子どもの入学祝いが「贈与」になるケースとは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月24日 22時50分
子どもの入学祝いについて「入学祝いは贈与税がかかる?」「どのようなケースに贈与税が発生する?」など疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。 入学祝いに限らず、どのようなときに贈与税が発生するのか知っておくことは大切です。 本記事では、子どもの入学祝いが贈与になるのか、贈与税の内容や税率、計算方法などについて解説します。
贈与とは
贈与とは、自分の財産を他人にあげることです。贈与者(財産をあげる人)が自分の財産を相手に贈るという意思表示をし、受贈者(財産をもらう人)がそれを承諾することで成立します。契約の一種といえるため、双方が同意しないと贈与は成り立ちません。
書面(贈与契約書)にして契約の形を残す場合もあれば、親族間の贈与など書面を残さない場合もあります。
贈与は、内容によって主に「定期贈与」「負担付贈与」「死因贈与」の3つがあります。
定期贈与とは、「毎年1月に5万円を贈与する」など贈与者が受贈者に定期的に贈与をするものです。
負担付贈与は、「家を贈与するのでローンの支払いをしてもらう」など受贈者に一定の負担を課す贈与のことです。
死因贈与は「自分が死んだら自宅をあげる」など、贈与者が死亡した場合に効力が発生する贈与になります。
贈与が年間110万円を超えると贈与税がかかる
贈与税とは、贈与によって財産を取得したときに、取得した財産に課される税金のことです。
贈与税は、その年の1月1日〜12月31日までの1年間に110万円を超える財産を取得した場合に課税されます。贈与税には非課税枠となる基礎控除が110万円あるため、「昨年、祖父と祖母から合計90万円の贈与を受けた」など1年間に受けた贈与が110万円以下の場合は非課税です。
贈与税の税率と計算方法
贈与税(暦年課税)の税率は、一般贈与(一般税率)と特例贈与(特例税率)とに分けられます。特例贈与は、直系尊属から18歳以上の子どもや孫への贈与です。特例贈与に該当しない贈与は一般贈与となります。
贈与税の税率は、図表1、2のとおりです。
【図表1】
一般贈与 | ||
---|---|---|
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1500万円以下 | 45% | 175万円 |
3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
出典:国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税)
【図表2】
特例贈与 | ||
---|---|---|
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | – |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1000万円以下 | 30% | 90万円 |
1500万円以下 | 40% | 190万円 |
3000万円以下 | 45% | 265万円 |
4500万円以下 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |
出典:国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税)
贈与税の計算方法は、次のとおりです。税率と控除額は基礎控除後の課税価格として、贈与額から基礎控除の110万円を引いて、図表1、2から調べます。
・(贈与額−基礎控除110万円)×税率−控除額=贈与税
例えば、一般贈与で年間の贈与額が250万円の場合は、「(250万円−110万円)×10%=14万円」となり、贈与税は14万円です。年間の贈与額が500万円の場合は「(500万円−110万円)×20%−25万円=53万円」となります。
贈与税がかかる場合は確定申告が必要
贈与税がかかる場合は、受贈者が確定申告をする必要があります。贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日(日程が異なる場合あり)の間に確定申告と納税を行います。確定申告書は、受贈者が住む地域を管轄する税務署に書類を持参または郵送するか、e-Tax(電子申告)で提出します。
確定申告書の作成方法が分からない場合は、早めに税務署に問い合わせや、確定申告会場などで職員に確認しましょう。
入学祝いが110万円を超える贈与だと贈与税が課税される
基礎控除が110万円あるため、年間の贈与額が110万円を超えなければ贈与税はかかりません。そのため、子どもへの入学祝いが110万円以下であれば、贈与税は非課税です。一般的に、入学祝いが110万円を超える家庭はほとんどないことでしょう。
もし、入学祝いや入学祝いを含む年間の贈与額が110万円を超える場合は、社会通念上相当と認められる部分以外には贈与税が課税されるため、翌年に確定申告をすることを忘れないようにしましょう。
出典
国税庁No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
財務省 もっと知りたい税のこと 4 「相続税」と「贈与税」を知ろう
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 贈与税の申告
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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