経営者が亡くなったときの「企業リスク」「経営環境の変化」に備える保険を解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月8日 22時30分
![経営者が亡くなったときの「企業リスク」「経営環境の変化」に備える保険を解説](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_149392_0-small.jpg)
経営者が亡くなった場合、売り上げの減少や取引銀行からの残債の返済、後継者問題などさまざまな問題が突然発生します。経営環境の変化に備えるためには、現在の会社を守れる保険に入っていなければ、万が一に備えることができません。 本記事では、経営者が亡くなった場合に起こりうる企業リスクを紹介し、どのような生命保険を準備すれば良いのかを解説します。
経営者が亡くなった場合の企業リスク
経営者が亡くなることで起こりうる会社のリスクは、次のようなものがあります。
経営者が連帯保証人
会社が銀行から借り入れする場合、経営者個人が「連帯保証人」になっていることがあります。もし、経営者が亡くなれば、会社で必要とした借入金が経営者の家族に及ぶことになるため、注意が必要です。
連帯保証人の変更にあたって、契約者である金融機関に必ず報告して別の経営者に変更できる体制を作っておくとよいでしょう。
経営者個人から借り入れしている
会社が「経営者個人から資金を借り入れしている」場合があります。毎月、経営者個人に対して返済していれば、経営者の家族に相続された場合、返済を続けていくことになります。
もし、経営者個人への返済を会社が行っていない場合、経営者の相続人から借入金の一括返済を求められることがあるため注意が必要です。
借入金の一括返済するにあたって、金融機関へ借り換えを行うといった方法があります。
事業用不動産が経営者の個人所有
会社の事務所などが入っている「事業用不動産が経営者の個人所有」の場合があります。事業用不動産は、経営者の家族に相続されるため、相続人に対して地代家賃として毎月支払うか、買い取りすることになるため注意が必要です。
事業用不動産を買い取るには大きな費用がかかるため、経営状況を見て判断することになります。経営状況によっては、相続人に対して地代家賃を支払うことになるでしょう。
自社株の買い取り
会社の経営を安定させるために、経営者が所有していた自社株を次の経営者に承継させる必要があります。もし、経営者の子どもなどに事業承継させないで、他の人が経営者になる場合、「亡くなった経営者が所有していた自社株を相続人から買い取る」必要が出てきます。
経営を安定的に行うためには、株式総数の1/2を超える株式を保有する必要があります。総数の1/2を超える株式の保有によって、取締役や監査役の選任、役員報酬の決定などに反対されることがなくなります。
もし、総数の1/2を超える株式を保有できなければ、亡くなった経営者の家族に経営の意思決定を左右され経営が不安定化する恐れもあります。
経営者が亡くなる前に事業承継対策を講じておくことが必要です。
事業継続資金
経営者が亡くなったことで、一時的な売り上げの低下や、利益が減少する場合があります。また従業員においても、経営者が亡くなったことで辞める人が出ることもあるでしょう。
「事業継続資金」は、売り上げ低下や利益の減少、従業員の給与の確保など、最低でも1年分を賄えるようにした方がよいです。普段の企業活動から準備することが難しいため、生命保険で準備することになるでしょう。
経営環境の変化に備える保険
経営者が亡くなっても経営を不安定化させないためには、生命保険に加入しておく必要があります。生命保険には、保険料を「掛け捨てるタイプ」と「一部が積み立てされるタイプ」の2種類があり、同じ保障内容であれば掛け捨てタイプの方が保険料は安くなります。
経営環境の変化に備える生命保険として、定期保険があります。
定期保険
定期保険は、「一定期間保障される保険」です。企業リスクとして紹介した5つのうち、最低限、「事業継続資金」を確保するために加入した方がよいです。保障期間は、経営者が退任するまでとなるでしょう。ただし、定期保険は80歳満了のものが多く、80歳を超える場合は保障がなくなるため注意が必要です。
事業用不動産や自社株を買い取る際にも活用が可能となります。ただし、会社の状況や自社株の承継の進み具合などに合わせて、加入を検討するとよいでしょう。
収入保障保険
収入保障保険は、定期保険の一つで保険期間が決まっており、「一定期間保障される保険であるものの保障額が毎年少なくなっていく保険」です。保障額が毎年少なくなるため、定期保険よりも保険料が安くなる特徴があります。
収入保障保険の活用方法は、金融機関などから融資を受けている場合、借入金の返済を行っていると毎年金額が少なくなるため、借入金の返済に合わせて加入する保険です。会社のリスクとして紹介した5つのうち、「経営者が連帯保証人」として金融機関から借り入れしている場合や、「経営者個人から借り入れしている」場合には、収入保障保険に加入した方がよいでしょう。
会社のリスクに備える
経営者が亡くなった場合の企業リスクとして5つ紹介し、経営環境の変化に備える保険として、「定期保険」と「収入保障保険」を解説しました。経営者は、不慮の事故や病気などで、突然亡くなることもあります。そのため、経営者が亡くなった後に会社経営が立ち行かなくならないように、リスクをしっかりと考えて、備えるようにしましょう。
出典
e-Gov法令検索 会社法
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士
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