厚生年金の自分の等級は知ってる?調べ方や将来の年金との関係とは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月12日 9時50分
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厚生年金の等級について「どのような場合に自ら調べる必要があるのか?」「等級が高いと将来もらえる年金も多くなるの?」など疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。 等級が決まる仕組みや自分の等級を知っておくことは大切です。そうすることで、厚生年金保険料がどのように決まるのかも把握できます。 本記事では、厚生年金の等級の調べ方や年金との関係について解説します。
厚生年金の等級とは
厚生年金の等級とは、標準報酬月額をもとにして1〜32等級まで分類されており、厚生年金保険料算定の際に基礎となるものです。
ここからは、等級の調べ方や厚生年金保険料額表の見方を説明します。
等級の調べ方
自身の厚生年金等級を調べる手順は、次のとおりです。
1.報酬月額を確認
2.厚生年金保険料額表で等級を確認
等級を調べるには、自身の報酬月額を確認しなくてはいけません。報酬月額は、会社から支給される基本給に、通勤手当や役職手当、時間外手当などの手当を加えた1ヶ月の総支給額です。ただし、見舞金や出張旅費、年3回以下の賞与などは月額報酬の対象にはなりません。
報酬月額を把握した後は、厚生年金保険料額表で等級を調べます。日本年金機構のホームページに厚生年金保険料額表のPDFデータがあるので利用しましょう。この記事では図表1に掲載します。見方は簡単で、報酬月額が当てはまる等級を確認するだけです。以下で厚生年金保険料額表を説明します。
厚生年金保険料額表の見方
厚生年金保険料額表(図表1)では、等級・標準報酬月額・報酬月額・厚生年金保険料(全額・折半額)が掲載されています。
図表1
出典:日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)
報酬月額は会社から1ヶ月間に受け取る総支給額のことです。
例えば、報酬月額が25万円の場合は17等級、報酬月額が40万円の場合は24等級となります。このように、報酬月額から自身の厚生年金の等級を調べることが可能です。
そして、月収が30万円の場合、報酬月額は29〜31万円に該当します。そのため、等級は19、標準報酬月額は30万円となり、厚生年金保険料は5万4900円です。厚生年金保険料は会社と折半になるため、自己負担額は2万7450円となります。
報酬月額が63万5000円以上の場合は32等級、標準報酬月額65万円となり、厚生年金保険料は5万9475円(折半額)です。
このように、1〜32等級のうち、どの等級に該当するかで毎月の厚生年金保険料が変わります。1等級であれば折半額は8052円、10等級は1万4640円、20等級は2万9280円、30等級は5万3985円、32等級は5万9475円です。
1等級と32等級では、月額5万円以上、年間60万円以上の差があります。
等級が高いと将来の年金額も多くなる
厚生年金の等級が高いと、将来もらえる年金額も多くなります。厚生年金の大部分を占める「報酬比例部分の年金額」は、標準報酬月額が高いほど多くなるからです。等級が高くなるにつれ、標準報酬月額も増えるため、等級が高いと年金額が多くなります。
厚生年金受給額の計算方法
以下は、厚生年金受給額の計算方法です。
・報酬比例部分の年金額+経過的加算+加給年金額
「報酬比例部分の年金額」の計算方法は、厚生年金加入時期によって異なります。
1.厚生年金加入時期が平成15年3月以前の場合
・平均標準報酬月額×(7.125/1000 ※生年月日に応じて変わります)×平成15年3月以前の加入期間の月数
※平均標準報酬月額……平成15年3月以前に加入期間中の標準報酬月額の総額を、平成15年3月以前の加入期間で割った金額
2.厚生年金加入時期が平成15年4月以後の場合
・平均標準報酬額×(5.481/1000 ※生年月日に応じて変わります)×平成15年4月以後の加入期間の月数
※平均標準報酬額……平成15年4月以降に加入期間中の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以降の加入期間で割った金額
1と2を合算した金額が、報酬比例部分の年金額です。
なお、「経過的加算」の計算方法は、次のとおりです。
・定額部分に相当する金額−77万7800円(令和4年度)×(厚生年金加入月数÷480月)
※定額部分は「1628円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数」で求めます。
加給年金
「加給年金」は、20年以上の厚生年金加入期間のある方が65歳になったとき、配偶者や子どもが下記要件を満たす場合に加算される年金です。
●配偶者は65歳未満
●子どもは年度の末日までに18歳に到達していない、または、1・2級の障害の状態にある20歳未満
加給年金額は、配偶者は22万3800円、1人目・2人目の子どもは各22万3800円、3人目以降の子どもは7万4600円となります。
また、老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に3万3100円~16万5100円が特別加算されます。
現在の厚生年金の等級を調べてみましょう
自身の厚生年金の等級は、報酬月額が分かれば厚生年金保険料額表から確認できます。調べ方は簡単なので、初めての方でも安心です。
等級が高くなるほど標準報酬月額が上がるため、毎月の年金保険料は高くなりますが、将来もらえる年金額も多くなります。
自身の厚生年金額を調べるうえで、厚生年金の等級が分からない方は、早速、報酬月額を確認して調べてみてください。
出典
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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