今話題のFIREって何? FIREに学ぶ、3つの大切な考え方!
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月31日 11時0分
FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、経済的自立と早期リタイアと訳されます。資産を運用し不労所得を得て、仕事に縛られない生き方を表します。 FIREは、米国発祥の言葉で、近年日本でもよく耳にするようになりました。年金制度が見直され、65歳あるいは70歳まで働かないといけない今の時代に、早期リタイアは可能なのでしょうか。 さらに、FIRE達成には欠かせない、3つの重要な考え方を紹介します。
FIREの概念
FIREでは、一般的に4%ルールというのがあります。1年間に必要な生活費の25倍の資産を、年4%以上の利回りで運用し、得た利益で生活できるようになるとFIRE達成といえます。
例えば、1年間に必要な生活費が400万円だとすると、必要資産は1億円です。1億円を年4%の利回りで運用すると、1億円×4%(利回り)=400万円(運用益)、運用益のみで生活できる計算です。
1億円なんて現実的ではないと思う人が多いと思います。しかし、FIREは完全なFIREだけではなく、さまざまな種類があります。最低限、経済的に困らないだけの運用益があれば、FIREといえるのです。
そして大切なのは、FIREを目指すうえでの考え方です。その考え方を身に付ければ、完全FIREを達成しなくても、お金に困らず生活できるようになる可能性が高くなるでしょう。
FIREの種類
●ファット(Fat)FIRE:ぜいたくできるだけの十分な資産がある
●リーン(Lean)FIRE:倹約して最低限の生活費で生活する
ファットFIREは、完全FIREといわれており、全く働かずに、資産を運用して得た運用益のみで生活するスタイルです。産まれながらに資産が十分にあるいわゆる大金持ちでなければ難しいといわれます。
一方リーンFIREは、物欲がなにもなく、自給自足が当たり前な超倹約家といったイメージです。
上にあげた2つのスタイル以外に、サイドFIREといわれるスタイルがあります。サイドFIREは、必要最低限の生活費をまかなうだけの運用益があり、そのうえで副業やフルタイムではない働き方などでプラスの収入を得るというスタイルです。
今はフリーランスや副業、在宅ワーク等のさまざまな働く環境が認められるようになってきています。退職後に、それまでに培ったキャリアやスキルを生かし、多少の収入を得ることも、十分可能なのではないでしょうか。
FIREを達成するために大切な3つのこと
・家計管理
生活費がいくら必要なのかが分からなければ、必要な資産額を計算することもできません。
今いくら生活費を使っているのか、何にどのくらいお金がかかっているのかを、家計簿等でしっかりと把握することが大切です。さらに、ライフプランをたて、いつどのくらいのお金が必要になるかを把握することも必要です。
FIREは急な出費に弱いという欠点があります。想定以上のお金を使い、運用するお金が減ると、運用益で生活することができなくなってしまう可能性があるからです。確実なライフプランをたて、余裕をもってお金の準備をすることが大切です。
・節約
余計な出費を減らし生活費の節約ができれば、運用するために必要な資産を減らすことができます。自分にとって本当に必要な物なのかを考え、無駄な物を買わない習慣を身に付けることが大切です。
FIREを目指すか目指さないかに関わらず、お金を大切に使うということは、とても大事だと思います。
・資産運用
FIREは、資産を運用することが前提の考え方です。
日本銀行調査統計局の調査によると、日本の家計の金融資産と、米国の金融資産の構成には大きな違いがあります。日本は、現金・預金が半分以上を占めているのに対し、米国では、株式等・投資信託の割合が半分以上を占めています。FIREという概念が生まれた米国では、投資が家計の資産形成の一般的なものとして浸透しているのです。
しかし、投資をしたことのない人が苦労して貯めた大金をいきなり投資に回すのはリスクがあり、現実的ではありません。まずは、少額から投資を始めてみてはいかがでしょうか。
どんな商品に投資をしたら、年率4%の収益を得ることができるのか、投資のメリット、デメリットをやりながら学んでいくほうが効率的だと思います。
利益が出れば、資産形成の助けにもなります。できるだけ早く始めたほうが、複利の力で多くの資産をつくることができます。
まとめ
FIREを目指すのに一番大切なことは、何のためにFIREを目指すかということです。自分の人生を幸せに生きる選択肢のひとつとして、経済的自立を目指すことは価値があると思います。
FIREを達成できるかどうかということよりも、それまでの過程が大切なように思います。自分の人生のライフプランをしっかりたて、自分の資産を自分でつくる方法を身に付けることが重要なのではないでしょうか。
出典
日本銀行 日本銀行統計調査局 資金循環の日米欧比較(2021年8月20日)
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP
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