セカンドライフにはどれくらいのお金がかかる? 準備はどうしたらいい?
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月19日 2時30分
定年退職後の主な収入源は年金という人は少なくありませんが、年金収入だけではゆとりある生活を送ることは難しいかもしれません。セカンドライフをよりよく生きるには、生活を支えるための十分なお金を用意しておく必要があります。 では、夫婦2人でセカンドライフを送るためには、一体どれくらいのお金が必要になるのでしょう? また、そのための準備はどうすればよいのでしょうか? 以下で詳しく見ていきましょう。
定年退職後の人生、「セカンドライフ」が注目される理由
なぜ今、セカンドライフが注目を集めているのでしょうか。それは、定年退職後の人生を、単なる「老後」ではなく、新たな人生の始まりと考える人が増えているからです。
老後には、現役で働いていた時期や子育てが終わったあとの残りの時間というイメージがありますが、セカンドライフには、現役時代が終わり、これから新しい生活が始まることへの前向きな気持ちが込められています。
寿命が延びて定年退職後の人生が長くなった
セカンドライフへの注目が高まっている理由のひとつに、定年退職後の人生が長くなったことがあげられます。
日本人の平均寿命は年々長くなっており、定年退職後も20年あるいは30年以上もの時間を過ごすことになります。
さらに、ひと昔前であれば、60歳で定年退職を迎えたあとはのんびり隠居暮らしを楽しむといったイメージがありましたが、現在の60代はとても元気です。まだまだ隠居するような年代ではないので、定年退職後の長い時間をより活動的に過ごせることも、セカンドライフが注目される理由のひとつであるといえるでしょう。
充実したセカンドライフを送るにはお金が必要
日本人は寿命が延びたことで、より長く老後の時間を過ごすことになりました。つまりそれは、老後の生活費として、今までよりも多くのお金が必要になることを意味します。
充実したセカンドライフを送るためには、老後にどれくらいのお金を用意すればよいか検討し、事前に準備しておく必要があります。
セカンドライフにはどれくらいのお金がかかる?
では、セカンドライフを安心して過ごすためには、実際どれくらいのお金が必要になるのでしょうか? 具体的なデータを元に、夫婦2人でセカンドライフを過ごすために必要な生活費を計算してみましょう。
日本人の平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳
厚生労働省の「簡易生命表(令和2年)」によると、日本人の平均寿命は以下の通りです。
●男性81.64歳
●女性87.74歳
男女合計の平均寿命は、およそ85歳です。65歳で定年退職する場合を考えると、多くの人が、およそ20年のセカンドライフを生きることになります。
65歳で定年退職したのち85歳まで生きることを想定して、夫婦2人に必要な生活費の額を計算してみましょう。
85歳まで生きる場合のセカンドライフの生活費は5385万円
令和2年度の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみで無職世帯の生活費は、月額でおよそ22万4390円です。65歳で定年退職してから2人とも85歳まで生きると想定した場合、下記の計算から夫婦2人で、合計5385万3600円の生活費が必要になると分かります。
●寿命:2人とも85歳まで(男女合計の平均寿命)
●生活費(消費支出):22万4390円(1ヶ月)
22万4390円×12ヶ月=269万2680円
269万2680円×20年=5385万3600円
合計:5385万3600円
生活費のほかに臨時出費や病気、介護の費用が必要
生活費のほかに、旅行や趣味の費用や臨時出費のための予算、病気をしたり介護が必要になったりした場合の費用も確保しておかなければなりません。実際に発生する費用は、生活費だけではないと想定しておく必要があります。
定年退職後の世帯の主な収入を把握しよう
セカンドライフが始まるまでに、この金額をどのようにまかなっていくかを検討しておくことが大切です。定年退職後の主な収入源としては、次のようなものがあります。
●年金(国民年金、厚生年金、個人年金など)
●退職金
●貯蓄
●投資
●給与
年金額は世帯により異なる、配偶者が亡くなった場合も想定
年金は多くの人にとって、老後の主な収入源となるでしょう。
ただし、年金額は世帯によって異なります。さらに、夫婦のどちらかが先に亡くなった場合、世帯の年金額が減ってしまいます。配偶者が亡くなった場合も想定して、将来自分がどれくらいの年金がもらえるかを把握しておくことが大切です。
退職金をどれくらいもらえるか計算しておく
退職金は、セカンドライフの生活を支える重要な資産です。どれくらいの金額をもらえるか事前に確認しておきましょう。
ただし、転職や勤務先の事情などで、想定していた退職金の額よりも少なくなってしまうケースがあるので、あまり大きく見積もらないようにしましょう。
セカンドライフスタート時の貯蓄額が重要
充実したセカンドライフを送るためには、十分な資産を用意しておくことが大切です。貯蓄額に余裕があれば、趣味や旅行などを安心して楽しむことができるほか、想定外のトラブルや病気や介護といった事態にも備えることができます。
まとまった金額をすぐに用意することは難しいので、できるだけ早い時期から少しずつ貯蓄を増やしていくようにしましょう。
年金以外の収入を確保しておくと安心
セカンドライフのための収入源として、年金以外の手段を用意しておくことで、より充実したセカンドライフを過ごせます。投資で少しずつ利益を増やしておく方法や、まだ十分に働ける場合は、短時間のパートなどで収入を得る方法がおすすめです。
定年退職するまでに貯蓄と年金以外の収入を確保しておくことが大切
セカンドライフが始まるまでに、今後の生活費として必要になる金額と、その支出をまかなうための十分な貯蓄額と収入源を確保しておきましょう。そうすることで、ゆとりあるセカンドライフを送れます。
出典
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編2020年(令和2年)平均結果の概要
厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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