新設される「産後パパ育休」とは? 令和4年10月から育児休業制度が変わる!!
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月14日 10時30分
![新設される「産後パパ育休」とは? 令和4年10月から育児休業制度が変わる!!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_145146_0-small.jpg)
育児休業制度は、仕事と育児の両立を図るために整備された制度ですが、令和4年10月から「産後パパ育休」が創設されるなど制度の充実とともに、育児休業期間中の社会保険料免除制度が見直されます。 今回は、育児休業と社会保険料免除制度の改正点について解説します。
育児休業制度の改正内容
1.「産後パパ育休」を創設
現行の育児休業制度では、「パパ休暇」として父親が子の出生後8週間以内に育児休業を取得した場合は、子が1歳の誕生日を迎えるまでに、さらに1回の育児休業を取得することができます。
今回の改正では、新たに「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設され、令和4年10月からは、子の出生後8週間以内に最大4週間の休業を育児休業とは別に取得できるようになりました(※1)。
また、産後パパ育休は初めにまとめて申し出ることにより、2回まで分割して取得することも可能です。
2.育児休業の分割取得が可能に
子が1歳の誕生日を迎えるまでに取得できる育児休業は、原則として分割することはできませんでしたが、改正により、父母ともに2回まで分割取得が可能になります。
3.1歳以降の育児休業の延長開始日を柔軟化
保育所に入所できないなどの理由で、子どもが1歳以降、2歳まで育児休業を延長することができますが、現行はその開始時期が1歳または1歳6ヶ月の時点に限られています。今回の改正では、1歳以降での育児休業の開始時点が柔軟化されました。
《改正前後の育児休業のイメージ》
現行の育児休業制度に対して、令和4年10月の改正後は図表2のような働き方・休み方が選択できるようになります。
図表1
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-23.jpg)
図表2
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/b21aa6e7a5229bdbdbdb6524b66d20f0-11.jpg)
改正後のポイントをまとめると以下のとおりです。
(1)父親は産後パパ育休を2回、育児休業を2回の合計4回まで、分割して育児休業を取得できるようになります。
(2)育児休業を夫婦ともに2回まで分割できるようになるので、夫婦の働き方の選択が広がります。
(3)1歳以降の育児休業の開始日を各期間の途中で柔軟に選択できるため、夫婦で交代して休業を取得しながら育児を行えるようになります。
育児休業期間中の社会保険料免除の条件の見直し
育児休業(産後パパ育休を含む)期間については、健康保険と厚生年金の保険料が免除されます(※2)。この免除期間は年金額を計算する際、保険料を納付した期間として扱われます。
1.月給に係る保険料の免除
これまで保険料が免除される期間は、育児休業を開始した月から、終了日の翌日が属する月の前月(終了日が月末日の場合は終了月)まででした。令和4年10月からは、育児休業を14日以上取得した月が保険料の免除期間に含まれるようになります(※3)。
5月以前から育児休業を取得しており、6月14日で終了した場合、従来であれば保険料の免除期間は5月まででしたが、令和4年10月以降は6月も免除の対象となります。
図表3
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/476be8e45b7adbf739e617808e27fe26-5.jpg)
6月の月末から7月にかけて短期間で育児休業を取得した場合、6月は育児休業を開始した月であるため保険料は免除されますが、7月は従来どおり保険料の免除を受けることができません。
図表4
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/06/8cb8c7886a9072283d9a6b7b14f0ba5d-1.jpg)
2.賞与に係る保険料の免除
育児休業期間は、賞与と期末手当などに係る保険料についても免除を受けられます。
ただし令和4年10月以降は、当該賞与月の末日を含んだ連続した1ヶ月を超える育児休業を取得した場合に限り、免除の対象となります。
まとめ
育児休業の制度改正により、令和4年10月から産後パパ育休が創設されるほか、育休の分割取得が可能になるとともに、1歳以降の育児休業の延長開始時期を柔軟に選べるようになります。
この結果、共働き夫婦が協力しながら子育てをするための働き方や休み方の選択肢が増えますので、職場環境や職務内容に応じて、育児休業制度を最大限に活用されるといいでしょう。
また、育児休業に伴う社会保険料の免除制度も不合理な点が改善されました。産後パパ育休を含めて、父親が育児休業を取得した際にも社会保険料が免除されます。
出典
(※1)厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内
(※2)日本年金機構 厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)
(※3)日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業を取得・延長したときの手続き
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
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