【2022年から適用スタート】不妊治療の「保険適用」はどんな内容か解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月29日 10時20分
2022年4月から不妊治療が保険適用となりました。これまで高額な費用がネックでしたが、保険適用となり治療を望む人が増えることが予想されるでしょう。 本記事は、かつて不妊治療で必要だった費用を紹介しながら、新しく保険適用された制度について解説します。 これまで高額な治療費のために諦めていた人をはじめ、最新の不妊治療に関する情報を手に入れたい人も参考にしてください。
保険適用された不妊治療の概要
2022年4月より、人工授精等の「一般不妊治療」と、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」が保険適用となりました。これまで不妊治療は自己負担が必要な医療行為でしたが、安全性と有効性が確認できたものは保険が適用されることとなりました。
具体的にはタイミング法や人工授精といった一般的な治療や、採卵から胚移植に至る診療が適用の対象です。
【図表1】
出典:厚生労働省 「令和4年4月から、不妊治療が保険適用されます。」
これまでの不妊治療にかかっていた費用は20~50万円
厚生労働省の調査で、不妊治療にかかる費用の平均は1回で20万円程度であると分かりました。不妊治療を受けた患者のアンケートによると、体外受精の費用は平均で50万1284円となっています。このように、これまで不妊治療は負担の重い状況が続いていました。
【図表2】
また、体外受精や顕微授精を経験した人の過半数が、医療費の総額で100万円以上かかったと回答していました。以上より、不妊治療を希望する人にとって保険適用はかなり大きなメリットになるといえるでしょう。
保険適用できる対象や注意点の概要
保険適用となる治療には年齢と回数の制限があるので注意が必要です。制限の内容は図表3の通りです。
【図表3】
基本的に保険適用前の特定治療支援事業と同じ条件です。特定治療支援事業は、保険適用される前に国が定めていた、不妊に悩む方への助成金制度です。助成金を支払う対象者の条件は今回の保険適用と同じ内容になっています。
これまで助成金を受けていた場合はどうなる?
保険適用前に不妊治療を受けている場合、年度をまたぐ治療1回までは助成金の対象となります。
治療計画に支障が生じないように国が経過措置として定めていますが、詳細は自治体に確認してください。
保険適用で治療件数が増えてくるか注目
不妊治療の保険適用について解説しました。国内では出産年齢が高齢化している状況もあり、不妊治療は今後も需要が高まる医療行為になりつつあります。
保険適用で負担も抑えられるので、今後どこまで治療件数に影響があるか注目です。
出典
厚生労働省 不妊治療に関する取組
厚生労働省 令和4年4月から、不妊治療が保険適用されます。
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー
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