うつや発達障害でも障害年金は受け取れる? 生活保護と同時受給は可能?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月8日 12時20分
![うつや発達障害でも障害年金は受け取れる? 生活保護と同時受給は可能?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_144435_0-small.jpg)
障害年金について「うつや発達障害でも障害年金の対象になる?」「生活保護と同時受給はできる?」など、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。 うつや発達障害でも障害年金の受給対象となるのか、障害基礎年金の要件について把握しておく必要があります。 ここでは、障害基礎年金と障害厚生年金の要件や年金額、生活保護との同時受給について解説します。
障害年金とは
障害年金とは、病気・けがなどで生活や仕事などが制限される障害が生じた場合に受け取れる年金です。
病気・けがの初診日が国民年金に加入している間、もしくは20歳未満や60歳以上65歳未満の場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入している場合は「障害厚生年金」を受け取ることが可能です。
また、障害基礎年金は障害等級1~2級、障害厚生年金は障害等級1〜3級の方を対象としています。
障害基礎年金の受給要件
次の要件をすべて満たす場合に、障害基礎年金を受け取れます。
●障害の原因となる病気・けがの初診日が次のいずれかの間にある
1.国民年金加入期間
2.20歳前もしくは60歳以上65歳未満で年金制度に未加入の期間
●障害認定日に障害等級表に定める1級・2級に該当する状態である
※障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日
●初診日前日に初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間の合算期間が3分の2以上ある
※初診日が令和8年4月1日前の場合は、初診日に65歳未満であれば、初診日前日に初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料未納期間がない
※初診日が20歳前で年金制度未加入期間の場合は納付要件は不要
障害基礎年金は、障害の状態が「障害等級表に定める1級・2級に該当する」場合に受け取ることができます。
1級・2級は精神の障害も該当します。具体的には、「てんかん」や「発達障害」「気分(感情)障害」「知的障害」「精神障害」「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害」などに区分されます。
例えば、うつである「気分(感情)障害」は、高度の気分、意欲・行動の障害および高度の思考障害の病相期が持続・頻繁に繰り返されて、常時の援助が必要な場合は1級、日常生活が著しい制限を受ける場合は2級です。労働の制限を受ける場合は3級となります。
年金額
障害基礎年金の年金額は、図表1のとおりです。
図表1
障害等級1級 | 97万2250円+子の加算額 |
障害等級2級 | 77万7800円+子の加算額 |
※2022年4月分から
子の加算額は、障害基礎年金受給者に生計を維持されている子がいるときに加算される仕組みです。子の加算額は、図表2のとおり子の人数によって異なります。
図表2
2人まで | 22万3800円(1人あたり) |
3人目以降 | 7万4600円(1人あたり) |
※2022年4月分から
障害厚生年金の受給要件
次の要件をすべて満たす場合に、障害厚生年金を受け取れます。
●厚生年金加入期間に障害の原因である病気・けがの初診日がある
●障害等級が1級〜3級のいずれかに該当している
●初診日前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間の合算期間が3分の2以上ある
※保険料納付済期間は厚生年金保険の被保険者期間と共済組合の組合員期間を含む
※初診日が令和8年4月1日前で初診日に65歳未満の場合は、初診日前日に初診日がある月の前々月までの1年間に保険料未納期間がない
障害厚生年金は、障害の状態が「障害等級表に定める1級〜3級に該当する」場合に受け取れます。障害基礎年金よりも障害の状態の範囲が広くなります。
そのため、要件を満たす場合は、うつや発達障害でも障害厚生年金を受け取ることが可能です。
年金額
障害厚生年金の年金額は図表3のとおりです。
図表3
障害等級1級 | 報酬比例の年金額×1.25+ (配偶者の加給年金額(22万3800円)) |
障害等級2級 | 報酬比例の年金額+(配偶者の加給年金額(22万3800円)) |
障害等級3級 | 報酬比例の年金額 最低保障額 58万3400円 |
※2022年4月分から
※配偶者の加給年金額は、受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合
生活保護とは
生活保護は、生活に困窮している方に経済的な援助を行う制度です。健康で文化的な最低限度の生活を保障することと、自立の助長を図ることを目的としています。
世帯収入が国の定める最低生活費に満たない場合に、不足額を生活保護費として受け取り可能です。
年金は収入として扱われるため、年金額が最低生活費を上回る場合は、生活保護費を受け取ることはできません。
年金額が最低生活費を満たさない場合は、生活保護費から差し引かれることになります。したがって、障害年金を受け取るときは、次のような受け取り方になります。
●障害年金が最低生活費を上回る:障害年金のみ。生活保護費は受け取れない。
●障害年金が最低生活費を下回る:障害年金+年金額を差し引いた生活費保護費
このように、障害年金と生活保護費をどちらも満額は受け取れません。
うつや発達障害も障害年金の対象。生活保護費との同時受給は可能だが生活保護費から差し引き
障害基礎年金は障害等級1〜2級、障害厚生年金は障害等級1〜3級の方を対象としており、うつや発達障害の方も、要件を満たせば障害年金を受け取ることは可能です。年金額は障害等級などによって異なります。
また、生活保護費は「最低生活費-収入(年金含む)」の不足額となるため、障害年金を含む収入が最低生活費より多ければ、生活保護費を受け取れません。
障害年金を含む収入が最低生活費に満たない場合は、それらを差し引いた生活保護費を受給できます。
出典
日本年金機構 障害年金
日本年金機構 障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
日本年金機構 障害等級表
日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 令和4年1月1日改正
厚生労働省 生活保護制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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