先進医療特約って何? いまさら聞けない先進医療と医療保険
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月29日 8時30分
先進医療という言葉、最近よく聞きませんか? よく聞くけどわからない、という人も多いと思います。医療の進歩で新たな治療も増え、平均寿命も延びました。もしも、自分が病気になったとき、できれば最新の治療を受けたいですよね? 先進医療を受けることができれば、長生きすることも可能になるかもしれません。 そこで、今回は先進医療についてと保険における先進療特約について解説します。
先進医療制度の概要
先進医療は、特定の医療機関で利用できる医療技術です。専門性が高いので、どの医療機関でも利用できるものではありません。悪性腫瘍に対する治療や家族性アルツハイマー病の診断など、さまざまな病気や診断が先進医療として国に指定されています。
病気になってしまった時に治療の選択肢が増えることはうれしいことですよね? しかし、良いことばかりではありません。
先進医療の費用は自己負担
「先進医療に係る費用」については全額自己負担
先進医療を受けた時の費用は、次のように取り扱われ、患者は一般の保険診療の場合と比べて、「先進医療に係る費用」を多く負担することになります。
1.「先進医療に係る費用」は、患者が全額自己負担することになります。「先進医療に係る費用」は、医療の種類や病院によって異なります。
2.「先進医療に係る費用」以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。つまり、一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
例
総医療費が100万円、うち先進医療に係る費用が20万円だったケース
1.先進医療に係る費用20万円は、全額を患者が負担します。
2.通常の治療と共通する部分(診察、検査、投薬、入院料 *)は、保険として給付される部分になります。
保険給付分*=80万円(10割)
7割にあたる56万円が各健康保険制度から給付。
3割にあたる24万円が患者の一部負担金。
※保険給付に係る一部負担については、高額療養費制度が適用されます。
先進医療は、上記のように全額自己負担となるので、公的医療保険の対象外となっています。治療の選択肢が広がっても使えなくては意味がありません。どのようにすれば、うまく利用できるのか、考えてみましょう。
医療費が高額になったら?
医療費が高額になった場合、利用できるのが高額療養費制度です。
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。
「先進医療も高額療養費制度が利用できるのでは?」と思われた人も多いと思いますが、先進医療は高額療養費制度を利用できません。つまり、全額が自己負担になります。さらに、先進医療の費用だけでなく、特定の医療機関でしか先進医療は行えないため、そのための交通費や宿泊費も自己負担となってしまいます。
解決策
「せっかく先進医療があってもお金がなければ利用できないじゃないか?」と思われるかもしれませんが、解決策もあります。それが、医療保険に付加することができる先進医療特約です。
先進医療特約
保険会社にもよりますが、医療保険には先進医療特約という特約を付加することができます。この特約は、先進医療を利用する場合に一定の金額を支払うというもので、医療機関までの交通費や宿泊費なども一緒に支払われる場合もあります。このような特約があれば、金銭的な負担を気にせずに先進医療を利用することができますね。
先進医療特約の注意点
もっとも、この特約も万能ではなく、利用するにあたって限度額が設けられている場合がほとんどです。通算でいくらまで、という制限がかけられています。やみくもに利用できるわけではないので注意してください。
また、加入の途中で付加することができない保険もあるので、自身の保険が付加できるものなのかを確認してみてください。
先進医療特約の付加も考えておきましょう
先進医療は治療の選択肢を増やしてくれるものなので、病気になった時に心強いです。しかし、高額であったり、治療できる医療機関が限られていたりするので、そのまま利用するのは難しいともいえます。
まずは、自身の医療保険に先進医療特約が付加されているのか、付加されているのであればいくらが保障されているのかを確認しましょう。いざという時の備えは必要です。今からできることを考えていきましょう。
出典
厚生労働省 先進医療の概要について
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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