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遠方で暮らす親族の医療費を負担している場合、医療費控除の対象になる?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月26日 11時30分

遠方で暮らす親族の医療費を負担している場合、医療費控除の対象になる?

高齢社会になり、子どもが親世代の医療費や介護費用を負担するケースも少なくありません。生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉」によると、介護に必要な費用は、1ヶ月あたり平均8万3000円。この一部を子どもが負担するケースもあるでしょう。   そこで、介護費用の一部を負担した場合、医療費控除が受けられるのか、気になる人もいるのではないでしょうか?   ここでは、子どもが遠くに住む親族の医療費を負担した際に、医療費控除を受けられるのかどうか解説します。

「生計を一」にしていれば同居していなくても医療費控除ができる

医療費控除について定めている所得税法第73条第1項では、「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合に適用する」としています。
 
ここで問題となるのは「生計を一にする」の範囲です。これについて所得税基本通達には、「生計を一にする」ために、必ずしも同居が条件とはならないと書かれています。
 
例えば、帰省する際には寝起きをともにするケースや、親族間で医療費や学費・生活費などのやりとりがあるケースは、「生計を一」にしているとみなします。
 
遠方で1人暮らしをしている親に、医療費や生活費などの援助をしている場合は「生計を一にする」状態であり、子どもが負担した親の医療費は医療費控除の対象です。もちろん、1人暮らしをしている子どもの支援を親が行い、子どもにかかった医療費を親が支払ったケースでは、親が医療費控除を受けられます。
 
逆に、同居していても親世帯と子世帯が独立して生計を営んでいるケースでは「生計を一にする」とはいえません。例えば、同居していても別生計の親が支払った医療費について、子どもが医療費控除を受けることはできません。
 

扶養親族でなくても医療費控除はできる

所得税法では、16歳以上の家族・親族を扶養している場合、扶養控除を受けられます。しかし、親の生活費を子どもの兄弟が分担して支払うケースでは、所得税の扶養控除を受けられるのは、そのうち1人だけです。
 
ここで問題となるのが、扶養親族ではない親族の医療費を負担したケースで、医療費控除が受けられるかどうかという点です。
 
これについては、兄弟それぞれが自らの負担した分について医療費控除を受けられることになっていて、「扶養親族」は要件ではありません。医療費控除の「生計を一にする」は、医療機関に支払いをした時点で、お金のやりとりがある状態となります。
 
例えば、これまで働いてきた兄弟が突然倒れ、ほかの兄弟で医療費の負担をしなければならなくなったケースでも、お金のやり取りがあれば「生計を一にする」という状態となるのです。
 

医療費控除の対象となるもの

医療費控除の対象となるのは、病院の診療費や処方薬、入院費だけでなく、入院時の食事代や通院のための交通費、出産費用、歯の治療費、リハビリなどで整骨院に支払った費用などです。
 
通院に付き添った際の交通費や、通院の際に使ったタクシー代も含まれます。また、介護の居宅サービスや通所サービスの利用料や、おむつ代なども医療費控除の対象です。
 
なお、医療費控除は、自分や生計を一にする家族・親族のために支払った医療費が10万円を超えているケースで、医療費の総額から10万円を引いた額が医療費控除の額となります。
 

親族の医療費を支払ったら医療費控除の対象

遠方に住んでいる親の医療や介護にかかる費用を子どもが支払うケースでは、たとえ税法上の「扶養親族」でなくても、医療費を支払った時点で、支払った人が医療費控除を受けられることになっています。また、兄弟で分担して支払う場合は、それぞれが支払った分が医療費控除の対象となります。
 
同居や同一世帯は要件とならないため、医療費控除の対象となる支出がないかどうかを見直してみましょう。
 

出典

国税庁 同居していない母親の医療費を子供が負担した場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1180扶養控除
公益団体法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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