期間工は稼げるって聞いたのですが、給与はどれくらい？

「期間工は稼げる」と聞いて、期間工として働くことに興味を持っている方はいらっしゃいませんか？ 稼げるといわれることもある期間工ですが、給与はどれくらいなのでしょうか。気になっている方に向けて確認してみました。

期間工ってどんな仕事？

期間工とは、製造業の工場で一定期間勤務する契約社員のことをいいます。
主に自動車や電子部品などの製造工場における生産ラインでの作業となり、特別なスキルや経験は求められませんが、立ち仕事で肉体的にきつい一面もあるといわれています。
 
一方で、従業員用の寮が廉価または無料で利用できるほか、年末年始やゴールデンウイークにはまとまった長期休暇が取れるなど、大手企業並みの福利厚生が受けられる場合もあるため、お金が貯まる、待遇が良いと注目されることもある仕事です。
 
ただし、期間工はいわゆる契約社員であり、3年以内など雇用期間が定められていることから、基本的に正社員での採用とならない限り、同じ場所で長期間働き続けることはありません。
 
そのため、働き方や業務内容が自分に合っているという方の中には、契約が満了となったら別の会社で期間工として働き、数年後、再び同じ会社に戻ってくるという方もいらっしゃいます。
 

期間工の給与はどれくらい？

期間工の給与は働き方や勤務先によって異なります。参考までに、大手自動車メーカーのトヨタ自動車株式会社のホームページによれば、モデルケースでの就業例にはなりますが、1ヶ月目では赴任手当を含めて31万円を超える収入を得られることもあるようです。
 

出典：トヨタ自動車株式会社　「T君の給料明細」
 
また、出勤状況などに応じた満了慰労金・報奨金が支給されるため、参考例での1年目の年収は480万円近くに達します。
 

出典：トヨタ自動車株式会社　「T君の給料明細」
 
上記のケースで契約期間の最長となる35ヶ月まで勤務を続けた場合、約3年間で1400万円を超える収入が見込め、実際に期間工がある程度の収入を得られる仕事であることが分かります。
 

継続して稼ぐことは難しい

期間工は短期的にある程度のお金を稼ぐことはできますが、長期間安定して続けられる仕事ではありません。
 
先に述べたように、期間工はあらかじめ契約期間が定められており、その期間を超えて働けないため、同様の仕事を続けるには定期的に転職する必要があるからです。
 
また、期間工は日勤のほかに夜勤があり、立ち仕事となるので、体調を崩すなどして期間工として働くことが難しくなってしまう場合もあり得ます。
そのため、期間工で安定して一生働き続けるというのは現実的ではないでしょう。
 

期間工に向いている人

期間工として働くことに向いているのは、短期間で集中して稼ぎたい方や体力に自信がある方、同じ作業を繰り返すことに抵抗がない方です。
逆に、体力に自信がない、継続して働ける仕事に就きたい、さまざまな業務に携わりたいという方は、期間工に不向きといえるでしょう。
 
期間工は向き不向きが分かれやすい仕事でもあるため、特に向いていない場合、体力面や作業内容を理由に数ヶ月で辞めてしまう方もいるようです。
 

期間工は大変だが短期的には稼げる仕事である

会社や配属される工場にもよるほか、3年以内など契約期間が限られますが、期間工は短期的にはある程度の収入を得られる可能性がある仕事といえます。
 
しかし、他の職業と同じく向き不向きがあり、特に年齢や体力の問題から誰でも長く続けられる仕事というわけではないようです。
期間工として働くことを検討している場合、稼げると聞いたからと安易に飛びつくのではなく、自身の適正も踏まえ、働き方について長期的な視点で考えることをおすすめします。
 

出典・参考

トヨタ自動車株式会社　期間従業員募集　募集要項
トヨタ自動車株式会社　期間従業員募集　T君の給料明細
 
執筆者：柘植輝
行政書士