国民年金第1号被保険者が利用できる! 出産前後の支援制度、ご存じですか?
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月18日 23時30分
産休や育休、子育てをしながら仕事を続ける環境が整ってきました。 出産育児一時金はもちろんのこと、産前産後休業に給与の3分の2を受け取れる出産手当金、そして育児休業の期間中は、雇用保険から育児休業給付金を受け取れます。 さらに、休業中の健康保険用・年金保険料は、申し出ると支払いが免除になりますが、健康保険は通常どおり使え、将来の年金額には産休前の保険料を支払ったものとして反映されます。 ただし、上記は厚生年金加入者の場合です。自営業者やフリーランスなどの国民年金加入者の場合、出産で仕事を休んで収入がなくても、国民年金保険料を支払わなければなりませんでした。 しかし2019年4月から、出産前後の国民年金保険料が免除される制度が始まっています。 (※)本稿は主に、「日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除」の情報を参考にしています。
産前産後の保険料免除の内容、通常とどこが違う?
通常の国民年金保険料免除の場合、免除期間分の将来受け取る年金額は、本来の受給額(保険料を納めた時)の半分だけ受け取れます。国民年金の国庫負担割合が2分の1あるからです。
ところが、産前産後の保険料免除の期間は「国民年金保険料を納付したものとされる』ため、産前産後で支払いが免除されても年金は減額されません。財源については、国民年金加入者が国民年金保険料を100円多く負担することで、この制度を支えています。
また、付加保険料や国民年金基金(加入する場合は、どちらか一方です)は、国民年金に上乗せができるものです。国民年金第1号被保険者や任意加入者(国民年金保険料を支払っている者)のみ加入できる制度です。そのため、第1号被保険者でも、全額・一部を納付免除された場合や納付猶予された場合は加入ができません。iDeCoについても同様です。
しかし、産前産後期間の免除の場合は「国民年金保険料を納付したものとされる』ため、付加保険料や国民年金基金、iDeCoに加入できます。
どれだけの期間が免除される?
出産予定日、または出産日のある月の前月から4ヶ月間が、産前産後の免除対象期間です。この間の国民年金保険料が免除されます。双子以上の多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日の月の3ヶ月前から最大6ヶ月間の国民年金保険料が免除されます。
出産とされるのは、妊娠85日(4ヶ月)以上の出産です。よって、早産・流産・死産の場合も含みます。もしも年金保険用を前納していた場合、産前産後期間の分は全額戻ってきます。
制度の開始は2019年4月からです。したがって、2019年2月に出産した方は、産後の4月分が対象です。2019年3月に出産した方は、4月5月の2ヶ月分が免除対象です。例えば、2019年4月に出産した方は、4月・5月・6月分が免除、2019年5月に出産した方は産前の4月からから4ヶ月間が免除されます。
国民年金第1号被保険者で2019年2月1日以降に出産された方、免除の申請をお忘れではありませんか?
制度の利用には届け出が必要です!
制度を利用するには、届け出る必要があります。妊娠の届け出をして母子手帳をもらっても、年金保険料が自動的に停止するのではありません。
手続きは、出産予定日の6ヶ月前からできます。出産後の届け出はいつでも可能ですが、産後の子育てが大変な時期になってからより、出産前に届け出をしておくのがよいでしょう。
提出先は、お住まいの市区町村の役所の国民年金担当窓口です。提出する書類は国民年金担当の年金事務所の窓口にありますが、日本年金機構のホームページから「国民年金被保険者関係届出書」をダウンロードして使用することも可能です。
出典
日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
日本年金機構 知っていますか? 国民年金保険料の免除制度
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 加入者・運用指図者の手引き
国民年金基金 加入条件・資格
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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