担を無くすことができる点ですが、一方で次のようなデメリットもあります。
 

団信付きの場合、一括返済は団信の解約のデメリットも

住宅ローンを契約する際、契約者が死亡や高度障害の状態となった場合に備え、住宅ローンの残債を保険金で一括返済する団体信用生命保険(団信)に加入している場合があります。
 
住宅ローンを一括返済した場合、返済の元手として手持ち資金の減少も招きます。手持ち資金が減少すると死亡リスクに対する対応力が低下するといったデメリットがあるため、一括返済を行う際は手持ち資金の減少で遺族の生活費が不足してしまわないかを確認し、不足してしまう場合は新たに生命保険を契約するなどして必要な死亡リスクへの備えを維持するようにしましょう。
 
もし、健康状態などで新たな保険契約が難しい場合は一括返済を見送ることも有効な選択といえます。
 

手持ち現金の減少はリスク対応力の低下を招く

年齢を重ねると介護が必要となったり、生活習慣病などの病気を発症しやすくなったりするなどの健康上のリスクが生じます。介護費用や多額の医療費など、若い頃には不要であった突発的な支出にも備えていくことになります。
 
しかし、住宅ローンの一括返済により手持ち現金を大きく減らして急な支出に対応しきれなくなってしまうと、介護内容の見直しや資金不足を補うために新たにローンを利用することにもなりかねません。老後は突発的なリスクに備えるため、手持ち現金をできるだけ温存していくことが重要です。
 

まとめ

住宅ローンの一括返済のメリットは、住宅ローンの利息部分の削減と返済負担を家計から取り除くことになります。
 
しかし、住宅ローンの一括返済は残りの返済期間が長いほどメリットも大きく、退職金などで完済間近の住宅ローンを一括返済するのはメリットが小さくなってしまいます。
 
また、団信を利用していると、これも解約となるため、死亡保障が弱体化してしまうデメリットがあります。必要に応じて生命保険を利用して死亡保障を維持することになりますが、健康状態によっては生命保険に加入できないこともあり、死亡保障を維持するために住宅ローンを維持するということも検討するとよいでしょう。
 
また、一括返済により手持ち現金が大きく減少してしまうため、リスク対応力の低下も懸念されます。老後は若い頃よりも医療費や介護費への備えが欠かせません。住宅ローンを一括返済する際は、こうしたデメリットにも目を向け慎重に行うことをおすすめします。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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