【お茶】やっぱり多かった!静岡県の茶系飲料出荷額と緑茶の年間支出金額。
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月16日 10時40分
静岡県といえば「お茶どころ」のイメージがありますが、茶の出荷量・出荷額だけでなく、家計における年間支出額も全国1位となっています。しかし日本で出荷されるお茶のうち、静岡茶の占める割合がどのぐらいなのか知らない人も多いでしょう。 本記事は、全国の茶系飲料の出荷額に占める、静岡県産の茶の割合や、静岡市と浜松市の家計における茶の支出額を解説します。静岡県がいかに「お茶大国」であるかがわかるでしょう。
静岡の茶の出荷額は全国1位
2020年度の調査によると、静岡県は茶の栽培面積が1万5200ヘクタールと日本の茶園面積の約40%を占め、全国一となっています。また、荒茶の生産量は年間2万5200トンと、全国の36%を占めてこちらも全国一です。なお、荒茶とは茶葉を蒸してもんで乾燥させたもので、市場に出回る前のお茶のことです。
荒茶はこのあと仕上げ工程を経て商品として店頭に並ぶようになります。茶の栽培面積・荒茶の生産量の2位は鹿児島県、3位は三重県ですが、茶の栽培面積だけをみると鹿児島県の約2倍の面積を占めています。
ちなみに緑茶(仕上茶)や紅茶(仕上茶)、茶系飲料の出荷額でも静岡県は全国一を誇ります。特に2020年の緑茶(仕上茶)の出荷量は6876万4092キログラムと、全国の61%を占めています。また、出荷額は1339億4200万円と全国の56%です。ちなみに緑茶(仕上茶)の出荷量・出荷額が多い都道府県の第2位は京都府ですが、出荷量は1180万3711キログラム、出荷額は323億1500万円です。いかに静岡県の茶の出荷量が多いか、わかることでしょう。
静岡市民は茶の支出額が全国平均の2.4倍
静岡県は茶の生産量が多いだけでなく、県民がお茶をよく飲みます。総務省が都道府県庁所在地や政令指定都市を対象に行った2020年の「家計調査」では、静岡市の2人以上の世帯における緑茶に対する年間支出額は9191円、浜松市は6234円でした。全国平均が3817円なのを考えると、静岡市民は2.4倍、浜松市民も1.6倍となっています。
また2人以上の世帯における、平均的な緑茶の購入数量は、静岡市で2323グラム、浜松市で1334グラムでした。いずれも全国平均の827グラムを大きく上回っています。
静岡県では2016年に「小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例」が制定され、小中学校の給食で積極的にお茶を飲む機会が設けられたほか、お茶にまつわる歴史や文化などについても学ぶこととなりました。県をあげてお茶を飲もうという取り組みが行われているのです。
静岡県で茶の栽培がさかんな理由
静岡県はもともと温暖な気候や地形から、茶の栽培が行われてきました。さらに、幕末の1859年に横浜港が開港し、明治時代には清水港が開港されると、茶が海外に輸出されるようになり、県内に茶園が次々と開かれるようになりました。またそれに伴い農具や生産技術も発展しました。
静岡県内には日本最大の茶の生産地とよばれる「牧之原」をはじめ、20を超える茶の産地があるとされていて、それぞれに特徴が違います。
静岡県は茶の出荷量も支出額も日本一
静岡県は茶の出荷量・出荷額ともに全国の6割近くを占めている県です。産出額では2019年に鹿児島県がトップになることもありましたが、令和3年の時点では再び静岡県が1位となっています。また茶への支出額も多く、県庁所在地の静岡市の年間支出額は全国平均の2.4倍ほどにあたる9191円となりました。
静岡県では小中学校の学校給食でお茶を飲む機会を設けるなど、子どものうちからお茶に親しむ教育を行っています。小さな頃からお茶を飲む機会が多いことも、他の都道府県と比べて支出額が多い理由なのかもしれません。
出典
静岡県 茶の都
静岡県 緑茶(仕上茶)出荷額日本一
静岡県 紅茶(仕上茶)の出荷量、出荷額日本一
静岡県 茶系飲料の出荷額日本一
静岡県 茶の生産日本一
静岡県 緑茶年間支出金額、年間購入数量・茶類の年間支出金額日本一
静岡県 静岡茶の愛飲の促進について
公益社団法人静岡県茶業会議所 静岡県の茶業有名茶産地
JA静岡市 静岡茶の歴史とやぶきた茶
農林水産省 令和3年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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