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子どもが私立高校に入学。親が申請できる給付金はある?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月29日 9時0分

子どもが私立高校に入学。親が申請できる給付金はある?

国は私立高校に通う生徒を経済面で支援する制度を設けています。私立高校で必要となる費用に合わせた内容になっており、所得制限はあるものの多くの人が対象になる制度です。これらの制度を利用することで「私立高校が実質無償化される」という話題を覚えている人もいるのではないでしょうか。   この記事では、入学後に申請を行う支援制度について説明していきます。

私立高校生が支援を受けられる2つの制度

高校生を対象とした支援制度には「高等学校等就学支援金」と「高校生等奨学給付金」があります。いずれも勉学の意欲がある高校生が経済的理由で進学を諦めることがないように定められたもので、返還は不要です。
 
支援を受けるための条件である保護者の世帯年収の上限は国公立高校と私立高校とで異なり、国公立高校に対する基準では支援を受けられない場合でも私立高校に通っていれば支給対象になるケースもあります。支給される金額も国公立高校と私立高校では異なり、私立高校での学校生活をしっかりとサポートできる内容になっています。
 

授業料の支援を行う「高等学校等就学支援金」

「高等学校等就学支援金」は国が行う授業料支援の仕組みです。入学時の4月など、手続きが必要な時期に学校から案内があり、学校へ申し込みます。支援を受けるための条件は「保護者等の課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除額」が30万4200円未満であることです。
 
算出された額が30万4200円未満であれば基準額が支給され、15万4500円未満であれば私立高校授業料の実質無償化に対応した金額が支給されます。
 
所得制限については一般的な年収の目安として「910万円未満」「590万円未満」と表現されることが多いですが、扶養控除対象者の数や共働きか否かによって条件が異なるため注意が必要です。市町村民税の課税所得額(課税標準額)は課税証明書やマイナポータルを利用して確認することができます。
 
具体的にはどれぐらいの金額が支給されるのでしょうか。算出額が30万4200円未満の場合、基準額である月額9900円(定額授業料の私立高校)、1単位につき4812円(単位制授業料の私立高校)が支給されます。
 
算出額が15万4500円未満の場合は支給額が加算され、月額3万3000円(定額授業料)、1単位につき1万6040円(単位制授業料)となります(単位制授業料の場合はいずれも、通算74単位、年間30単位まで)。
 

教科書費や教材費など授業料以外の教育費支援「高校生等奨学給付金」

「高校生等奨学給付金」は授業料以外の教育費支援の仕組みです。具体的には、教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費等について支援します。
 
対象は生活保護世帯、住民税所得割非課税(年収約270万円未満が目安)の世帯で、手続きを行うのは毎年7月ごろです。新入生は4~6月に一部早期支給の申請ができる場合があります。
 
私立高校に在学する生徒に対する支給額(国の補助基準)は、生活保護受給世帯では年額5万2600円、非課税世帯では全日制等で年額13万4600円(第1子)、年額15万2000円(第2子以降)、通信制・専攻科で年額5万2100円です。各都道府県によって制度の詳細が異なるため、詳細は住んでいる都道府県に問い合わせましょう。
 

私立高校の授業料、教科書費などが全額まかなえるケースも

私立高校に通う生徒に対する2つの支援は、いずれも入学後に申請が必要です。保護者等の所得によって受給の可否が決まるほか、通っている私立高校が定額授業料、単位制授業料のどちらを採用しているか、全日制、通信制、専攻科のどれに当てはまるかによっても支給される金額が異なります。
 
場合によっては私立高校で必要となる授業料、教科書費、教材費などを支援金ですべてまかなえるケースもあるため、忘れずに申請するようにしましょう。
 

出典

1段落:【文部科学省】高校生への2つの支援
2段落:【文部科学省】私立高等学校授業料の実質無償化に係る所得判定基準(令和2年7月分以降)
2段落:【文部科学省】高校生等への修学支援

2段落:【文部科学省】支給期間・支給限度額一覧
3段落:【文部科学省】高校生等への修学支援

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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