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4月から6月はなぜ働きすぎると損といわれるの? デメリットだけでなくメリットもある?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月29日 3時20分

4月から6月はなぜ働きすぎると損といわれるの? デメリットだけでなくメリットもある?

「4月から6月は働きすぎると損」と聞いたことがある人は多いことでしょう。その理由はなぜでしょうか?   この記事では、4月から6月は働きすぎると損といわれる理由を分かりやすく解説します。   またデメリットばかり強調されますが、この時期に収入が多いとメリットもあります。あわせて解説しますので、参考にしてください。

「4月から6月は働きすぎると損」といわれる理由

「4月から6月は働きすぎると損」といわれるのは、社会保険料の仕組みに関係があります。正社員や一定の時間働くパート・アルバイト、派遣社員などは、社会保険に加入しなければなりません。
 
その社会保険料を決める基準になるのが、4~6月の給与なのです。では、具体的にどのように決まっていくのか、以下で詳しく説明します。
 

4~6月の給与をもとに標準報酬月額が決まるため

社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つを指します。会社員の場合、会社側が全額負担する労災保険を除く4つの保険料が給与から天引きされる仕組みです。
 
社会保険のうち、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料の3つは、「標準報酬月額」にそれぞれの保険料率をかけることで計算します。例えば、健康保険料の場合は、標準報酬月額×健康保険料率です。
 
この「標準報酬月額」を決める際の基準になってくるのが、4~6月の給与です。標準報酬月額が上がれば、1ヶ月の保険料が上がります。
 

標準報酬月額とは

「標準報酬月額」とは、報酬月額を保険料額表の1~32等級に分け、その等級に該当する金額のことをいいます。標準報酬月額は毎年4~6月の賃金をもとに計算され、毎年9月に改定される仕組みです。例えば、健康保険料の算定では標準報酬月額と標準賞与額をもとに計算します。
 
標準報酬月額は、基本給だけでなく、残業手当・家族手当・住宅手当・役職手当・通勤手当なども含めて計算します。このなかでも、特に変動が激しいといわれるのは残業手当ではないかと思われます。例えば、4~6月まで残業時間が多くて給与が上がると、7月から残業がなくなった場合は手取りが減ります。
 
しかし、標準報酬月額より計算された保険料は4~6月の給与をもとにしているので、給与に対して保険料の負担が大きくなるのです。これが、4月から6月は働きすぎると損といわれる理由です。
 

標準報酬月額が上がるのはメリットもある

標準報酬月額が上がれば保険料が上がり、給与の手取りが減ります。一見すると非常に損だと感じるでしょう。しかし、標準報酬月額が上がるとデメリットだけではなくメリットもあります。ここからは、標準報酬月額が上がるメリットを紹介します。
 

年金や傷病手当金が増える

標準報酬月額が上がると、将来受け取る年金や傷病手当金が増えます。年金やいざというときのための保障は、個人で保険に入ってもよいですが、国の制度ならば新たに保険を選んだり加入したりする手間がかかりません。例えば老齢年金の場合、厚生年金は以下のような計算式で年金額をおおよそ計算できます。
 
平均標準報酬額✕5.481/1000✕平成15年4月以後の加入月数
 
さらに、65歳以上になったとき扶養している配偶者や子ども(年齢要件などあり)がいれば「加給年金」も支給されるので、より入ってくるお金が増えます。また、傷病手当金は働けなくなったときの命綱になることもあるので、もらえるお金が増えるのは安心です。
 
このように年金や傷病手当金が手厚くなれば、「長い目で見ればお得になった」とも考えられるでしょう。
 

所得税・住民税が安くなる

所得税や住民税は所得金額で計算されます。給与の額面は多くても社会保険料が引かれて手取りが安くなれば、所得税・住民税はその分安くなるのです。所得税や住民税は1年間の所得で計算されます。


・所得税:課税所得金額×税率
・住民税:所得割額+均等割額

なお、住宅ローン控除などを利用すれば、さらに所得税や住民税を引き下げることができます。
 
4~6月に長時間残業をして給与が一時的に上がってしまった場合は、一度所得税や住民税を国税庁のWebサイトで確認や、自治体のシミュレーションサイトの利用で、計算してみるのもよいでしょう。
 

4~6月に多く働くことはメリットもデメリットもある

4~6月は働きすぎてはいけないというのは、社会保険料の標準報酬月額がこの時期の給与をもとに決められるためです。事情があって4~6月の給与とそれ以降の給与の額が大幅に変わる場合は会社に相談しましょう。なお、4~6月の給与と7月以降の給与額があまりに差があると、年度途中でも保険料を調整されます。
 
また、保険料の等級が上がることで、支払う金額も上がりますが、厚生年金もアップするなどのメリットがあります。したがって、4~6月に働きすぎることのデメリットばかりを気にしにないほうがよいでしょう。
 

出典

協会けんぽ 標準報酬月額の決め方
国税庁 税の学習コーナー 税のしくみ 税の種類と分類
日本年金機構 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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