贈与税の配偶者控除とは? 大きな節税効果があるって本当? あてはまる要件は?
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月15日 3時40分
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贈与税の基礎控除額は、原則として1人あたり年間110万円までで、それを超える贈与には贈与税が課されます。 しかし、より多くの財産を非課税で贈与できる特例もいくつか用意されており、その一つが贈与税の配偶者控除です。 本記事では、贈与税の配偶者控除の概要や条件を解説します。自分が適用要件を満たすかどうかチェックしてみましょう。
贈与税の配偶者控除とは
贈与税の配偶者控除とは、夫婦間での居住用財産の贈与に関する優遇措置です。具体的には、配偶者から居住用の不動産、または居住用不動産取得用の金銭の贈与を受けた場合、110万円の基礎控除とは別枠で、最高2000万円まで控除できる特例です。
この制度の背景には、夫婦間の財産の形成は双方の協力によってなされたものであるという一般的な考え方、また配偶者の老後の生活を保障するという目的があります。
一般的な贈与には、金額が大きくなればなるほど税率も高くなる超過累進税率が適用されていますので、配偶者控除を受けることで大きな節税効果が期待できます。
贈与税の配偶者控除の適用要件
贈与税の配偶者控除は、すべての夫婦が対象になるわけではありません。
贈与された財産が、居住用不動産、またはその取得資金であることのほか、特例には次のような適用要件が設けられています。
●婚姻期間が20年以上の夫婦間の贈与であること
婚姻期間が20年未満の夫婦間で行われる贈与には、特例は認められません。
●配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産、または居住用不動産取得のための金銭であること。
●居住用不動産への居住が前提であること
贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与された、あるいは贈与された金銭で取得した居住用不動産に実際に住んでおり、かつその後も引き続き住む見込みであることが前提です。また、この特例に該当する居住用不動産とは、居住のための土地やそれに関する権利、家屋で、国内にあるものを指します。
●過去に同じ配偶者から贈与税の配偶者控除の特例を受けていないこと
贈与税の配偶者控除は、同じ配偶者からは一生に一度しか適用を受けることができません。
この特例を受けるためには、上記の要件を満たしたうえで、確定申告の手続きも行う必要があります。
贈与税の申告書のほか、贈与を受けた日から10日後以降に作成された戸籍謄本や戸籍の附票の写し、居住用不動産の登記事項証明書など、複数の書類を添付したうえで、所轄の税務署に提出しなくてはなりません。
生前贈与加算との関係性
生前贈与加算との関係も押さえておきましょう。生前贈与加算とは、相続開始前3年以内に被相続人から生前に贈与された財産が、相続税の課税価格に加算される制度です。
しかし、贈与税の配偶者控除に相当する金額については、この期間内の贈与であっても加算する必要はありません。すなわち、婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、この特例を活用しておくことで、将来の相続税の負担を軽減できる可能性があります。
結婚生活が20年以上の夫婦は贈与税の配偶者控除の対象
夫婦間では、財産のやり取りが贈与にあたるという意識は一般的に希薄かもしれません。しかし、婚姻期間が短い場合などでは、贈与の対象になり得ることを知っておきましょう。
ただし、婚姻期間が20年以上を過ぎると、贈与税の配偶者控除の適用要件を満たします。
控除額が大きく、うまく活用することで将来の税金対策になりますので、自分たちにとってメリットがありそうか検討しておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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