近年増加傾向にある住宅リフォームの悪質商法とは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月27日 10時20分
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、在宅率が高くなっていることも影響してか、近年、住宅リフォームに関する詐欺や悪質な商法についての相談件数が増加傾向にあるようです。 ここでは、独立行政法人国民生活センターのホームページに掲載されているさまざまな事例や、その対処方法について確認してみたいと思います。
住宅リフォームの詐欺や悪質商法の事例
住宅リフォームに関する詐欺や悪質商法には、さまざまな種類がありますが、最近多い事例としては、大きく分けて「訪問販売によるリフォーム工事」と「点検商法」とよばれるパターンが挙げられています。
(1)訪問販売によるリフォーム工事
コロナ禍で在宅率が高くなっていることなどを背景に、訪問販売によって半ば強引に契約をせかされ、必要のないリフォーム工事や高額の工事を契約してしまったという事例が多く報告されています。
●隣家で作業しているという業者が来訪し、屋根の修理を契約した。その後、外壁の修理も必要と言われ、追加で契約してしまった。
●外壁塗装工事を依頼したいと思って事業者紹介サイトに登録したところ、ある業者から電話があり自宅に訪ねてきた。工事の見積もりが提示されたが、他社と比較したいという希望には応じてくれず、仕方なく契約した。
(2)点検商法
「無料で点検します」と言って来訪し、すぐにでも工事を行わないと危険などと報告を受けて、やむなく修繕やリフォーム工事を契約してしまったという事例もあります。
●近くで工事をしていると業者が突然訪問してきて、翌日「点検します」と屋根に上がり、割れた瓦の写真を見せられ、修繕工事の契約をしてしまった。
●排水管の高圧洗浄をお願いした業者から、排水管が古いため、今回の高圧洗浄で水漏れが発生する可能性があり、床下の排水管を点検したいと言われた。
火災保険の保険金で自己負担なしと勧誘
そのほかにも火災保険の保険金を使うことで、自己負担ゼロで住宅のリフォームができることをうたった勧誘に対する相談事例も年々増えています。そのなかでも、契約当事者の年齢が60歳以上の場合の割合が高まっており、2018年度には相談件数全体の約80%を占めています。
実際には、業者から提示された見積金額に対して、保険会社から保険金の支払いが認められなかった、または保険金が全額ではなく少額しか支払われなかったケースのほか、詐欺や悪質商法のような事例も見られます。
・業者(工務店)に壊れていない瓦を外す細工をされ、黙っているようにと指示された
・工事契約時には違約金や手数料の説明は一切なかったが、契約書を見たら工事をしない場合には違約金として保険金の「〇割」を支払うという記載があった
・保険金でリフォーム工事ができるとの理由で契約したが、工事内容がずさんだった
なお、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスについて、年度別の相談件数の推移は図表1のとおりです。
図表1
※2020年度は8月31日までの相談件数
出典:独立行政法人国民生活センター 「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう! -勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください-
詐欺や悪質商法への対処方法
住宅リフォームでの詐欺や悪質商法の被害について不安に思った場合や、トラブルになりそうな場合には、1人で悩まずに「消費者ホットライン」(全国共通で局番なしの「188」)に相談してみてください。近隣の消費生活センターや消費生活相談窓口などの案内を受けることができます。
また、以下の基本的な対処方法も覚えておきましょう。
(1)訪問販売についてはクーリングオフ制度が使える場合があります
契約書面を受け取ってから8日間以内であれば、工事が終わった後であってもクーリングオフ制度により、契約を解除できる場合があります。クーリングオフの申し出は、必ず書面で行うなどさまざまな決まりがありますので、不明な点などがあれば消費生活センターなどに相談してみましょう。
(2)保険金を使って自己負担なしで工事できると業者に言われた場合、加入している保険会社や保険代理店に事前に相談しましょう。
(3)前述した事例にあるような、不正な手段により壊れていない瓦を外すなどした保険金の請求には、一切加担しないようにしてください。
まとめ
雨漏り対策など住宅の屋根の工事に関する詐欺・悪質商法の相談事例は、台風シーズンの10月前後に増加する傾向があり、台風による被害が新聞やニュースなどで盛んに報道され、それを見た方々が不安に思うことに便乗した悪質な手口といえます。
詐欺や悪質商法などは決して許すことができない行為ですが、悪意のある勧誘や契約にだまされないためには、正確な情報や対処方法を知っておくことも大切でしょう。
出典
独立行政法人国民生活センター 訪問販売によるリフォーム工事・点検商法
独立行政法人国民生活センター 「保険金を使って住宅を修理しませんか」がきっかけでトラブルに! -高齢者からの相談が増加しています-
独立行政法人国民生活センター 「保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる」と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう! -勧誘・契約が増える秋台風シーズンは特に注意してください-
消費者庁 消費者ホットライン
独立行政法人国民生活センター クーリング・オフ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
家を破損して数十万円請求…「悪徳リフォーム業者」にダマされないためには、何を注意すべきか
日刊SPA! / 2024年8月7日 8時51分
-
屋根に給湯器…高齢者を狙う点検商法、神奈川で急増 相談1.8倍で最多に
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年8月6日 12時20分
-
屋根や給湯器等の点検商法に関する苦情相談が過去最多に!
PR TIMES / 2024年7月29日 15時45分
-
友人の家にプロパンガス業者をかたる人が訪れ「ガス会社の変更で料金が半額になる」と言われたそうです。悪質な業者を見極めるコツはありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月24日 3時10分
-
「修理が必要だ」ウソのリフォーム話を持ち掛け金をだまし取ろうとした疑い 福島・南相馬市
福島中央テレビニュース / 2024年7月11日 18時19分
ランキング
-
1中丸不倫、アパへの風評被害は「ほぼない」理由 またもスキャンダルの舞台に…なぜイジられる?
東洋経済オンライン / 2024年8月8日 17時20分
-
2小林製薬、紅こうじ事業から撤退 通期純利益は前年比4割減と予想
ロイター / 2024年8月8日 15時49分
-
3ファミチキは「最高の潤滑油」 元テレ東アナ絶賛で「説得力ある」
J-CASTニュース / 2024年8月8日 16時45分
-
4スキル向上のために退職は嘘?辞める若手の本音 賃上げできずにどんどん社員が辞める企業も
東洋経済オンライン / 2024年8月8日 16時0分
-
5【バーキン】大人気"最強のチキン"が110円引きに...!2週間限定のビッグチャンス。
東京バーゲンマニア / 2024年8月8日 18時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください