日本年金機構からピンク封筒が届いたら要注意!? 届くまでの流れと対処法
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月28日 11時30分
国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する公的年金制度です。国民年金保険料は年間約20万円ですが、将来の受給額の減少や制度の持続性など、年金制度に対する不安から、できれば払いたくないと思う人がいるかもしれません。 しかし、国民年金は加入が義務付けられている強制加入の制度であり、年金保険料も納めなければなりません。未納の状態が続くと、納付の催促のお知らせ(催告状)が何度も届くようになり、最終的に財産が差し押さえられる可能性があります。 そこで、今回は催告状が届くまでの流れと対応方法について紹介します。
年金保険料の納付期限を過ぎると未納の状態になる
国民年金には自営業者や学生、無職の人などの「第1号被保険者」、会社員や公務員など厚生年金保険加入者である「第2号被保険者」、第2号被保険者に扶養されている「第3号被保険者」という区分があります。
第2号被保険者および第3号被保険者の保険料は、厚生年金加入者の給与から天引きとなりますが、第1号被保険者は納付書のほか、口座振替やクレジットカード払いなどにより自分で保険料を納めます。
国民年金保険料は、原則として納付対象月の翌月末日までに納めなければなりません。例えば、4月分であれば5月末、8月分であれば9月末が納付期限ですが、特に納付書を使用する場合は自動引き落としではないので、期限までに支払わない人が出てくることもあります。
納付期限を過ぎても保険料を納めていない状態が「未納」です。未納が続くと、老後に受け取る年金額の減少や、障害基礎年金や遺族基礎年金が受け取れなくなるといったデメリットが発生します。
納付のお知らせは段階を追って警告のレベルがアップ
保険料の未納が続いている場合、年金事務所から納付のお知らせが届くようになります。
まず、「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」というはがきが届きます。これまでの納付状況が記載されており、免除・猶予制度があることや、委託事業者から納付の案内として電話・戸別訪問・文書による案内がなされることが記載されています。
未納があるという連絡程度に感じるかもしれませんが、できればこの時点で納付の必要性を認識し、収入が少ないなど事情がある場合は免除・猶予制度の利用を検討しましょう。
そして、そのまま未納の状態が続くと「特別催告状」の封書が届くようになります。封書の色には、青色、黄色、赤色(ピンク)の3種類があり、段階的に警告のレベルがアップします。特別催告状の文面も、強制徴収(差し押さえ)の可能性に触れるなど、警告度の高いものになっていきます。
さらに未納状態が続いた場合は「最終催告状」が届き、その後に「督促状」が送付されて、最終的に強制徴収(差し押さえ)になる可能性があります。ピンクの封書が届くのは、すでに警告のレベルが上がった状態と考えられますので、できるかぎり早く未納の対応をしなければなりません。
保険料を払えないときは免除や猶予の手続きを
催告状が届いた場合には、まず未納の年金保険料を納めましょう。
納付期限が過ぎても2年以内であれば保険料の納付はできます。納付書を紛失した場合は、年金事務所などに納付書の再発行を依頼して納付しましょう。また、未納分の全額を一括で納付することが困難な場合は、年金事務所や街角の年金相談センターへ相談してください。分割での納付について相談が受けられることがあります。
なお、延滞金が発生するのは督促状が発行され、督促状に記載された指定期限を過ぎたケースなので、特別催告状の段階では延滞金は発生しません。
経済的な事情により納付が困難な場合は、年金事務所に相談し、免除や猶予の申請手続きを行いましょう。
まず免除制度ですが、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や、失業した場合では、申請により保険料の全額または一部(4分の3、半額、4分の1)が免除されることがあります。
納付猶予制度は20~50歳未満の人で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、申請によって保険料の納付の猶予が受けることができます。また、学生については在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があります。
まとめ
国民年金は加入が義務付けられている一方で、免除や猶予など、保険料の納付が困難な場合の制度も設けられています。
未納状態を放置せず、保険料が払えない場合は早めに年金事務所に相談しましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 国民年金保険料を納付いただいていない期間がある方にお知らせをお送りいたします。
日本年金機構 国民年金保険料の延滞金
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員
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