「ETF」ってどんなもの? 一般的な投資信託とはどう違うの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月14日 9時30分
投資商品を選択する際などに、「ETF」という言葉を見かけることがあります。 ETFとは、上場投資信託といわれ、投資信託の一種にあたります。それでは、一般的な投資信託とETFとでは、どのような違いがあるのでしょうか? ここではETFの仕組みや特徴について、投資信託との違いを中心に確認してみたいと思います。
ETFの特徴やメリットとは?
前述のとおり、ETFは上場投資信託と称される投資信託の仲間の一つです。ただし、一般的な投資信託とは、その基本的な仕組みなどに大きな違いがあります。
ETFとは、「Exchange Traded Fund」の頭文字を取った名称です。各証券会社からさまざまな商品が提供されていますが、日経平均株価やTOPIXなどの日本国内の株価指数や、NYダウなどの外国の株価指数、さらには債券やREIT(不動産投資信託)指数に連動する商品など、多数から選択することができます。
その最大の特徴は、株式と同様に証券取引所に上場されている点です。そのため、株式の取引と同様に、リアルタイムで変動する時価で売買取引することが可能です。
この点、投資信託は上場されていないため、原則、購入や売却の注文を出した翌営業日にならないと、購入価格または売却価格を知ることはできません。ETFのメリットとしては、売買価格の透明性が高く、比較的値動きが分かりやすいことが挙げられます。
また、ETFの注文は、株式取引と同様に、投資家の選択によって、その時々の時価で売買できる「成行注文」や、売買の価格を指定する「指値注文」を使うことができます。
投資信託の場合は、あらかじめ購入する金額や口数を決定して売買の注文を出すことになりますので、注文すれば必ず売買は成立するという特徴があります。
これも株式取引と同様ですが、買い注文が成立してETFを保有できる、あるいは、売り注文により現金化できるタイミングは、売買の成立した日から3営業日目(受渡日)となります。
さらに、投資信託と同様に、保有している間の運用管理費用として信託報酬がかかりますが、一般的には、投資信託に比べてETFの方が低いコストで運用が可能といわれています。
ETFのデメリットとは?
投資信託の取り扱いは、証券会社をはじめ金融機関や郵便局などでもできるのに対して、ETFの取り扱いは、証券会社のみとなっています。そのため、ETFを売買したい場合には証券会社に口座を開設する必要があります。
ETFは、基本的には、日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動した運用成果を目指す商品となっており、市場平均を上回る高い収益を期待する投資家の場合には、アクティブ運用の投資信託や株式などを選択する必要があります。
また、投資信託にある特定のテーマを投資対象として、複数の銘柄で構成されるファンドに投資するテーマ別投資の商品はETFにはありません。
さらに、ETFの投資、運用方法においては幾つかの注意点があります。
投資家の中には、投資信託に一定金額ずつ、定期的に積立投資している方も多いと思いますが、ETFの場合は積立投資できる銘柄が限定されており、かつ種類が少ないため、積立投資が利用しづらいというデメリットがあります。
また、投資信託の場合には、商品ごとの決算期(年1回や毎月、数ヶ月に1回など)に分配金が支払われた際に、その都度分配金を受領せずに投資元本に加えて再投資することができますが、ETFの場合は、投資信託の一種ではあるものの、投資信託のように自動的に再投資することができません。
もし、再投資による複利効果を得たい場合には、投資信託を選択する必要があるでしょう。
そして、ETFには、購入時と売却時にそれぞれ売買手数料がかかります。売買手数料の金額は証券会社によって異なりますが、一般的には、ネット証券の方が安くなっています。
投資信託にも購入時手数料がかかる場合がありますが、手数料がかからないノーロードの商品が多数そろっています。
まとめ
ETFは投資信託の一種ではありますが、上場されていることから、その取り扱いはほぼ株式と同様となっています。
複数の銘柄などから構成される点では、投資信託の特徴を有しており、分散投資によるリスク軽減効果も期待できます。投資信託の場合は、長期積立投資による時間的な分散効果を得ることもできるため、より長期投資に向いているといえるでしょう。
それに対して、もう少し短期的に、機動的に売買したい投資家にとっては、値動きが分かりやすいETFも、投資商品の選択肢の一つとなるでしょう。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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