意外と厳しい遺族年金の適用条件。夫婦で条件が異なる理由とは
ファイナンシャルフィールド / 2022年7月25日 5時0分
![意外と厳しい遺族年金の適用条件。夫婦で条件が異なる理由とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_151911_0-small.jpg)
遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合にかぎり、遺族が受け取れる年金です。しかし、夫が亡くなった場合と妻が亡くなった場合では、受給期間が異なる仕組みとなっています。 そこで本記事では、遺族年金の受給要件について解説します。
遺族年金の受給要件
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、それぞれ受給要件が定められています。
1. 国民年金の被保険者である間に死亡したとき
2. 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき
3. 老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき
4. 老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
出典:日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
1. 厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
2. 厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
3. 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
4. 老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
5. 老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
出典:日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
上記要件を満たした場合に、遺族基礎年金と遺族厚生年金のいずれかもしくは両方が受け取れます。
夫婦で受給期間が異なる
遺族年金では、夫が亡くなった場合と妻が亡くなった場合では、受給期間が異なる仕組みとなっています。
図表1
受給期間 | |
---|---|
夫が亡くなった場合 | ・子が18歳になった年度の3月31日まで ・妻が老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給するまで |
妻が亡くなった場合 | ・子が18歳になった年度の3月31日まで |
出典:日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)、遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)より筆者作成
夫が亡くなった場合は、妻は子どもが成人するまで、もしくは自身の年金を受給し始めるまで遺族年金を受け取ることが可能です。また、自身の老齢厚生年金額の金額が遺族厚生年金よりも少なかった場合は、その差額を受け取れることがあります。
しかし、妻が亡くなった場合、夫は子どもが18歳の年度末まで遺族基礎年金を受け取れますが、その後は65歳未満でも遺族年金は受け取れません。
時代と共に年金制度も変化していく可能性がある
遺族年金の受給期間が妻と夫で異なるのは、共働きが一般的でなかった時代に作られた制度だからといえます。一家の大黒柱である夫に先立たれると、遺(のこ)された妻が生活に困窮することが多かったため、妻の受給期間が長い仕組みとなっているのです。
しかし、共働きが一般化した現代では、こうした男女差のある制度に見直しが入る可能性も高いでしょう。年金制度も時代と共に変化していくかもしれません。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 年金の併給または選択
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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