親の介護と育児に追われて…ダブルケアの負担を減らすにはどうすればいい?
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月28日 11時40分
育児と介護を同時に行うダブルケアは、少子高齢化や晩婚化による出産年齢の高齢化など、いくつかの要因が重なって引き起こる新たな社会問題です。 今回は育児と介護に追われる方と、その家族の方に向けて、ダブルケアの負担を減らす方法について解説します。
ダブルケアとは
ダブルケアとは、育児と介護が同時に発生している状態のことを指す言葉です。例えば、子育てと並行して親や親族の介護している主婦の方などがダブルケアに該当し、ダブルケアを行っている人をダブルケアラーと呼ぶこともあります。
内閣府の推計(平成28年)によれば、ダブルケアを行う方の人口は約25万人(そのうち女性が約17万人)とされています。
15歳以上の人口に占める割合は約0.2%ですが、育児中の方では約2.5%、介護を行っている方では約4.5%で、その平均年齢は40歳前後となっており、今後も高齢化や晩婚化などに伴い、ダブルケアを行う方の人口は増えていくことが想定されています。
ダブルケアの負担を減らす方法
ダブルケアの負担を減らす方法はいくつかあります。現在、ダブルケアに追われて大変という状況の方は、以下を参考にしてみてください。
介護・育児で対象となる制度を利用する
ダブルケアのみを対象とした公的制度というのは現状ではありませんが、介護と子育て、それぞれを対象とした制度をうまく活用することで負担を軽減することができます。
介護の場合、介護保険制度を通じてホームヘルパーによる訪問介護や通所介護(デイサービス)を利用するという方法があります。介護保険制度の対象となる要介護・要支援状態であれば、1割(一定以上の所得では2割または3割)の自己負担で介護サービスを利用することができます。
子育てについても、日中は認定こども園に子どもを預ける、地域の放課後児童クラブを利用するといった選択肢があります。また、自治体によっては独自の育児支援制度が設けられていることもあるため、そういった制度を利用するのもいいでしょう。
例えば、東京都中央区では、一定の条件を満たすことでベビーシッターの利用料について1時間当たり最大2500円の助成を受けられる支援事業が実施されています。
ある程度の金銭的な負担は生じますものの、ダブルケアの負担は減少するため、費用と相談しながら介護や育児に関する諸制度の利用について検討してください。
家族や親せきで話し合って協力する
親の介護と子育てを並行している場合、家族や親せきなどに協力してもらうことも負担を軽減する方法の1つです。
例えば兄弟姉妹がいる方は、子どもが小学校を卒業するまでは時間に余裕のある人が中心となって介護を担当する、日替わりや週替わりといった持ち回り制にするなど、負担を分散できるように話し合い、協力して介護が行えるようにします。
ただし、介護については家族でも全員が納得して合意に至るには時間がかかることもあるため、なるべく早めに話し合いを行うべきです。話し合いがうまく進まないときは、親せきや信頼できる共通の知り合いに間に入ってもらうのもいいでしょう。
各種窓口へ相談する
多くの市区町村では、子育ての不安や悩みの相談ができる子育て支援センターや、対象地域に居住する高齢家族の介護について相談できる地域包括支援センターなどが設置されています。
こうした窓口へ相談することで、個別の状況に応じて利用できる制度を紹介やアドバイスを受けることができますので、ダブルケアの負担が軽くなることもあります。
ダブルケアを行う方は公的な制度やサポートなどを頼ること
介護と育児の両方に追われるダブルケアの負担や苦労は、非常に大きなものです。
現在ダブルケアを行っている方は、それぞれで対象となる制度を利用したり、支援機関の窓口に相談したりしてみてください。また、家族や親せきにダブルケアの方がいるという場合は、可能な限り協力しながら、その負担を減らせるようにしてください。
出典
内閣府男女共同参画局 「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」
中央区 令和4年度ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)
執筆者:柘植輝
行政書士
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