将来もらえる年金はいくら? ねんきん定期便の見方を解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月17日 9時30分
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」。今までの年金加入歴などが記載されていますが、最も気になるのは、「自分は老後にいくら受け取れるのか」ではないでしょうか? どこをどのように見ればそれが分かるのか、ねんきん定期便の見方を簡単に解説します。
ねんきん定期便をみてみよう
ねんきん定期便は、基本的に青色の圧着はがきで届きますが、35歳・45歳・59歳になる年だけは封書で届きます。圧着はがきは簡易版、封書は詳細版と考えましょう。50歳未満の人に届く圧着はがきは以下のようなものです。
(出典:日本年金機構)
将来もらえる年金額がどこに書いてあるかというと、表面の中央下部、棒グラフのような部分「これまでの加入実績に応じた年金額(今年)」です。ただ、ここに書かれている金額は、あくまで「これまでの加入実績」しか反映されていないものなので要注意です。
通常、年金保険料を納めるほど、受け取れる年金額は増えていきます。しかしここでは、30歳の人なら30歳まで、今後60歳まであと30年働くつもりでも、そのことは一切考慮されていません。
いい換えるなら、「現時点で年金保険料の支払いを一切やめたとして、老後に1年間で受け取れる金額」が記載されているのです。そのため思ったよりも少ない金額だったでしょう。
はがきをよく見ると、「昨年までの加入実績を反映した金額」と「今年までの加入実績を反映した金額」が並べられています。
これは、受け取った人が「この1年間の働き方(年金保険料の納付状況)だと、これくらい年金額が増えるんだな。じゃあ、65歳までこの調子で働いた場合は……」と想像できるように、このような仕様になっています。
35歳・45歳のときに届く封書でも、その時点までの加入実績に応じた年金額しか書かれていません。「65歳まで今の働き方を続けた場合にはいくらもらえる?」という見込み額は、そこには書かれていないのです。
次に、50歳以上の人に届く圧着はがきも見てみましょう。
(出典:日本年金機構)
将来もらえる年金額を知るには、真ん中のページの中央に記載されている「老齢年金の見込み額」を確認しましょう。50歳未満向けのはがきと違い、「60歳までこのまま働くと仮定した場合」の金額が書かれています。この金額を12で割ると、1ヶ月あたりの受給額の目安も分かります。
年金は、原則として65歳から受け取れます。ただ、60~75歳までの間で受け取る時期を自分で決めることができ、時期を遅らせるほど年金が増額します。
50歳以上の人向けのはがきには、70歳から受け取り始めた場合と、75歳から受け取り始めた場合のシミュレーションもいっしょに記載されています。
※60歳以上65歳未満の人には、ねんきん定期便作成時点の年金加入実績を反映して、65歳から受け取れる金額が書かれています。65歳以上の人には、65歳時点の加入実績をもとにした金額が書かれています。
「ねんきんネット」なら年金額のシミュレーションができる!
ねんきん定期便が手元になくても、インターネット上でその内容が確認できる「ねんきんネット」というサービスもあります。
一度登録しておけば、スマホやパソコンからいつでもねんきん定期便の内容が確認できるほか、将来の年金額シミュレーションや、各種申請に必要な書類の作成などもできます。
特にシミュレーションは、「今の働き方を○歳まで続けた場合」「転職した場合」「未納分の年金保険料を納めた場合」「○歳で受け取り始めた場合」など、かなり詳細な条件を入力したうえで、将来もらえる年金の見込み額を試算できます。
ねんきん定期便だけをみるよりも参考になりやすく、分かりやすいでしょう。ぜひ一度チェックしてみることをおすすめします。ちなみに、年1回のねんきん定期便の郵送をやめる設定も、ねんきんネットからできます。
「老後はまだ先」でも、要チェック!
将来いくら年金をもらえるのか、それは、老後の家計や働き方など生活設計全般を考えるうえで、とても重要な情報です。あくまで目安ですが、年に1回届く「ねんきん定期便」には、自分の老後の暮らしを考えるためのヒントが載っています。
「見てもよく分からない」とすぐに捨ててしまう人も多いですが、一度じっくりと目を通して、内容を確認してみてはいかがでしょうか。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付文)
日本年金機構 電話での年金相談窓口 ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号
日本年金機構 「ねんきんネット」による年金見込み額資産
政府広報オンライン 「ねんきんネット」でいつでも最新の年金記録が確認できます!
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
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